岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

机上論だけではダメ。
仲間と苦楽を共にして
頑張った経験が力になる。
周囲を巻き込んで
物事を変えていくのは、
そういう人生力。


飛騨製箸株式会社・木質燃料株式会社 代表取締役社長
清水ますみ(しみず ますみ)さん(高山市)

【2015年3月18日更新】

 間伐材で割り箸を作る飛騨製箸(株)と、未利用木材をペレット燃料に加工・活用する木質燃料(株)は、環境負荷のかからないエネルギーの地産地消と森林再生を目指すベンチャービジネス。清水ますみさんは、夫と一緒に立ち上げたその会社で平成24年から社長を務めています。妻と母と社長を兼務し、幼い娘さんを連れて出張することもある忙しい毎日ですが、大好きな飛騨の森を未来に残したいと奮闘。高山市森づくり委員会、高山市自然エネルギーによるまちづくり検討委員会にも参加し、市の林野行政推進に貢献しています。

やりたい仕事を求め、東京へ、
しかし、なぜか飛騨高山へ

 以前は東京、その前は福岡にいました。出身地の福岡では、最初、グラフィックデザイナーをしていたのですが、単発仕事に寂しさを感じ、長期にどっぷりと関われる仕事を求めて、創業期のケーブルテレビ局に転職。マーケティング担当として、顧客拡大に取り組みました。さらに企画を形にするクリエイティブな仕事を求め、都会でキャリアアップを図ろうと、次は東京の化粧品ブランドで販促企画の仕事をしました。仕事で自己実現を目指す「仕事大好き人間」で、突っ走っていたのですが、世の中はどんどん不景気に。そんなとき、「いい空気を吸いたい」と訪れた飛騨高山で、「のどかでいいな。ここで暮らしたい」と思ったんです。満員電車で通勤し、競争し続ける東京の生活に疲れていたのかもしれません。

自然エネルギー事業で
美しい森を未来に残したい

 30代半ばで高山に転居。経験を生かせる仕事はないかと探し当てたのが、市内コミュニティFMのナビゲーターの仕事で、6年程続けました。ケーブルテレビ局時代、レポーターの手伝いをした経験が生かされました。やがて、行政書士で銭湯の3代目でもあった夫と結婚。たまたま夫の仕事の関係で、地元の間伐材を木質ペレットに加工して燃料利用する話が持ち上がり、「とてもいい」と感じました。山々を近くに見て暮らすうちに、「美しい自然を残していくために私にも何か出来ないかな」と考えていたので、やるべきだと思ったのです。企画好きの血が騒いだことも事実で、夫や仲間を手伝って、平成20年に木質燃料(株)、23年に飛騨製箸(株)がスタートしました。木を最初から全部燃料にするのではなく、利用できるところは割り箸にし、使用後に回収してペレットにするので、2社でワンセット。ゼロから何かを生み出すのは苦労もありますが、感動的な仕事です。

苦しみの先に喜びがある。
だから試練も受けて立つ。

 最初は夫が社長で、私は後方支援をしていました。しかし、期待していた販路が機能せず、経営上の都合で、3年前に社長を交代。ありがたいことに、素晴らしい方が会長に就任して応援してくださり、夫も専務として協力してくれていますので、周囲に支えられながら勉強させていただいています。参謀タイプの私が社長とは自分でも意外ですが、「できません」と言わなかったのは、「これも若い頃から突っ走って一生懸命仕事をしてきたことの延長なのかな」と思ったから。はじめはプレッシャーで円形脱毛症になりましたが、大変なことがあり過ぎて最近は免疫ができたみたい(笑)。多少のことでは落ち込まなくなり、図太くなったかも。
事業を進めることは苦労の連続ですが、骨を折って汗を流した分、自然や環境に良い事に直接繋がる素晴らしい事業だと実感しています。そして、その苦しみを乗り越えた先にある喜びや達成感を、うちのスタッフや、応援してくださる皆様と一緒に味わいたいですね。周りの皆様への感謝の気持ちを忘れず、この事業を大切に育てて行きたいと思っています。


仕事も子育ても大切。
日々の頑張りが未来を育てる。

 社長に就任したとき、娘は3歳。以来、朝9時までに保育園に預け、夜の7時に迎えに行く生活です。核家族なので夫婦で助け合って子育て中。娘を連れて出張したことも何度もあり、一時預かりなどの公共サービスを駆使し、預け先を事前に手配して出掛けました。幸い、娘も環境の変化を楽しんでくれて、適応力はあるみたいなので助かっています。そんな娘に寂しい思いをさせないように、毎日、朝の時間だけは、しっかりふれあうようにしているんですよ。娘には、男女の差なく自分のやりたい事に挑戦できる事を、父母の背中を見て感じてくれるといいなと思います。