岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

大事なことは性別ではなく、
「人としてどうか」に尽きる。
人と人との関わりを大切に、
地域を未来に繋ぎたい。


本荘まちづくり協議会会長
井上いほりさん(岐阜市)

【2016年6月24日更新】

地域の中で主婦として生活しながら、日常の疑問や不便に真摯(しんし)に向き合って周囲の人々と一緒に解決や改善に努めてきた井上いほりさんは、いつしか地元、岐阜市本荘の中心的存在に。地域防災・減災の活動を進める『本荘まちづくり協議会』の結成に尽力し、会長を務めるほか、岐阜市50地域の自治会連合会では初の女性会長となり、自治会活動やまちづくり活動、高齢者や障害者への支援及び地域防災体制づくりに取り組んでいます。地域住民の見守りを重点課題とし、災害時の敏速な安否確認システムを構築するべく災害時要支援マップも作成。女性の視点や感性を生かした細かな取り組みが評価され、平成24年度には内閣府の『女性のチャレンジ賞特別部門賞(防災・復興)』を受賞しました。

目の前の課題を何とかしたい

 『女性のチャレンジ賞』を受賞したときは、「え、私でいいの?」という感じでした。地域防災への取り組みを評価いただいたことは光栄ですが、自分としては女性を意識して活動したわけでも、特別な挑戦をしたわけでもなく、目の前の課題を何とかしようと取り組んできただけなんです。
 私が暮らす本荘地区は人口11,424人(平成26年9月1日現在)、高齢化率は27.98%(平成26年4月1日現在)。高齢者が多く、長良川も近いので、災害時に高齢者が取り残されることがないよう、地域の絆づくりが重要と考え、喫茶店を活用した「地域サロン」や高齢者の方に持ち歩いていただく「救急カード」の普及を図ってきました。そんな活動のなかで、高齢者分布が一目でわかる地図がほしいということになり、「どうしたら作れるだろうか」と方々に相談した結果、岐阜市の紹介で岐阜県の「県域統合型GIS(地理情報システム)」を活用できることに。そして地元小学校のパソコンを使わせていただき、県の指導を受けながら災害時要支援マップを作成、みんなで情報を共有できるようになったのです。

疑問や課題をそのままにしておけない

 本荘自治会連合会、本荘まちづくり協議会の会長は、自分で手を上げたわけじゃないんですが、気付いたらそうなっていました。私は何でも拾ってしまうタイプなんです(笑)。40年ほど前に嫁いで来たときは新参者で、今のような姿は想像もしませんでしたが、それから「子ども育成連合会」「主任児童委員」「女性防火クラブ」「婦人会」など、地域の中でいろいろやってきた経験が現在につながっているのだと思います。結婚して間もなく同居していた義父母の介護に追われるようになり、辛い時代をご近所の方々に支えていただいたので、地域の皆様に恩返しをしたいという思いがありましたし、疑問や課題をそのままにしておけない性分なので、会合などで、よく質問や発言をしていました。そんなことから、「じゃあ、自分でやってみろ」という感じで、いつのまにか真ん中に立たせていただくことになったのです。

大事なことは性別ではなく、「人としてどうか」に尽きる

 男だから、女だからということは、とりたてて意識していません。大事なことは性別ではなく、「人としてどうか」に尽きると思います。女性で初めて会長になったからといって特に気負いはなく、私は今も「普通のおばちゃん」です(笑)。ただ一つ心がけているのは、自分がわからないことを、そのまま組織に下ろすことはしないということ。それは、皆様に支えていただく立場の人間として当たり前のことだと思います。今、会長を務めさせていただいているのは、地域の方が私を理解し支えてくださることと、これまで積み重ねることが出来た人との関係があってのことです。私は地域の一員としてつながりを大切にしながら、身の回りの疑問や課題を周りの方々と一緒に考え、ささやかな改善をしてきたに過ぎません。これからも人として普通に生き、人と人との関わりを大事にして地域を未来につないでいきたい、ただそれだけです。

人は、ピタッとはまれば、大きな力を発揮するジクソーパズルの1ピース。

 災害時要支援マップを作成する際、地域でパソコン倶楽部を立ち上げ、県の指導を受けながら作成を行ったのですが、担当メンバーには、パソコンができる若い人を抜擢しました。彼らはめきめき成長し、今ではシステム管理の要です。人って、ピタッとはまる場所を得ると、みんな輝くんです。社会には性別も年代も異なるいろんな人がいて、まるでパズルのよう。一人ひとりが周囲とつながり、自分ならではの良さを生かせるような関係ができれば、人が変わり、地域が変わり良くなるのではないでしょうか。時は確実に流れ、地域社会も次の世代へ受け継いでいかないといけないので、若い方々を巻き込んで、その成長を支えていかなければならないと思っています。