岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

自分がはじめたことに後悔はない
家族を頼り、支え合いながら
飲食業もデザイナー業も
全力で突っ走ります!


株式会社AQプランニング 代表取締役/有限会社クリメイト デザイナー
小寺聡美さん(神戸町)

【2017年11月22日更新】

ある時はさまざまな企業の広告を手がけるデザイナー。ある時は低糖専門の飲食店のオーナー。そして、ある時は3児を育てるシングルマザー。神戸町に住む小寺聡美さんは、異なる業種を手がけながら、子育てにも手を抜くことはありません。多方面で活躍する原動力は、「悩んだ末に自分がやりたいと思ったら、全力で突き進む」という真っ直ぐな思いでした。

デザイナーの両親のもと
自由に仕事を楽しむ

 私の両親はデザイナーでした。私が子どもの頃は、パソコンではなくて、絵の具などを用いてデザインする時代。家にはデザイン用品や、資料用の彫刻、絵画が並んでいました。中学3年生の時には、両親が小さなマッキントッシュを導入したんです。当時はカラープリンターがなく、別の場所で出力したモノクロの絵に、後から自分の手で色付けするというもの。ですが、マウスを使って絵を描けることに衝撃を受けました。
 デザインに触れる機会が多い環境で育ったので、小学生の頃には「将来はデザイナーになる」と決意。好きなことがしたいと、地元の大垣女子短期大学デザイン科を卒業後、父が経営するデザイン会社に入りました。会社といっても、デザイナーばかりが4人。フリーランスが集まったような会社でしたので、自由にデザイナー経験を積めました。20代半ばで結婚して、3人の子どもにも恵まれたんですが、仕事が好きだったので夫と義理の両親に助けられながら続けました。

糖質制限のすごさを知り
新たな事業にチャレンジ

 転機になったのは、十数年前。父ががんを患ったんです。そのため、会社の事務所を岐阜市から神戸町の自宅に移転しました。夫とは離婚していたので、実家が職場という環境はありがたかったですね。子どもが学校にいる間にクライアントとの打ち合わせや家事などをし、子どもが寝た深夜にビールを片手にデザイン作業をしていました。深夜にわたる仕事自体は、もともとデザイナーいう職種がそういうものなので慣れており、苦にはならなかったです。ですが、飲んでいたビールがダメだった。気がついたら随分と体重が増えており、耐えられない見た目になっていたんです。これはまずいと一念発起し、名古屋市のスポーツジムに週1回通い始めました。そこで、糖質を制限した食事について教わったのです。その通りに生活していたら、1カ月で10キロも痩せたんですよ。食事は3食摂って、お酒も楽しみながら、ストレスなく体重を落とせたことにびっくりしました。
 「これはすごい!」と飲食店を経営するクライアントに、「低糖メニューを出さない?」と提案して回りました。しかし、色好い返事はありません。だったら、自分で店を出そうとすぐに決めました。ジムに通いだしたのが2014年10月、オープンが2015年2月ですから、ほとんど迷わなかったですね。「こんなにすごいのだから、多くの人に伝えたい」という思いが強かったです。

苦労の末にたどり着いた味
客の声が何よりの励ましに

 店名は「低糖専門キッチン源喜」。「食べる喜びが元気の源」という意味を込めました。おいしくない食事に喜びはない。糖尿病など、食事に気を使わなければいけない人もおいしく食べて、心も体も元気になって欲しいと思いました。
 オープニングスタッフは栄養士とシェフ、パティシエ、ホールスタッフ2人。砂糖はもちろん、小麦粉も一切使わないディナーメニューを5種とランチメニューを用意しました。しかし、思った以上にお客さんが来ない。低糖専門と聞いて、「おいしくないのでは?」「ボリュームが少ないのでは?」といった印象が、お客さんにあったのかもしれません。繁盛しているとはいえない状態が1年ぐらい続いたのですが、それが源喜にとってはプラスに働きました。1年間、新たなメニュー開発に力をつぎ込めたのです。お店のコンセプトを栄養士には理解いただいていたのですが、シェフやパティシエにとっては初めての挑戦。逆に私は飲食店の素人でしたので、意見がぶつかりました。ですが、おかげでメニューも随分増えて、今ではディナーメニューだけでも30種類近くそろい、スイーツもあります。客足も徐々に伸びて、今では東京や京都など、遠方から来てくださるお客様もいます。
 デザイナーの仕事とは違って、反応がすぐにもらえるのがうれしいです。「おいしかったよ。これで低糖?!」「糖尿病を患っているので、普段は家族と別メニューだけど、今日は同じものが食べられて嬉しかった」。そんな言葉がモチベーションにつながります。また、グルコーストランスポーター1欠損症で糖分を摂れない子どもたちに、低糖の焼き菓子を送ったら、心のこもった感謝状をもらいました。本当にうれしかったです。
 飲食店の経験はデザイナー職にも役立っていて、どうすればより魅力が伝わるか、販促をとことん考えるようになりました。さらに、今後は開業しようとする人をサポートする事業も行う予定です。

好きなことだから続けられる
後悔しないように全力投球!

 2つの仕事と子育てを続けられるのは、仕事自体が私の息抜きになっていたから。子どもの頃から好きだったことを仕事にしたので、ストレスを感じませんでした。また、家族にも助けられました。結婚してすぐ夫の実家で同居しましたが、義理の両親にも遠慮なく甘えていました。最初から自分をよく見せようとせず、続かないことはしない。良い嫁と思われようとしないこと。よく同居を嫌がる人のことも聞きますが、私は一緒に住んだ方が、距離を縮められていいと思うのです。好きな仕事を思いっきりして、家事や子育てに手が回らない時は助けてもらう。もちろん、私が家族にできることはしっかりします。互いに遠慮せず助け合う関係を築けたことが大きいですね。故あって夫とは籍を離しましたが、今も義理の両親に助けられています。
 今後は、低糖食のすばらしさをもっと伝えていきたいです。少しずつ規模を大きくして、全国に広げていきたいと考えています。大変なこともあるでしょうが、なせばなる!やりたいことをやらずに後悔しないように、これからも全力投球です!