岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

お母さんたちにリフレッシュして
いい気持ちで育児を楽しんでほしい
預けたいと言ってくれる人が
いるから
より良い保育のカタチを
模索しています


萩原北醫院託児所ししのこ
大林朋子さん(下呂市)

【2017年4月20日更新】

0~2歳の低年齢児を預かる萩原北醫院託児所「ししのこ」。職員のための託児施設としてスタートを切り、現在は地域に広く開かれています。保護者のリフレッシュ、そして子どもたちの育ちのために事務局の大林朋子さんと保育士、調理師が、より良い保育を提供し続けています。

4人の子どもを育てた
自身の経験からお母さんをサポート

 もともと市外で生活をしていましたが、母親の実家がある下呂市に平成17年12月、医院を開業しました。4人の子どもがいる私は、越してくる以前に長男を出産。職場復帰を目指して産休・育休期間を過ごしていましたが、保育施設が見つからず、仕事を退職し母や個人の託児所に子どもを預けながらアルバイトをした経験があります。
 当時は思い通りにならない子どもの行動や状況にイライラしてしまい、その思いを子どもにぶつけることもありました。自分のキャリアを途切らせることへの不安もあったのだと思います。その経験があったので、職員確保や私のような不安を抱く人が少しでも減るようにと、開業に際して託児所を設置したいと夫と話していました。設計図をつくる時点で、夫はしっかりと託児所を設けてくれ、スタートを切ることができたのです。
 開業に向けた募集時から、子どもを預けながら働きたいという人が集まってくれました。通うにも楽であり、職場の近くに子どもの笑顔があるということで働く人の心まで癒される。託児所をつくって本当に良かった、と思える毎日でした。
 もともとは職員のための託児所でしたが、開所から間もなくして地域の方からも求められるようになりました。地域の人に頼りにしていただける、利用していただけるという満足感が我々にも芽生え、やりがいの中で次第に利用してくださる人が増えていきました。

結婚・出産をスムーズに考えられる
キャリアを積みながら子育てできるように

 当初、待合室の隣に託児所を置いていたので通院する方の目にもとまりやすく、お母さん本人はもちろん、ご家族からの情報で知ったと、託児を依頼する人も増えていきました。もともと、託児への制限を設けておらず、お母さんがリフレッシュするためでも問題なく受け入れています。託児というと、うしろめたさを感じる人がまだまだいらっしゃいますが、子どもにとってマイナスな理由でなければ、子育てする人が息抜きをすることも大切だと考えています。このあたりは、顔見知りが多いので保育士ともなんらかのつながりがあることがあります。預ける人たちも、知っている人に預けるという安心感もあるようです。
 ししのこに子どもを預けながら働く医院の職員も、ししのこで調理師、保育士として働く職員にも、働く環境として充実することが重要です。ししのこは、公立ではありませんから、ある程度自由に保育方針をもつことができます。理念を理解した保育士と仕事ができることに、私自身、幸せを感じています。常に意見交換をしながら、新しいことに挑戦し、ベストに向かって改良を重ねる毎日です。職員が楽しいと感じながら働いてくれているのが、うれしいです。その中で、結婚や出産に対して、みんな非常に前向きに考えてくれています。

自然の中で生きるヒントを得る
型にはまらずその日その日の保育を

 可能な限り自然を利用しながら生活することを保育方針にしています。例えばトゲがある庭木をなくしてしまうのではなく、その危険を保育士が理解したうえで、けがをしないように子どもたちに教える。保育士の仕事はその点が重要だと思っています。また、天気が良い日には、荷物を玄関に放り出してでも園庭に出てもいい。朝ごはんがたくさん食べられずお腹がすいたのなら、ししのこについてから食べてもいい。お母さんやお父さんと家にいたら、きっとこうするだろうなといった生活のリズムを、できるだけ変えないようにしています。私は保育士の免許をもっていないので、行き過ぎてしまうこともあります。それを保育士のスタッフが知識をもって、とても良いバランスを保ってくれています。

自身もリフレッシュを重ねながら
次なる目標にむかって勉強中

 いま実現に向けて勉強中なのが病児保育です。たとえば毎年流行するインフルエンザなど、どうしても預けることに躊躇したり遠慮したりする保護者がいます。でも、がまんして頑張り続けると、お母さんもお父さんも大変。少しでもお手伝いができればいいなと思っています。難しいこともありますが、スタッフと一緒に挑戦したい。保育士たちも意欲を見せてくれていますし、働く人のモチベーションを上げる意味でもぜひトライしたいですね。また、災害時など拠点となる病院は開け続ける必要があります。職員やその子どもにとって、この病院と託児所は、絶対になくしてはいけない場所という責任が夫にも私にもあります。改良点を加えながら、より良い環境を整備していきます。
 息抜きになっているのは、読書。長男も本を読むことが大好きで、自宅には本がたくさんあります。完結する短編小説が最近は好きですね。この春大学生になった長男と、末っ子の長女は10歳離れています。小さいころは、よく面倒を見てくれて助かりました。長男を育児中、私自身に余裕がなく彼にはつらい思いをさせたこともありました。最近、あの時、お母さんはこういう気持ちだったの、ごめんねと話をすることもあります。長男にしてやれなかったことを、長女にはしっかりとしてあげたい。そう思いながら、私自身も育児に奮闘する毎日です。