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有限会社耕グループ
代表取締役
繁澤正彦さん(恵那市)

自分の夢、志を持って
力を磨きながら
仕事に向き合ってほしい
10年後の未来を創造し
前向きに仕事できる環境へ


日本全国で問題になっている少子高齢化。特に恵那市は32.62%と高齢化率が高い地域です。そんな恵那市で地域の人々と協力しながら、高齢者福祉に取り組んでいるのが有限会社耕グループ。認知症の人のグループホームをはじめ、デイサービスや看護小規模多機能ホーム、訪問看護ステーションなど、さまざまな高齢者向け事業を展開しています。

父の認知症が創業のきっかけ
里山のなかのグループホーム

 田畑と森が広がる飯羽間。どこか懐かしい農村風景のなかに、耕グループの「グループホームくわのみ」はあります。創業したのは2004年。父が認知症を患ったのがきっかけでした。当時、私は福祉の専門学校の教員として、恵那から名古屋市内に通勤していました。父の病を知り、父の近くで働ける環境を求めていたんです。幸い、以前の仕事を通して地元恵那市で、公私にわたって目をかけてくださった方がいました。その方や地域の方の協力もあり、2005年、認知症グループホームを設立できました。以降、地域のニーズにこたえて、事業の範囲を広げてきました。職員も増え、現在は男性15人、女性62人が地域のために尽くしてくれています。

女性が安心して働けるよう
子育てしやすい環境を整備

 子育て中の女性は働く意欲があっても、時間を確保できない人が多くいます。そのため、女性が働きやすく、定着しやすい環境を整備してきました。育児中の職員が子どもを連れて出勤できるようにしたのも取り組みの一つです。私が病院に勤めていた頃、院内の託児所に子どもを預けていました。看護師だった私の妻も同じ病院で働いていたのですが、子どもがすぐ近くにいたので安心できたんです。そんな経験から、3年前まで土日や長期休暇に1歳~小学6年生までの子どもを施設内で預かる制度を設けました。子どもたちは遊んだり、自習したりしていましたが、時には肩を叩いたり話をしたりと利用者とふれあう子もいて、とても喜ばれましたね。
 現在は小さな子どもを持つ職員が減ったこともあり、制度を停止しています。しかし、必要になった時には地域のニーズとも合わせて、学童を含めて地域の人々が利用できるふれあいスペースを設けるなど、新たな方法を模索していきたいです。
 
年休の取得率アップが
スキルアップにもつながる

 職員の年休取得率の高さも弊社が取り組んできた成果の一つです。単純に取得するよう発信するのではなく、業務を効率化するとともに幹部や管理職が率先して取得し休みやすい雰囲気をつくってきました。そうした努力を続けたことで、毎年70%ほどの年休取得率を達成することができました。さらに、毎月「0」がつく日をノー残業デーにしたことで、残業時間も平均して月に4~5時間程度です。プライベートな時間を多く取れるようになったことで、家庭で過ごすほか、自身の力を磨く時間も確保できます。弊社では資格取得などにかかる費用を負担していることもあり、職員のスキルアップにも結びつきました。
 こうした取り組みが評価され、2015年度に「岐阜県子育て支援 エクセレント企業」(現:岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業)に認定されました。離職者も非常に少なく、利用者からも「顔なじみの人が多くて接しやすい」と喜ばれています。

職員を総動員して企画する
10年後を見据えた新事業

 創業10周年を迎えた昨年、新たな取り組みも実施しています。「未来プロジェクト」と題して、10年後を見据えた新事業のアイデアを全職員から募集し、プレゼンテーションをしてもらったんです。皆、真剣に考え、福祉に関わる制度で可能な新事業や、里山という立地を活用したプランなど、斬新なアイデアが多く集まりました。そのなかには、地域を巻き込んだ新たな託児プラン「くわのみキッズ」もありました。くわのみを拠点とした見守り隊の結成、建築士や森林インストラクターなどを招き里山を活かした認知症ケアを行う「里山ユートピア」など、しっかりと検討して取り入れていこうと考えています。職員一人ひとりが仕事に対して志と夢を持てる。夢を持つことは、いきいきと仕事に向き合うために必要です。職員が自分の仕事に魅力を感じているかどうかが、認知症ケアの質の向上につながると思うのです。職員が持つ力を総動員して、地域の人々が安心して暮らしていけるようにしていきたいですね。