岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

自ら始め、発信し
ムーブメントを起こす
生き方を目指して
新しい女性の生き方を
シェアしていきたい


バイリンガルフリーアナウンサー・ミセスグローブ日本代表・岐阜いけだ親善大使
野口美穂(のぐち みほ)さん(揖斐郡池田町)

【2018年6月28日更新】

フリーランスのバイリンガルアナウンサーとして活動する野口美穂さん。G7伊勢志摩サミットやカンヌ映画祭関連イベント、東京国際映画祭などでも司会を務めてきました。2016年には、Googleマップアプリのカーナビ音声を担当しているとネットで話題に。昨年は国際的なビューティーコンテストに日本代表として出場するなど、世界に活躍の場を広げています。

英語を音声で表現する
楽しさに導かれて

 高校生時代、交換留学で渡米。大学では外国語の音声表現の楽しさと魅力に没頭しました。その後は秘書、通訳として活動し、2001年にはワーキングホリデーで渡仏。30代前半は、名古屋の外国語FM局でバイリンガルニュースキャスターやパーソナリティーを務めました。
 語学と音声表現を活かせる仕事をしたいと模索するなか、15年ほど前、フリーランスのバイリンガルMCという道を選びました。外国人ゲストを招いた友人から結婚式の司会を依頼され、ニーズがあると知ったのがきっかけです。
 人前で英語を話した経験が少なく、苦労する日本人はたくさんいます。個別レッスンで、英語スピーチのアドバイスもしています。また、仕事と並行して、岐阜県図書館の外国絵本おはなし会ボランティアとしても活動しています。

日本と海外の文化の差に配慮
細かくフォローし、式を支える

 国際結婚式では、出席者の出身国に関わらず、皆さんが楽しい時間を過ごせるように心がけています。式場も新郎新婦も、バイリンガルMCが携わるウエディングは初めてという場合が多いので、入念な打ち合わせは欠かせません。
 配慮しなければならないのは、海外では上座に両親が座るなど、結婚式のスタイルや文化の違い。準備を進める新郎新婦も、海外に住みながら準備する場合が多いため、ストレスや不満が溜まらないよう、精神的にフォローするようにしています。国際結婚に不安を持った新婦が、相談相手に困り、神経質になる場合も。そんな時は結婚14年目の先輩としてアドバイスを送り、無事に当日を迎えたこともたびたびありました。
 神前式で日本文化を知ってもらえるのは、喜びの一つです。外国人ゲストには、式の前に英語やフランス語の式次第を渡すのですが、後で「すごくよかった、式を楽しめた」と声をかけてもらえると、役に立っているのだと実感できます。両親が来日できない新郎に、父親から届いたサプライズレターを読んだ経験も思い出深いですね。
 国際的な企業のイベントは、長い時間をかけてつくりあげるものが少なくありません。司会者が会場すべての雰囲気を左右するので、プレッシャーはその分大きくなります。どんなイベントにしたいのか、細かなニュアンスまでイメージを聞き出すようにしています。

私生活でも英語を勉強
ヨガで身体をケアする

 家では夫と実母、猫3匹と暮らしています。昨年は仕事を優先して帰りが遅くなる日もあり、仕事と私生活のバランスは少し崩れていたかもしれません。夫が料理などの家事を手伝ってくれるので助かっています。
 プライベートでは猫を見て癒されたり、スポーツジムでヨガをしたりして、リラックスしています。日常で頭を使う分、身体をケアする時間が必要ですから。意外に思われるかもしれませんが、英語やフランス語の勉強も楽しいので、趣味の一つになっています。2006年には夫と1年間かけて世界一周したほど、旅好きでもあります。
 座右の銘は、ガンジーの「あなたがこの世でみたいと思う変化にあなた自身がなりなさい」。「何事も自ら始め、発信し、ムーブメントを起こしなさい」という意味だと捉えています。今後は働く女性のエンパワーメントや、若者へのキャリア教育に力を入れていきたい。また、微力ではありますが、ライフワークの一つであるペットの殺処分ゼロ活動にも携わりたいと考えています。

ミセス・グローブ日本代表へ
世界で感じた日本との差

 「ミセス・クイーンコンテスト2017」でグランプリを受賞。「ミセス・グローブ日本代表」として、中国深圳で開催された世界大会に出場しました。表現者としての魅力を引き上げると共に、ステージでどう見られているか、客観的に知るために参加しました。さらに、「注目を浴びれば、意見を発信する機会も増えるのでは」との考えもありました。
 世界大会ではさまざまな国の優勝者に出会い、日本との考え方の差を感じました。「インフルエンサー」と呼ばれる人もたくさんいて、影響力の大きさに驚きました。私も日本代表として、何かできることをしていきたいと思っています。
 日本の女性は、男性社会に合わせて生きていると、気づくべき時期に来ていると思います。家庭と仕事の両立で、ジレンマを抱えている人は少なくないですよね。日本の美徳である「女性は控えめに」がよい時もあるかもしれません。しかし、もっと発言力を高める必要があるのではないでしょうか。
 海外では、「女性が元気できれいな国はいい国」「全部、女性に任せていればいいんだよ」という人もいるほど。新しい女性の生き方や、幸せのあり方をシェアしていきたいです。
 2020年開催の東京オリンピック、パラリンピックに関わるのも夢。地元揖斐郡池田町の親善大使としても、ふるさとを外国人観光客に発信していきたいですね。