岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

同じ悩みや問題を抱えるママと
協力して知恵を出し合い
大好きな阿木で子育てしている人を
支えていきたい


中津川市阿木地区集落支援員、子育てサポート「ぽけっと」 副代表
渡邉雅代(わたなべ まさよ)さん(中津川市)

【2017年5月 9日更新】

地域の状況を把握し、行政などと連携して課題解決へと進める集落支援員。中津川市では、落合、馬籠峠、そして阿木の3カ所で活躍しています。渡邉雅代さんは阿木地区集落支援員として2011年11月から子育てなどを中心に地域住民のサポートをしています。少子高齢化が進む地域で、「子育てしやすい地域づくり」を進め、若者の流出防止や移住促進にも一役買っています。

子育て中に抱いた不安や不便を
次の世代に生かすためグループ創設
 

 中津川市の中心地から阿木に嫁いで約15年になります。3人の子どもを育てるなかで、さまざまな経験をしました。その途中、苦労に感じることも、もちろんありました。たとえば上の子どもの授業参観に出ても、抱っこをした下の子が泣き出してしまうと教室を出なくてはならず、せっかく足を運んだのに参観できなかったという経験もあります。
 3番目の子どもが保育園に入るとき、「大変だったという子育ての記憶が『過去』のものになってしまう前に、経験を地域に生かしたい」と思ったのです。そこで子育て支援のグループを立ち上げようと決意しました。思い知ったのは、自分にとって必要なサービスや制度は、自分から声を発して行動しないと完成しないということです。待っているだけでは、誰も気が付いてくれず何も変わりません。同じ思いをもつ母親がまわりに多く、安心して子どもを預けられる場所があると助かると思いました。市役所阿木事務所や民生委員さん、区長会などに相談しながら、2011年に阿木の子育てサポート「ぽけっと」を立ち上げました。

リーダーとしての経験を生かして
地域の助けを得ながら進めた整備

 母親の子育ての負担を減らすため、市のファミリーサポート事業の一環として子どもの預かり、阿木独自のサポートとして病院受付や検診の順番確保などをしています。2011年に創設し、現在利用会員は約40人。活動を支えるサポート会員は31人にまで増えました。サポート会員はすべて阿木の方なので、顔が見える付き合いもママたちに好評です。また、夏休みなど学校が長期の休み中に子どもの居場所として設置した「季節学童保育」は地域内の学校を開放してもらいグラウンドや体育館、プールも使用できます。運営しているのが当事者である親なので、必要な事柄を取り入れていくことが可能です。「必要なことだから頑張れる」というのがみなさん共通の思いです。

母親としての自分とは違うコミュニティで
一人の人間として自由な時間を堪能

 集落支援員としての活動も2011年からです。地域の人と触れ合い、問題の解決に進めたりお祭りなどのイベントがあれば手伝いをしたりします。移住してきた家族へのフォローも欠かせません。そうしたなかで地域の多くの人と知り合うことができました。そこで趣味のコーラスグループを立ち上げることもできました。
 歌うことが大好きで、4年ほど前からグループで活動しています。年に2回の発表会もあります。娘が小学生のとき、地区の中学校の合唱コンクールで保護者の発表会をするために募集があったのです。参加したことで「楽しい!」と実感。阿木でもぜひ歌いたいとメンバーを募り、10代から70代の19人が一緒に歌っています。いつもは子どもたちの発表を見守る側ですが、発表会では衣装を着て、この日ばかりは私が主役。いつもとは違う面を子どもに見せることができるのも楽しいですよ。  
 阿木に嫁いできた当初、家族の絆が強く優しい人が多い地域だと感じました。家族や近所を気遣い、会話を通してお互いを理解して協力する人が多い。そういう家族や近所のみなさんと一緒に、子育てに困っている家族をサポートしていきたいです。「ぽけっとに相談すれば大丈夫」「阿木には支援員さんがいる」と、心強く感じてもらえるようにしていきたいですね。