岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

楽しむことを忘れると
前に進めない。
一人で悩まないで、
笑顔で人とつながって。
そうすれば、きっと大丈夫。


NPO法人 グッドライフ・サポートセンター事務局長
中島由紀子(なかしま ゆきこ)さん(岐阜市)

【2015年1月29日更新】

中部9県のNPO法人格取得第一号で、平成25年度には「子ども若者育成・子育て支援功労者 内閣府特命担当大臣表彰」を受賞したグッドライフ・サポートセンターは、子育てや介護を地域で支え合う仕組みを構築した先駆け的NPO 。その事務局長である中島由紀子さんは、会員制育児サークルの代表や岐阜市の教育委員、各種研修・講習会の講師など、幅広い活動で地域の人々を応援しています。

大好きだった仕事が消え、
孤独と子育てに悩んだ時代もあった。

20代は地元の幼稚園に8年間勤務しました。幼稚園の先生は自分が園児の時から夢見ていた仕事だったので、すごく頑張っていたんです。でも、園長先生が亡くなられて休園が決まり、3月の卒園式で先生たちも一緒に卒業。それから結婚し、子どもを授かって子育て。話す相手もない日々で、けっこう悩みました。「愚痴を聞かせちゃいけない」と思うから夫や親にもなかなか言えないし、娘が夜泣きしても夫は目も覚まさないし、娘と二人っきりの昼間、悲しくて泣いたこともあります。公園デビューもできなかったんですよ。今の私からは信じられないでしょ(笑)。

わかりあえる仲間ができて、
日々が輝いた。

 そんなある日、0歳児の母親のための講座DMが。私には、それが素晴らしい招待状に見え、参加して悩めるお母さんたちが大勢いることにびっくりしました。その中に幼稚園勤務の頃に他の幼稚園の先生だった人を見つけ、声を掛けて初のママ友ができたんです。そして「二人でやれば何とかなる」と子育てサークルを立ち上げ、仲間が増えていきました。それからは夫といるよりママ友たちといる時間の方が長かったくらい(笑)。みんな同学区だったので、幼稚園から中学卒業まで、親も子も一緒に育ち、とても楽しかったです。子育てが終わった今も、みんなかけがえのない友だち。お母さんたちには絶対に理解者が必要です。自分をわかってくれる人が一人でも多くいれば、人は強くなれます。私自身、家族や友だち、地域の方たちのお陰で辛かった時代を乗り越えられたので、今は誰かの支えになりたい、若いお母さんたちにも、いろいろ伝えていきたいんです。

人とのつながりが化学反応を生んで
人生が変わった。

 私の母は、道なき道を突き進んでいくパワフルな人で、グッドライフ・サポートセンターも母たちが立ち上げました。その頃の私は専業主婦で、週に2、3日事務所を手伝いに行き一人電話番をしていました。やがて、活動が軌道に乗ってNPO法人格をいただき、私が立ち上げた子育てサークルも輪が広がって、地域の中で活動するうちに、いろいろな人や物事が、どんどんつながっていきました。組織の成長に伴い、当初から関わっていた私にも肩書きが付くようになり、責任を自覚。「頑張ろう」という思いを強くしました。でも一人でやっている訳ではなく、力強く支えてくれる家族や仲間がいるからこそ今の自分があります。たくさんの出会いをいただき、そのご縁や皆様からいただいた知恵で、一人ではできないことができるようになっていったのです。NPOやサークルの仕事、自治体などのさまざまな委員、講師といった活動は、全て、そんなつながりから生まれてきたものです。20代の頃は、こんなふうになるなんて夢にも思いませんでした。人生っておもしろい、出会った全てに感謝です。

前へ進めば、何かと出会える。
自分が楽しむことを大切にしたい。

 自信なんて全然ないですよ。今も日々勉強で試行錯誤の連続。でも、何でも楽しもうと思っています。今度はどんな人に出会えるかな、何ができるかなって、いつもワクワクしています。楽しむ事を忘れると、人は前に進めないでしょ。現代は先の見えない時代で、就活中の学生さんや若いお母さんたちは不安だと思いますが、悩んでいても何も始まらないので、自分のアンテナを高く張りめぐらせ、人とのつながりや情報や学びを得ていくことが大切だと思います。そしてネットの世界だけに埋没しないで、勇気を持って人の中へ、社会へ出て行くと、きっと誰かと何かと出会えるでしょう。「来るもの拒まず」で、やってみることで見えてくるもの、開けてくる世界もあると思います。つながった線が幾重にも重なり、広がって面になっていけば、世界はきっと変わります。