岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

私のワーク・ライフ・バランスは
仕事・家庭(子育て)・趣味(クラシックバレエ)の
3つの輪
この絶妙なバランスを
楽しんでいます


イビデン株式会社セラミック事業本部 ECP事業部 品質保証部 品質管理チーム
中村千晶(なかむら ちあき)さん(揖斐郡揖斐川町)

【2019年5月14日更新】

中村さんはイビデン株式会社の品質保証部品質管理チームのチームリーダー。社員約3500人中(イビデン単体)、9人いる女性ジュニアマネージャー職(係長職)の一人です。大学時代の留学経験やNGOボランティアで培った語学力を活かした仕事でキャリアアップに努めてきました。現在6人の部下との人間関係にも恵まれ、自身も一層のスキル向上を目指しながら、子育ても趣味のバレエも楽しむことで人生を充実させています。

ボランティアで身につけた
スキルでキャリアアップ

 外国語系の大学在学中にオーストラリアへ、卒業後は台湾に留学、在学中からNGOボランティアに参加してフィリピンの貧困に苦しむ人たちの支援に携わってきました。フィリピンの女性たちが安定した副収入を得られるようにと、現地の人たちとクマの手作りぬいぐるみを製作・販売するフェアトレードを立上げました。NGOの支援活動を自身のライフワークにしようかと思う時期もありましたが、台湾留学から帰国後、24歳のとき、英語力を買われイビデンの協力会社に営業職で就職しました。その後、2007年にイビデン株式会社に転籍、99年から約20年の歴史のあるDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)事業の品質を管理する品質保証部に所属しています。日本をメイン工場として、フランス、ハンガリー、メキシコの各工場の量産立上げに関わり、現在は週ベースで現地の品質管理担当者と品質会議を開催しています。品質保証部は、製品品質の向上を目指した地道な改善活動の繰り返しです。製品不具合の原因調査、是正、再発防止を検討し、それらを海外生産拠点と共有しています。留学経験で培われたコミュニケーション能力が現在の業務に生かされていると感じています。

チームリーダーに昇格
チーム力で問題解決しています

 2009年に岐阜のアパレル会社に勤務する夫と出会い、結婚。2012年に長女を授かりました。産休・育休で1年間休職しましたが、長女が満1歳になったタイミングで復帰、時短勤務を始め翌年からはフルタイムで完全復帰しました。キャリア試験にも挑戦し、2018年4月にジュニアマネージャーに昇格、同時に品質管理チームのチームリーダーの職位に就きました。
 チームリーダーに求められるのは人をマネジメントするスキルです。私たちのチームが行う業務は製品の出荷を左右する最終の砦ですので大変重要です。品質管理チームのリーダーが重責であることは重々承知していました。しかし、私はその職位に萎縮するのではなく、「前向きにいこう」と覚悟を決めました。
 配属された部署のメンバーは男性ばかりの6人で、中には年上の方もみえますが、就任当初に、メンバーから「中村さんを全面サポートする!」と背中を押してくださいました。ですから私も安心して、「わからないことは聞けばいい。チーム力を大切にしてみんなで問題解決していこう」と思えましたし、まだまだ短期間ではありますが信頼できるいい関係が築けていると思います。
 女性はその時々で相手の立場をよく理解し、時には母親のような気持ちで接することができ、忍耐力もあると感じます。まだまだ真のリーダーとは言えませんが、そんな長所をもっとチーム力を高めるために活かしたいと考えています。また頼るばかりでは自己成長できませんので、外部のセミナーに参加し、必要な知識も勉強中です。学んだことを自分が発信したらメンバーはどう反応してくれるのかなと、毎日が挑戦の連続です。

健康は食にあり
家族の食事はすべて手作り

 夫が4年前に直腸ガンを患ったこともあり、食事には気をつかっています。平日の帰宅時間は19時を過ぎることが多いですが、食事はすべて手作りし、夫と私の翌日の昼食用の弁当、娘の朝食用の弁当を作ります。バランスのよい食事によって、風邪などをひかない強いからだを作れば、職場でも家庭でもよいパフォーマンスを生みます。結果、娘も保育園を頻繁に休むこともなく、私も娘の看病のため職場を休むことも減りました。毎食の食事作りは大変ですが、夫が洗濯を担当し、家事分担をすることで続けることができています。
 平日、忙しい分、週末には夫が育児を担当してくれています。趣味など自分の時間が作れるよう気をつかってくれる夫に感謝しています。

バレエが人生を豊かに
ずっと続けていきたい

 30歳のとき、6歳から16歳まで習っていたクラシックバレエをもう一度習い始めました。仕事の現場は男性ばかりの職場ですから、バレエの優雅な世界に触れることで気持ちをリセットしています。そこで仲間や人生の先輩となる人たちとの出会いもありました。バレエは自分と向き合うことができ、好きなレッスン着を着て踊るのは最高です。職場では事務所でのパソコン作業が多く、姿勢がどんどん悪くなりがちですが、バレエのおかげで姿勢がよくなります。人前に立って話す機会も多いので、姿勢がよいと堂々とした印象を与えられると思います。毎週のレッスンが楽しみで、2年前からは娘が一緒に通ってくれるようになりました。自宅で一緒に練習をしたり、休日にはバレエの舞台を観に行ったりしています。また、教室には70歳になられた先生や先輩もいて、憧れるほど素敵に歳を重ねていらっしゃる方が多く見えます。ですから私もずっと続けたいと思っています。
 ワーク・ライフ・バランスというと、一般的に仕事と生活の2つのバランスと思われがちですが、いまの私の「ワーク・ライフ・バランス」は、「仕事・家庭(子育て)・趣味(クラシックバレエ)」の3つの輪で成り立っています。欲張りですが、それら全部を楽しんで人生を豊かに生きていきたいです。