岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

同僚にとっては、身近で頼れる人に
息子にとっては、かっこいい母でいたい
そんな自分になるために、
日頃から必要とされる人材であろう


岐阜信用金庫 日野支店 支店長
木本直美(きもと なおみ)さん(岐阜市)

【2018年7月12日更新】

岐阜県内に61店舗、愛知県内27店舗と合わせて88店舗を構える岐阜信用金庫。地域の信用金庫として、多くの人から親しまれています。木本直美さんは高校卒業後に就職し、多くの人に支えられながら、金融のプロとして業務に従事してきました。平成28年に女性初の支店長に昇格し、現在は日野支店で活躍しています。

将来の夢とは違う道でも
やりがいを見出す

 子どもの頃、私の夢は今の仕事とはずいぶん遠いところにありました。将来は教師か薬剤師、もしくは図書館の司書になりたいと漠然と考えていたんです。銀行員は、契約を獲得するために家族も頼らなくてはいけない、お金持ちが就く仕事というような先入観を持っていました。
 そんな私が岐阜信用金庫に入庫したのは、自分の成績によるもの。船津高校(現在の飛騨神岡高校)卒業後は、就職を希望していたのですが、当時は成績順に企業を選択できました。本音をいうとホテルや郵便局を希望していましたが、岐阜信用金庫に内定を頂いたんです。
 最初の配属は名古屋市の香流橋支店。地元の飛騨市から、名古屋の社員寮に引っ越しました。華やかな都会暮らしにわくわくしたのを覚えています。幸い、地元から名古屋に進学した友人もいたので、仕事とプライベート両方で充実した生活を送っていました。
 職場では、後方事務からスタート。一年半勤務して、名古屋の清水支店に異動。そこで外訪の業務を任せてもらえるようになりました。初めての業務も、上司や同僚に助けられながら少しずつ身に付けていきました。あらゆる業種の人に出会い、お金という重要なものにまつわる相談に乗り、お客様の身になって真摯に向き合いアドバイスする。感謝の言葉をいただくことも多く、そうした日々を過ごす中で日増しにこの仕事にやりがいを感じていきました。

上司や同僚に支えられて
家庭の困難を乗り越える

 27歳で結婚して、2年後に息子が生まれました。当時から産休・育休制度は整備されていて、出産後に復帰した人もいました。しかし、その多くが両親のサポートを受けやすい人ばかり。鹿児島県出身の夫と、飛騨市出身の私は、両親に頼れませんでした。そのため、夫婦で協力し合いながら、仕事と子育てに奮闘。夫が積極的に子育てに参加してくれたのと、職場のサポートもあり、子育て自体に辛さは感じていませんでした。
 そんな中、夫が心筋炎という命に関わる病を患いました。緊急入院し、何度も手術を行いました。幸い、医師や看護師の懸命な治療や処置で、奇跡的に一命をとりとめたのですが、これまで夫がしてくれていた保育園への送り迎えも自分でしなければならなくなりました。保育園、病院、職場にそれぞれ通うのは本当に大変でした。しかし、当時の上司や同僚が支えてくれたおかげで乗り越えられました。

自分が支えられたように
頼れる上司でありたい

 私は職場より家庭を優先したいという思いを持っています。職場では自分の代わりになれる人はいる。ですが、家庭に自分の代わりはいない。だからこそ、どちらかを選ばなければならない時は、家庭を優先します。
 一度、退職を申し出たことがあります。息子が滑り台から落ちて、頭蓋骨を骨折してしまったんです。1週間休みをもらい、その後も子どもの病気で休む日が続きました。何度も休んでいるうちに、職場に対して申し訳なくなり、悩んだ末に退職する決心をしたんです。
 その時、当時の上司から言われたのは、「どれだけ休んでもいいから、一緒に仕事を続けていこうよ」。いかなる状況でも、働く自分を支えてくれる。上司からの短い言葉には、自分を必要としてくれる職場の思いが詰まっているように感じ、救われました。私もこんな上司になりたいと、理想を抱くようになったんです。
 平成28年に、岐阜信用金庫初の女性支店長になりましたが、目指す姿は当時と変わっていません。悩んだ部下が相談しやすい、近い存在でいよう。頑張っている部下をしっかり評価してあげられる上司でいよう。過去に私が多くの上司に支えられたように、私自身も部下を助けられる存在でありたいと思っています。

目指したのは誇れる母
昇格によって夢叶う

 家庭優先という思いが強い私にとって、子どもの頑張りが何よりの息抜き。子どもは中学校の頃からハンドボールを始め、全国大会に出場するなど活躍しています。大学に進学した今も続けています。休日は大阪や京都、博多、東京など、子どもの試合を応援しに全国各地を回っています。母親同士の交流も楽しみの一つですね。
 頑張っている息子に負けないというのが、仕事に対するモチベーションにつながっています。私は、子どもが自慢できるような格好いい母親でありたいと常々思っていました。支店長の肩書の付いた名刺を、最初に渡した相手は息子です。「すごい。尊敬する」といわれた時、今までの努力が報われたようで、何よりうれしかったです。一つの夢が叶ったと感じました。
 支店長といっても、まだまだ学ぶことが多く、勉強の日々は続きます。ですが、成長を続ける息子に負けないように、息子にとって誇れる母でいられるように、これからも頑張っていきたいですね。