岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

自分をこのままでいいと
思っている人はいない
「できるかしら」と思いながらも
挑戦することが変化につながる


ヤマガタヤ産業株式会社 戦略企画室 係長
鷲見亜希子(すみ あきこ)さん(岐南町)

【2019年5月14日更新】

創業100周年を迎えたヤマガタヤ産業株式会社。地元・岐阜県の資材を大切に扱いながら、国内外の建材や住宅設備機器までをトータルに扱う住宅資材総合商社です。「営業、経理、事務以外の業務が私たちの仕事です」と話すのは、戦略企画室に所属する鷲見亜希子さん。これまで培ってきたさまざまな経験と前向きな性格で、木材の新たな可能性と魅力の発信に努めています。

さまざまな経験から
木と出会い、魅力に気づく

 大学卒業後は英語教諭として、小・中学校の教壇に立っていました。長男の育休後は復帰したものの、帰宅が夜遅くなるなど、子育てとの両立が難しいと考え、長女の出産を機に退職しました。
 長女の幼稚園入園後に「英語を活かせるかな」と考え、貿易関係の会社に入社。そこで輸出入のノウハウを学びました。また、その後、近所の子どもたちを対象に自宅で英会話教室を始めました。口コミで広まっていき、多い時は小学生から中学生まで1学年10人程度、50人から100人の生徒を抱えていました。
 教室は6畳一間。狭くなってきたこともあり、北欧の木材を使ったキッドハウスを個人で輸入し、ロフト付きのログハウスを建てることにしました。DIY好きな父と子どもたちと一緒に、図面を見ながら制作に着手。1カ月でできるところを半年かけて、ゆっくりと作り上げました。
 完成したログハウスで授業をスタートすると、木に囲まれた空間の心地良さが影響したのでしょうか。子どもたちは目をキラキラさせて、勉強に集中していました。これを機に、家具なども木材を使ったものにこだわるようになりました。

女性目線で木材と関わり
木材の新しい価値を生み出す

 6年前、木材を扱うこの会社に縁あって、入社しました。男性の割合が多いですが、戦略企画室には女性3人が在籍。商品の研究開発や広報、海外事業部としての役割、採用活動や木材についての研究など、会社のさまざまな部署と連携し、新規事業の立ち上げにも関わっています。最近では、端材を木粉にして有効活用した「木の塗り壁材 Mokkun」や、誰でも簡単にDIYができる「木it」などを企画開発し、発表しました。展示会などにも出展して、PRに取り組んでいます。
 現在は、岐阜大学の先生と「木によるストレスの軽減」について研究しています。この会社で働くようになり、木の魅力をますます感じるようになりました。学習塾をしていたときに感じた子どもたちの変化を実証し、商品開発につなげたいですね。

「3つのC」を大切に
失敗を恐れず挑戦する日々

 戦略企画室の仕事は、どの業務も前例がありません。「私にできるかしら」と思うことばかりですが、Chance(機会)、Challenge(挑戦)、Change(変化)の「3つのC」を大事にしています。現状よりも上を目指したいと考えている人は多いと思います。世の中にたくさんあるチャンスに気づき、どんどん挑戦していきたいです。
 会社も失敗や挑戦を恐れない社風があります。だからこそ、企画からプレスリリース、動画・パンフレットの制作、SNSの活用まで、できることは全て取り入れています。新商品の「木it」は、全国ネットのテレビ番組でも紹介され、広がりのスピードが速いと感じています。自分の携わった商品が認められるのはうれしいですね。

公私ともに広い視野で
楽しみながら取り組む

 現在、娘と息子は25歳と23歳。娘はデザイン系の仕事をしているので、ログハウスは子どもたちのアトリエや友人との憩いのスペースになっています。娘からアドバイスをもらうこともあり、社会人同士の親子関係も楽しんでいます。
 学習塾をしていたころは、自分の時間がほとんどありませんでした。子育てがひと段落した今、多趣味な人になりたいと考えています。最近は娘に誘われて、一眼レフを持って写真を撮りに行くようになりました。
 仕事とプライベートを完全に切り離す必要はないと考えています。家庭でひらめきや考えが生まれることもあります。会社の女性社員で結成した「DIY女子部」では、みんなで楽しみながらDIYをして、失敗も交えた動画を撮影して、SNSで発信しています。これからもいろいろなことに取り組んでいきたいですね。