岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

好きという思いのもとネイルを追求
周囲に支えられて手探りで開業
地域の人々が集う場としても店舗を
提供し、今後の可能性を広げていく


ハートネイル オーナー
水野要子(みずの ようこ)さん(瑞穂市)

【2019年5月17日更新】

瑞穂市でネイルサロン「ハートネイル」を営む、水野要子さん。アパレル業界に勤めながら子育てに奮闘していましたが、医療事務職に転職。同時に趣味のネイルで資格を取得し、起業しました。現在、ネイルサロンは30~40歳代の女性から支持を得ているほか、フラワーアレンジメント教室などに場所提供し、地域の人々が集う場ともなっています。

卒業後に就いたアパレル業界
医療事務の資格取得で転職

 専門学校を卒業後、アパレルメーカーでデザイナーをしていました。結婚・出産後はあまりに多忙で仕事と家庭の両立が難しくなり、退職せざるを得なくなりました。ちょうどそのころ、仕事で付き合いがあった服飾系の企業がフレックスタイム制や在宅ワークを導入していると知って転職。衣服の刺繍やプリント図案を手掛けながら、家庭と両立させていました。
 やがて、アパレル業界において日本企業の工場が海外進出する時代に入り、国内生産が減少。30代まではアパレル業界に携わっていましたが、次第に仕事が減っていき、業界から離れる決意をしました。医療事務の資格を取得し、パートタイムで歯科医院に勤務。当時は2人目がまだ小さかったので定時で帰宅できる環境でなければ働き続けることが難しい状況でした。

好きが高じて技術向上を目指す
趣味のネイルで起業

 その頃からセルフネイルをするようになりました。はじめは楽しむ程度でしたが、サロンのようにアートを楽しめるジェルネイルキットを購入するなど、次第にネイル用品が増えていきました。「あんなアートがしたい」「あのネイル用品をそろえたい」と、ネイルがどんどん好きに。やがて、セミナーやレッスンを受けるようになり、もっと技術を向上させたいと強く思うようになりました。そのためにはプロ専用のネイル用品をそろえたくなりました。
 プロ専用のネイル用品を購入するためには、資格を取得しなければなりません。友人からのすすめもあって、ジェルネイル技能検定試験を受けることにしました。当時はネイルサロン勤務や起業は考えておらず、「手に職となればいいかな」という程度。衛生管理の徹底や知識習得、プロ専用のネイル用品を購入するために合格を目指していました。
 その頃から知人にネイルの施術を頼まれるようになりました。今思えば未熟な技術でしたが、喜んでもらえるのがとても嬉しかったのを覚えています。その後、念願の試験に合格。すると、周囲からネイルサロンの起業をすすめられました。はじめは戸惑いや不安もありましたが、友人の力強い応援もあって自宅の一室をネイルサロンとして開業することに。畳をはがして床にフローリングを貼り、壁にペンキを塗るなどDIYで室内を改修。たくさんの友人が積極的に手伝ってくれ、開店に向けてワクワクしていたのを覚えています。
 2016年8月、「ハートネイル」をオープン。私はネイルサロンの勤務経験もありませんでしたが、オーナーネイリストとしてスタートしました。

個人店ならではの楽しさ
接客や店内の雰囲気作りも重視

 開店後は順調にお客様が集まりました。SNSを見て来店する方が多く、はじめはとても緊張しました。ずっとアパレル業界にいましたが、それとは異なった楽しさを感じています。アパレル業界は売れる商品を生み出さなければなりませんが、ネイル業界は作家のような感覚。自分の好みに共感してくれるお客様が施術に来てくださいます。ネイルサロン勤務だと店舗のカラーがあって自由にはできない点があると思うので、個人経営ならではの楽しさですね。「ハートネイル」では30~40代がメインターゲット。きれいな雰囲気のデザインを大切にしています。
 私は人の話を聞くことが好きなので、施術中はお客様の話を楽しく聞いています。お客様は技術力だけを求めているのはないと思うんです。お店の雰囲気やスタッフの対応も大切。お客様が過ごしやすいよう、店内の雰囲気作りにも力を入れています。

可能性を広げる多目的スペース
人々が集い、笑顔あふれる場に

 2017年9月、DIYで改修した店内を工務店に依頼してリニューアル。施術スペースを広く取り、多目的にも使用できる空間を作りました。現在はフラワーアレンジメントの講師などに場所を提供して地域の方々が集う場となっています。お店の利益にはなりませんが、毎回、教室は大盛況。ネイルのお客様、そのご友人などに輪が広がり、とてもにぎやかです。お客様と共通の趣味ができることで、濃い繋がりができていくこともまた、メリットとなっています。
 当初、「ハートネイル」がこんなにも人が集まる場になるとは思っていませんでした。今後は多目的スペースを利用して、ネイルスクールを開きたいとも考えています。施術中、お客様からセルフネイルをしているけれど難しいという声をよく耳にします。ネイルスクールの開催はそのような方たちに喜んでもらえるのではないでしょうか。ほかにも、料理教室やダイエットサロンなど、あらゆる可能性があると思います。
 起業前、友人や家族がネイルサロンの開業をすすめてくれ、起業後も応援してくれたおかげで「ハートネイル」があります。何かをやりたいという強い気持ちがあれば、誰でも起業できるはず。これからは今後の展開を考えながら、まだまだネイルを勉強していきたいですね。