岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

本気でやれば、
わりと何とかなっていくもの。
やりたいことがあるなら、
人に頼るのではなく、
覚悟を決めて踏み出してみては?


歴史香るカフェ ココカフェ店主
伊藤理絵(いとう りえ)さん(関ケ原町)

【2015年2月24日更新】

 歴史好きの伊藤理絵さんは、天下分け目の合戦で名高い関ヶ原で2013年秋に「歴史香るカフェ ココカフェ」をオープンさせました。関ヶ原合戦をコンセプトに、メニューや演出を工夫。ホラ貝を吹いて料理出陣を合図するなど、ユニークな試みが話題です。オリジナルのキャラクターグッズなども手作りし、一人で店を運営しながら、歴史イベントやまちづくり会議などにも積極的に参加。大好きな歴史の町を盛り上げようと奮闘中です。

歴史上の人物に比べたら、
自分の悩みは、ちっぽけなもの。

 歴史好きになったのは、兄の影響です。「おもしろいから読め」と勧められ、昔から歴史小説をよく読んでいました。本などで知った歴史上の人物たちは人間的で、勇ましい武将にも意外な面があったりして、身近に感じます。そんな人物たちが心の支えになってくれることも多いんですよ。たとえば、開業前の数カ月はいろんなことが怒濤のように押し寄せ、気付いたら白髪が。ストレスだったのでしょう。でも、その時に浮かんだのは、矢が頬を貫通しながらも戦い続けた山内一豊とか、自分の首をめがけて何千人もの兵が押し寄せる恐怖と直面していた石田三成の姿。「それに比べたら、今の状況なんてたいしたことない」と思えました。そうやって歴史上の人物を自分に置きかえて考えるのが癖なんです。

時間は限られているから、
仕事も趣味も楽しめる方がいい。

 卒業後の最初の就職先は名古屋の広告写真スタジオです。大好きな写真の仕事で頑張っていたのですが、早朝からロケで帰宅は真夜中という生活が続いて体を壊し、退職。そこで次は、「好きなことを仕事にするのはやめよう」とOLに。余裕が生まれ、習い事や各地の史跡めぐりができたことは良かったです。でも、仕事にとられる時間はやはり長いので、どうせなら「仕事も余暇も両方楽しい方がいい」と思うようになり、辞めました。私は仕事と趣味を切り分けできないタイプみたい。その後、歴史イベントでのアルバイトなども経験し、大好きな歴史関連の仕事をしたい気持ちが強くなって、関ヶ原のドライブインに就職しました。歴史観光ツアーの企画をやりたかったのですが、仕事はレストランのフロントや売店での販売が中心でした。でも1年近く経った頃、施設の一部である『関ヶ原ウオーランド』の館長を兼務してみないかとの打診があったのです。

仕事は楽しく、
やれることは自らやっていく。

 やりたかった仕事なので喜んで受け、観光客に歴史講話もするようになりました。その時は自ら陣羽織と兜を着用。だって、その方が楽しいですからね(笑)。歴史散策を企画して一緒に関ヶ原を歩いたり、収益を上げようとオリジナルグッズを手作りしたり、いろいろできて良かったのですが、兼務が増えて大変に。私は「できない」と言うのが悔しくて、あれもこれも頑張っちゃう性格なんです。でも、できるんだったら、いろんなことができた方がいいでしょ。とはいえ、雇われの身では自分の思い通りというわけにはいきません。大垣市出身の私が関ヶ原で仕事をするようになって感じたのは、有名な歴史の町なのだから、合戦をコンセプトにした料理とか、観光客の憩いの場になる店があるといいなということ。だったら「自分でやろう、そうだカフェがいい」という思いが湧いてきたんです。

やりたいことがあるのに
我慢するのは、人生がもったいない。

 何も決めずに退職し、場所探しから始めましたが9ヶ月後には店をオープンできました。独立開業を選んだのは、自営で頑張ってきた母の影響もあるかも。感謝しなければいけませんね。店名は「関ヶ原にはここがある、ここで穫れたものをここで提供する、ここだけのものがある」という思いを込めて命名。「1年持つか」と不安でしたが、お陰さまで、今もなんとか生きています(笑)。お客様がどんどん情報発信してくれて、ありがたいですね。オーナーはリスクもあるけれど、やりたいことが自由にできる点が魅力。何かやったら、それなりの結果が付いてくるでしょう。ここで頑張って、将来は石田三成が主役の大河ドラマが実現し、合戦の町、関ヶ原がもっと盛り上がることを夢見ています。