岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

仕事と家庭の両立は
家族の理解があってこそ
毎日を大切に過ごして、
家族とお客様の笑顔を
引き出していきたい


和カフェ「自然処(じねんじょ)」経営
平井麻美子(ひらい まみこ)さん(可児郡御嵩町)

【2016年4月25日更新】

のどかな風景にひっそりと佇む隠れ家的カフェ「自然処」。訪れた人を癒やしてくれる和カフェを御嵩町で経営しているのが平井麻美子さんです。未経験の世界に飛び込みながらも、夫と3人の娘に支えられて、今日も穏やかな笑顔で店を切り盛りしています。

義理の父から受け継いだ
かやぶき屋根の古民家

 夫の実家は明治2年に創業した造り酒屋。その向かい側に義理の父が守り続けてきたかやぶき屋根の古民家がありました。造り酒屋の廃材を利用し、50年ほど前に義理の父が建てたものです。4年前までは他の人に頼んで飲食店を開いていたのですが、残念ながら閉店してしまいました。、義父も亡くなって管理する人がいなくなってしまったのですが、「長年愛用されていたものがそのまま朽ち果ててしまうのはとてももったいないなぁ」と一念発起。私になにができるかと考えたときに、思いついたのが和カフェ「自然処(じねんじょ)」でした。囲炉裏や土間など元々あった内装を活かして、どこか懐かしく、落ち着ける雰囲気をかもす店です。そこで私は調理や接客、仕入れなどのすべての業務を担当。パートさんと一緒に20席しかない小さな店を切り盛りしています。

ゼロからのスタート
銀行員から飲食店へ

 私の前職は銀行員。融資を担当しており、飲食店で勤めた経験はありませんでした。そのため、何を提供すれば喜んでいただけるのか、すべて手探りの状態からスタート。2014年に調理師免許を取得し、状況に応じてできることをしていこうと仲間とともに試行錯誤を重ねてきました。すると、だんだん食材を選んだり、料理をしたり考えたりすることが楽しくなってきたんです。いま店で提供している料理はから揚げやハンバーグなどがメーンの「日替わり定食」や「じねんじょのとろろめし定食」、「ころうどん」、「おにぎり定食」など、素材を活かした自然食を意識しています。手づくりの料理やケーキをお客さまが喜んで食べている姿を見るのはなによりうれしいです。料理や店の雰囲気を気に入っていただけたのか、いまではリピーターや常連のお客さまも来てくださるようになりました。

公私両立の秘訣は
大切な家族の支え

 私には小学校6年生、4年生、1年生の3人の娘がいます。店を経営していくのにあたって、仕事と家事、育児を両立できるんだろうかと悩みました。いま、両立できているのは夫や子どもたちに理解があったことと、常連さんもたくさん助けてくれたおかげです。子どもたちは自分たちができることを考えて、家事を手伝ってくれました。一番上のお姉ちゃんは土曜日のお昼ご飯をつくってくれたり、洗濯物を畳んでくれたりと「小さなお母さん」としてがんばってくれていて、とても頼もしい存在です。夫も造り酒屋で使う麹から塩麹などをつくってくれたり、毎朝、店の囲炉裏に火をつけてくれたりと支えてくれています。仕事より子どもを優先しているので、営業時間は短いです。日曜日と祝日を休み、モーニングとランチのみ営業しています。そんな店ですが、常連として通い続けてくれる。本当にみんなに支えられているなぁと感じますね。

その日一日を大切に
誠実に"いま"を生きる

 仕事や家事、育児に奔走していますので、今は週1回のバレーボールや月1回のマッサージが癒しの時間です。ソフトボールをしていたこともあり、体を動かすことが大好きなんです。バレーボールは10年ほど前からはじめましたが、仕事とは別の汗をかいてリフレッシュできて、「また明日からもがんばろう」と気持ちを切り替えるいい機会になっています。将来は店をより一層繁盛させていきたいと夢見ていますが、それ以上にどんどん大きくなっていく3人の子どもの成長を側で見守りたいという思いが強いですね。「私が生きている今日は、昨日亡くなった誰かが生きたいと切に願った明日」。そんな言葉を胸に、一日一日を大切に生きて、一歩ずつコツコツと店を良くしていけたらいいなって思います。