岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

同じ悩みを抱える仲間と
喜びを分かち合ったり、
将来について話し合ったり
人が笑っているのを見ると、
やる気がわいてきます


障がい者支援者の会つばさ 会長 /美容室「Rural」経営
安江恵美子(やすえ えみこ)さん(加茂郡東白川村)

【2016年3月14日更新】

「障がい者支援者の会つばさ」の会長を務める安江恵美子さんは、自身も障がいがある子どものお母さん。「同じ境遇の親同士が情報交換できる場所を」という思いから、東白川村で美容室を営むかたわら、忙しい仕事の合間を縫ってバザーや保護者向けの教室などイベントを企画。仲間と励まし合いながら、子どもの将来につながる活動を目指してさまざまなことにチャレンジしています。

ついつい感じる疎外感
共に乗り越える仲間が欲しい

 障がいがある子どもを育てていると、無意識のうちに健常な子どもを持つ人との距離を感じてしまう......。1人で悩むのではなく、悩みを分かち合ったり、情報を交換したり、子どもの将来のことなどを話し合ったりできる仲間が欲しいと考えていました。そんななか、特別支援学級の交流会で同じ思いを持っていた仲間と意気投合。学校の先生からもすすめられて立ち上がったのが「障がい者支援者の会つばさ」でした。現在は、白川町や東白川村の特別支援学級、支援学校に通う子どもを持つ親が参加しています。月に一回クラフト教室を開き、年2回開催されるバザーに出品するための雑貨を作ったり、夏休みを利用して子どもたちと東白川村のこもれびの里などに出かけるお楽しみ体験やデイキャンプを計画したりしています。子どもが社会に出る時に役立てばと、年に1~2回ほど施設見学も実施しています。

活動が実を結ぶごとに
役立てる喜びを実感できた

 クラフト教室では、クラフトテープを使ったカゴ作りをしています。できあがった作品は福祉展のバザーなどで販売するのですが、たくさんの方が購入してくださるとうれしいですね。子どもが描いた絵ハガキが完売することもあるんですよ。会で企画するイベントを通して、子どもたちはもちろん、保護者同士も活発にコミュニケーションを取り合っています。同じ悩みを共有できるから、なかなかまわりに相談できなかった悩みを打ち明けられますし、アドバイスもできるんです。仲間のお母さんが私を信頼して子どもの将来について相談くれる時には、「私でも人の役に立てるんだ」と喜ぶとともに、活動する意欲が湧きました。人と接する機会が多いので、会をきっかけに人脈が広がり、本業の美容室を利用するお客様が増えました。障がいを持つお子さんが、気軽に来店してくれるようになったのはうれしいですね。ヘアスタイルをキレイに整えて笑顔を見せてくれると、私までニコニコしてしまいます。

環境やスタンスの違いから
温度差が生まれることも

 会の存在が励みになることもありますが、反対の場合もあります。積極的に協力してくれる人もいますが、何人も子どもがいるお父さんやお母さんは、日常生活だけで手一杯。せっかく教室やイベントを企画しても、仕事を休めなかったり、スケジュールが合わなかったりなどで人が集まらない時もあります。そんな時は、がんばって企画したのにとへこんでしまいますが、1人ひとりスタンスの違いや気持ちに温度差があることは仕方がありません。「1人だけじゃなかったらいい。2人以上集まったらやってみよう」くらいの楽な気持ちで取り組むようにしています。そういう姿勢でいる方が、協力してくださる人が多いような気もしますね。私自身も、会の行事と本業の美容室が重なることがしょっちゅう。本業を後回しにして会の行事に向かう時、活動の目的がわからなくなった時には、「忙しいぐらいがちょうどいい」と自分に言い聞かせながら、前を向くように心がけています。

仕事や趣味を生かしながら
将来を見据えた活動を

 美容師という仕事柄、手を動かして何かを作るのが大好き。クラフト教室でかごを作ったり、可能な限り月に一回あるプリザーブドフラワー教室に参加したりしています。もの作りをしていて無心になる瞬間が癒しの時間です。もちろん、美容室に来てくれたお客さんと、ワイワイおしゃべりをするのも息抜きの一つですね。会が開催しているイベントでも、子どもたちと一緒にもの作りをする機会がたくさんあります。今はまだ漠然とした夢でしかなく具体的なことは決まっていませんが、会でしているクラフト作りや雑貨作りなどの経験を活かして、子どもと一緒に働ける道を探したいと考えています。子どもたちが将来の夢を持ち、社会に羽ばたいていけるように手助けができるといいですね。