岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

地域のために
力になりたいと
消防団へ入団
地域に寄り添った活動で
安心安全のまちづくりを


高山市消防団 女性部 分団長
山﨑美智代(やまざき みちよ)さん(高山市)

【2019年4月25日更新】

高山市消防団の女性部分団長として、応急手当の普及支援や火災予防啓発活動などに注力する山﨑美智代さん。地域の安心安全を支えるべく、仕事と家事の合間を縫って、消防団の活動に携わっています。今年で団員歴17年。入団のきっかけは、「地域のために自分も何かできないか」という愛郷心からでした。

何かできないかという思いで
消防団へ仲間入り

 生まれも育ちも高山市。学校卒業後は、看護師として業務に従事していました。出産を機に、キャリアを一時中断。子育てが落ち着いたのちに仕事に復帰し、現在は看護師の経験を活かして介護施設で働いています。
 高山市消防団に入団したのは2002年、長男が小学校に入学する頃。消防団に興味を持ったきっかけは、高山市の広報に掲載されていた女性消防団についての記事でした。自分にも何かできるのではないかと、一念発起。消防団の活動内容を詳しく知らぬまま消防署を訪ね、入団の手続きをとりました。
 入団後、応急処置技能普及の支援をしたり救命講習を教授したりする応急手当普及員の資格をとるため、講習に通い始めました。計24時間の講習では心肺蘇生や、AEDの使用方法を学びました。看護師をしているため医療に関する知識はあるものの、救命講習では新たに学ぶことばかり。やりがいを感じましたし、講習で得た知識が仕事で活かされることもあります。

地域住民に寄り添った訪問活動
安心のまちづくりを担って

 防災訓練や救命講習のサポート、消防関連イベントでの司会・進行など、女性消防団員の活動は多岐に渡ります。高山市は高齢化が進む地域ですので、独居高齢者などを対象とした火災予防啓発活動にも力を入れています。以前は春と秋の火災予防週間に独居の高齢者宅を訪ね、啓発活動を行っていましたが、近年は火災予防週間に関わらず年間を通じてお宅を訪問し、地域に守られているという安心感を持ってもらえるように注力しています。
 訪問活動を行うのは、高山市消防団女性団員14人。2人でペアを組んで回っています。団員は仕事や家庭を持っていますので、活動は土日が中心。昨年、私たちは100軒を訪問しました。防火啓発や避難経路の確認などはもちろん、健康状況や家族構成などを聞き取りすることも。異変を感じた場合は、消防署の警防課を通じて行政に報告するなど、市民と行政をつなぐ役割の一端を担っています。
 訪問先では話に花が咲き、ついつい長居してしまうときもあります。「あなたたちと話ができてうれしかったわ」と喜んでいただけるとやりがいを感じますね。

仲間に支えられて
大成功を収めた全国大会

 女性消防団員の活動の成果を発表する大会が、年に1回開催される「全国女性消防団員活性化大会」です。2013年に行われた第19回大会は高山市で開催。高山市消防団女性部はホストとして、運営などに携わりました。秋田市で開催された前年度の大会へ下見に行き、高山市ならではの内容で参加者をもてなそうと、約1年間かけて準備にあたりました。
 大会当日は、全国各地から約2500人の女性消防団員などが集結。高山市出身の女優で歌手の清水ミチコさんが記念講演を行ったほか、全国の女性消防団の活動事例や火災予防啓発劇が発表され、活気に満ちたひとときとなりました。飛騨らしさを演出したいと、オープニングセレモニーで飛騨の祝い唄「めでた」を披露したり、飛騨の伝統芸能である闘鶏楽が入場を先導したりするなどの盛大な演出は、好評を得ました。
 大会準備や運営は大変でしたが、終わったあとは充足感でいっぱい。改めて、自分たちの活動は、いろんな方に支えていただいているからこそなんだなと実感しました。男性消防団員の仲間も、駅前や大会会場周辺の路上で来場者を出迎えるなどのおもてなしをサポートしてくれました。
 今後は、中高生を対象とした救命講習に注力したいですね。わたしたちをきっかけに、消防団活動に興味を持ってくれたらうれしく思います。独居高齢者対象の火災予防啓発活動をさらに進化させ、いずれは、「全国女性消防団員活性化大会」で発表したいと考えています。

趣味は観劇とトレッキング
自然の偉大さにパワーをもらって

 仕事や消防団の活動の合間を縫って、観劇に出かけるのが自分へのご褒美です。妹とともに、名古屋や京都などに出かけて劇団四季を観がてら、街を観光するのが好きです。
 妹の影響を受けて、最近はトレッキングにも挑戦しています。上高地や乗鞍岳は、何度足を運んでいても、行くたびに新たな発見があります。訪れるたびに自然の偉大さを感じますね。日頃、くよくよ考えていることがすっきりとして、また頑張ろう!と思えます。