岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

人の話を聞くことが好きで、
社会福祉士の仕事を選びました。
専門性を活かして、
友愛会と地域を繋ぎたい


医療法人社団友愛会 在宅介護部 部長補佐
佐藤景子(さとう けいこ)さん(岐阜市)

【2019年5月21日更新】

120年以上も前から、岐阜市長良の地で地域の人々の健康を見守ってきた医療法人社団友愛会。長い歴史の中で、いのちの誕生からさいごを迎えるまで寄り添い続けられる体制を築いてきました。佐藤景子さんは、10拠点の介護保険事業所を統括する部署に在籍。地域の人々が安心して暮らせるまちづくりのために、ヘルスケアの観点から人と人のつながりを育む活動を行っています。

自身の性格を活かして
人の相談にのる仕事を

 福祉の道に進もうと思ったのは、友人から「話しやすいね」と言われることが多かったのがきっかけ。もともと人の話を聞くのが好きだったこともあり、大学を選ぶ中で自分自身の将来を考えたときに、目に付いたのが「社会福祉士」という国家資格です。このとき初めて、高齢者や障がい者の人たちが日常生活をスムーズに営めるように相談にのる「相談援助」という仕事を知りました。
 大学卒業と同時に無事資格を取得し、2002年友愛会に入職しました。友愛会での相談援助の経験は、チャレンジと学びの連続でした。なぜなら、利用者は誰一人として同じではなく、それぞれの抱える問題や家族背景が異なるため、公式から導くような答えがあるわけではないからです。そのため利用者への支援が最善だったのかどうか、常に自分に問いかけることが、高度な技術を習得するための近道といえます。もっといろんな経験や学びを通して専門性を高めたい。その想いが、仕事を続ける原動力となりました。

事業所の展開とともに
さまざまな部署を経験

 ありがたいことに、入職後に配属された地域の相談窓口となる在宅介護支援センターをはじめ、新規事業の立ち上げに合わせて、介護老人保健施設や地域包括支援センターなど、さまざまな部署で相談業務に携わってきました。
 転機となったのは4年前、地域包括ケア推進担当に任命されたことです。これまでの相談業務から離れ、誰もが安心して暮らし続けられる地域づくり「地域包括ケアシステム」の推進役となりました。その中で、「You&I(ゆうあい)の森いわのだ」(2018年2月開業)開設のプロジェクトマネジャーに抜擢されました。このプロジェクトは、友愛会が「地域包括ケアシステム」実現の足がかりとして立ち上げる、複合型施設の開設プロジェクトです。これまでの新規事業とは異なり、現場スタッフも構想段階からプロジェクトメンバーとして参加。どういう施設にしようか、何を準備していけばいいかを一から考え、とても思い入れのある施設となりました。
 紆余曲折のなか、プロジェクトをまわす役割の重さを感じながら自分自身のプロジェクト管理のスキルが磨けたと感じています。将来のキャリアプランや歩むべき道が見えてきたといっても過言ではないほど、大きな経験でした。また、この施設が地域のつながりを育む拠点として機能するために、地域の方々に自由に利用してもらえる「地域交流スペース ふらっと広場」でのイベント企画など、さまざまなしかけを考えていきたいと思っています。

「利用者と地域資源をつなぐ」から、
「友愛会と地域をつなぐ」人へ

 プロジェクトを通してマネジメント技術を学び、仕事の幅が大きく広がりました。現在は各事業所の運営状況を把握し、現場スタッフとともに課題や戦略を一緒に考えるだけでなく、採用活動にも携わっています。
 友愛会は3年前に理事長の交代があり、新しく「地産・地育・共創・友愛」というビジョンが掲げられました。この中の「共創」が、特に好きなキーワードです。地域の人だけでなく、地元企業などとも連携して、共に地域創(づく)りをしていこうという考え方です。私自身のベースにある社会福祉士という資格は、利用者と地域資源をつなぐ役割を担いますが、この知識やこれまでの経験を活かし、病院と介護事業所、更には、友愛会と地域をつなぐ人として活躍していきたいです。

いつかは親元を離れる
息子との時間が最優先

 2010年に結婚し、現在6歳の息子がいます。法人内の岩砂病院・岩砂マタニティには産科があるので、妊婦健診などの通院にも大きな安心感がありました。また産休育休も気兼ねなく取得できる環境で、法人内の託児所も利用できるので、結婚・出産をきっかけに仕事を辞める選択肢はありませんでした。
 現在も子育てと仕事を両立中ですが、この2つの役割があってよかったと感じています。幼児期は、託児所に預けることで、自分以外のたくさんの人が息子と関わってくださり、息子にとっては刺激となり、私も楽をさせてもらえたな、という感じです。また、双方の両親にも助けていただいています。
 自身の幼少期を振り返ると、両親共働きでしたので、近所に住む叔母にお世話になっていました。寂しく思った時期もありましたが、次第に社会の中で役割を持っている母親を、かっこいいと思うようになったことを覚えています。
 現在は息子との時間が第一。子どもはいつか親のもとから飛び立っていくのが当たり前。一緒にいる時間が限られているからこそ、今は自分のプライベートを全て息子のために使いたい。それが今一番の望みです。