岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

人と人とのつながりが笑顔を作る
従業員が配慮し合い
仕事と家庭の両立ができる
働きやすい職場作りを


株式会社笑顔いちばん 専務取締役
山口由香(やまぐち ゆか)さん(岐阜市)

【2018年5月23日更新】

「笑顔づくりは街づくり」をコンセプトに福祉や介護を中心に展開する、株式会社笑顔いちばん。その専務取締役を務めるのが山口由香さんです。人と人とのつながりを大切にして、社内保育所の設置や育児休暇制度、子どもを連れてのミーティングなど、従業員が笑顔で働きやすい職場を目指してさまざまな取り組みをしています。

決断力と行動力を武器に
新たな業界に挑む

 株式会社笑顔いちばんは、福祉と介護の業務を中心に、国内外8つの事業と6つの関連企業を展開している会社です。創業は2010年。もともと接骨院をしていた夫が「デイサービスをしたい」と言ったのがきっかけでした。夫が以前、知り合いの介護施設に見学に行ったのを知っていた私は、すぐに頷きました。決断が早いのが私の長所です。
 介護に関する知識がほとんどなかったため、介護職に対して、拘束時間が長く給料が安いなど、ネガティブな印象を持っていましたが、「決めたからには動くしかない」と決意しました。当時働いていた会社の育児休業を利用して、ヘルパー2級の資格を取得しました。また、知識を蓄えていくうちに、介護職への印象も変わり、「介護はこれまでの経験をすべて活かせる場だ」と考えるようになりました。
 創業時の従業員は6人。業界のルールや各種書類の用意に四苦八苦していましたが、モチベーションは高く、ヘルパーとして充実した日々を送りました。

保育所設置や研修会の実施で
働きやすい職場作りを

 現在は労務管理や各自治体への申請業務、採用関係などを中心とした業務をしています。従業員数は、パートを合わせて約130人にまで増えました。それでも人手不足は深刻です。子育てや介護で時間に制約のある従業員が多く、シフトを組むのに苦労しています。
 少しでも従業員の負担を減らそうと、企業内保育所を設置。社員旅行やBBQ大会、忘年会などの催しはもちろん、ミーティングにも子どもを連れての参加ができるようにしています。ミーティングでは、親の仕事姿を見た子どもが「同じように働きたい」と口にすることもあり、大きな励みになっています。
 この仕事のやりがいは、素敵なスタッフと一緒に働けること。仕事で一番重要なのは、人と人とのつながりです。年5回の社内研修では実務だけでなく、「笑顔づくりは街づくり」という会社の理念、考え方についても勉強しています。スタッフ同士の関わり合いを密にして意思を統一すれば、お互いに配慮し合える、働きやすい職場を作ることができると考えています。

すべての経験を糧に
全力で目の前の壁を乗り越える

 私は高校卒業後の6年間、実業団でソフトボールをやっており、諦めない粘り強さを身につけました。その後は別の企業に入社。営業や事務として働きながら、継続する力やコミュニケーション能力、事務能力、各分野の知識など、そこでしか得られないものをたくさん学びました。
 無駄だと思っていることも、必ず後から役に立つ時が来ます。「人生に乗り越えられない壁はない。何事も偶然はない、必然で必要でベストだ」という座右の銘の元、目の前のことをコツコツ楽しみながら続けていきたいです。
 直近の壁は、会社の今後。次世代にどうつなげていくかが、会社の未来を左右します。子どもが同じ道に進んで継いでくれるのが一番うれしいですが、親族経営にこだわらず、会社や従業員、利用者にとって最も良い方法を模索していきたいと考えています。

子どもとの交流で息抜きを
休日は楽しんでリフレッシュ

 忙しい日々の息抜きは、子どもとの時間。私には23歳、10歳、8歳の3人の子どもがいます。1度離婚を経験しており、今の夫と再婚するまでシングルマザーとして働いていました。当時働いていた会社では育児休業やフレックスタイム制の勤務などで、子育てを支えてくださいました。働きながらの子育てで、子どもを習い事に送迎するわずかな時間が大切なコミュニケーションの場でした。
 現在も送迎は続けています。10歳の息子はラグビーに夢中で、目標は日本代表。夫婦で世界各地に赴き、成長した息子を応援するのが将来の夢です。
 最近は趣味の時間を増やし、ミシンや小物作りにも挑戦しています。友人との外出も多く、休日はぼんやり過ごすより、思いっきり楽しんでリフレッシュするようにしています。