岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

「続けること」を大切にして
可児市内屈指の景観が楽しめる
カフェテラスを市役所内にオープン
癒し空間の存在を皆さんに
もっと知ってほしいです


カフェテラス「べるべーる」代表
伊藤和子(いとう かずこ)さん(可児市)

【2018年5月11日更新】

栄養士の資格を活かし、未経験の飲食店経営に挑戦。お客さんの存在に支えられながら、可児市役所内でカフェテラス「べるべーる」を切り盛りしているのが、代表の伊藤和子さんです。手作りにこだわった料理には、ニンジンやジャガイモなど地元でとれた野菜をたっぷりと使用。また、店内の窓から見える、季節ごとに表情を変える景観も店の大きな魅力です。「べるべーる」は市役所職員や地域の人々にとって、憩いの空間となっています。

経験がない飲食店の世界
栄養士の資格を活かせる場

 大学で栄養学を学び、卒業後は中小企業に栄養士として就職。工場で支給する給食の献立を朝、昼、晩、夜食と4食分考える日々が続きました。結婚を機に退職し、子育てにふさわしい環境とマイホームを求めて、名古屋市から可児市へ移り住みました。
 1982年、可児町が市政を施行した際、可児市総合会館が開館しました。それに伴って、館内に入る飲食店の出店を一般公募していたんです。飲食店の経営は未経験でしたが、栄養士の資格を活かせると思い、勢いで応募。抽選に当たり、コーヒーレストラン「べるべーる」をオープンしました。2007年、可児市役所内に移転して現在に至ります。
 「べるべーる」は、フランス語「Belle Vert(美しい緑)」から取りました。名古屋市から引っ越してきた時、可児の自然の豊かさに驚き、感銘を受けたんです。可児市のキャッチフレーズ「緑と太陽の街」にもあやかっています。
 息子が二人おり、開店時は長男が小学4年生、次男が年長でした。幸いなことに、子どもの世話を実母に協力してもらえたので助かりました。土曜、日曜、祝日は店の定休日のため、家族と過ごす時間にあてられたのも良かったです。

手作りにこだわった料理
地元産の野菜がたっぷり

 「べるべーる」では、弁当の注文も受けています。切手や印紙などの販売もしており、飲食と物販を合わせると利用者は1日平均約70~80人。市役所職員が多いですが、地域のお客さんも少なくありません。
 提供する料理は、手作りにこだわっています。旬の素材がバランス良く詰まった幕の内弁当や、ボリューム感のある日替定食、麺類、丼物、サンドイッチが人気メニュー。地域でとれた食材を多く使用するのが、「べるべーる」流なんです。
 夫が作った、自家栽培の野菜も使っています。野菜の値段が高騰する時期は本当に助かりますね。単身赴任で家を留守にしがちな夫は当初、飲食店の経営に反対していましたが、今ではとても協力してくれているんです。店の売り上げや仕入れも管理してくれています。
 日によって来客数がまちまちのため、仕入れや作る量、利益率などを推測するのが難しいです。また、自家栽培で賄えないものをなるべく安く仕入れるよう、工夫をこらして買い物しています。楽しいことだけでなく苦労もありますが、「こんなに安くて良いの?」「おいしかったです!また来ます」など、お客さんの声がやりがいになっています。

ライフワークは演じること
音楽で疲れた体と心を癒す

 プライベートでは、名古屋市在住の時から劇団員として活動しており、演劇がライフワークになっています。観るのも好きですが、やっぱり演じる方が好き。年齢に関係なく、みんなで一つのものを作り上げる楽しさや、自分とは異なる人生の役を演じられる面白さが演劇の魅力です。1996年、可児市で「劇団ゆとり」を結成し、並行して活動を続けています。
 飲食店の経営は体力的に辛いこともありますが、劇団活動で培った基礎体力に助けられています。体力を衰えさせないよう、朝のストレッチは欠かせませんね。
 イージーリスニングを聴き、リラックスすることも大事にしています。主人も音楽が好きなので、自宅ではよく流しているんですよ。しっとりした曲を聴いていると気持ちがゆったりとして、心身の疲れが癒えていきます。

カフェテラス「べるべーる」を
もっと知ってもらいたい

 可児市役所に店を移転した際、一人でも多くの方に気軽に利用していただけるよう、窓に向かってカウンター席を設けました。店内はコンセントの利用が可能で、ノートパソコンなどをつないでいただいてかまいません。ランチタイムは混み合うため、ご遠慮いただいていますが、午後のティータイムはぜひ、ゆったりとした気持ちで過ごしてほしいです。
 店を続けて35年、演劇もそうですが「続けること」が何よりも大切だと思っています。人と会うのが好きで、さまざまな出会いがあるからこそ店を続けてこられました。
 窓の外には可児川が流れ、川の向こうには名鉄電車の赤い2両編成の列車が通ります。春は桜、夏には鮮やかな緑の自然が訪れる人の目を楽しませる、そんな四季折々の景色が店のアピールポイント。「可児市内屈指の景観を楽しめる場所で営業できている」、そう思っています。
 一般の方に、もっと店を利用していただきたいです。市役所に用事で来る機会があっても、カフェテラス「べるべーる」については存在を知らない人が少なくありません。コンサートを開くなどして店の存在感を示しつつ、地域交流も深めていきたいですね。