岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

もはや打つ手なしと開き直ったとき
自分のスタイルが見えてきた
「私は私」という考えで
歩みはじめたら人生が拓けた


特定非営利活動法人 あゆみだした女性と子どもの会 理事長
有限会社ハートプランニング中部 取締役社長

廣瀬直美さん(岐阜市)

【2017年4月20日更新】

23歳のときに父親が死去し、突然、設計事務所の跡取りとして会社経営を任された廣瀬さん。職場では女性というだけで軽侮され、悔しい思いと挫折を味わいました。そんな中でも頑張って自分スタイルを構築し、会社を継続させています。平成16年、自身の経験をバネに「あゆみだした女性と子どもの会」を設立。DVや虐待、女性の貧困や自立のための相談と支援、防止のための講座開催など、女性だからこそできる支援活動をしています。

突然、会社を継ぐことに
がらりと環境が変化

 父が去った翌年に妹も失って4人だった家族は母と私の2人きりになりました。悲しみに暮れてばかりもいられず、やるしかないと会社を継ぎました。当時の建築関係の仕事は女性に厳しい風潮があり、現場には女性用のトイレもありません。信頼していた周囲の人々が手のひらを返すように離れていきました。
 20代と若かった私は人間不信になり、うつ状態に陥っていた時期もあります。しかし、もはや打つ手はないと開き直り、母娘2人が食べて行ければよいと、自分一人でもやりきれる業務に絞り込んで、堅実に仕事をすることにしました。それが苦境のなかで見出した自分スタイルで、私らしい歩み出しだったのではないでしょうか。それから30年が過ぎましたが、皆さんに支えてもらい良く頑張ってきたと思います。

DVを理解するだけでなく
支援する団体をつくろう

 12年ほど前、当時は「DV」という言葉がまだ認知されていませんでしたが、女性の人権に詳しい友人の弁護士を通してDVにはさまざまなケースがあることを知りました。女性にしかわからない悔しさを経験してきましたが、DVを知り「そんな辛い思いをしている女性が多くいるんだ!」と衝撃を受けました。そこでDVの原因や対処法などをともに学ぶ仲間を集めて勉強しようと思い立ち、勉強ばかりでは頭でっかちな団体になると考え直してDV当事者の支援団体をつくろうとしました。女性の先輩たちの協力もあり、平成16年に「あゆみだした女性と子どもの会」を発足することができました。

自分の足で、前へ進めた
そんな連絡が活動の支えに

 相談はDVや児童虐待、女性の貧困などですが、課題の多さに悩んでしまうこともたまにあります。そんな方たちから手紙が届くと、経済的・精神的にも自立でき、気持ちの余裕ができたと感じてうれしいです。また、突然、口座に賛助金が振り込まれていたことも。「今度は他の人を力になりたい。一口ぐらいなら私も寄付できる」と聞き、うれしくなります。時には心折れることもありますがこの活動の意義ややりがいを感じることができ、続けてきてよかったと心から思います。
 近年はデートDV防止教育プログラムの講師として高校や大学で講演活動もしています。高校生は素直ですね。女子は「被害者なのかも」とざわめきます。交際相手を自分の所有物だと思っている子どもは少なくありません。本当は中学生から話をしたいと働きかけています。正しい知識を持ってほしいと思います。
 今後は、生きづらさを抱えた女性たちの自立を目的としたグループホーム、仕事場をつくろうと計画中。女性だからこそできる支援活動を模索していきます。

人の本質を見極め
関わった人は大切に

 毎年、元旦には「今年こそNOといえる廣瀬になろう!」と誓うのですが、頼られると断れない性分で困ります。そんな性分が幸いし、多方面で人と繋がれました。お酒が好きで、岐阜でさまざまな人と人をつないでいく「飲み屋ネットワーク」もゆるく広げています。忙しい毎日ですが、頭の切り換えができる料理は大好きで得意。友人と集まり開く持ち寄りパーティーも楽しみのひとつです。一人になりたいときは、岐阜を離れて一人で飲みに出かけます。多くの人との時間も、一人で過ごす時間も、私にとって大切なものです。
 自分が人との関わりで、つらい経験をしたので、人の本質を見て関わるようになりました。身近にいてくれる人を大事にし、その人が人生や仕事でつまずいたときもつき合います。時々くよくよすることもありますが、父親譲りの頑固さで乗り越えていきたいですね。