岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

いつも周囲の人の優しさに
触れているからこそ、
もっと人の役に立ちたい
人に関わる仕事をし続けたい


元NPO法人スタートライン飛騨 理事長 社会福祉士
釜谷美貴子(かまや みきこ)さん(高山市)

【2016年3月28日更新】

2009年8月に「NPO法人 スタートライン飛騨」を立ち上げた釜谷美貴子さん。不登校や引きこもりに悩む人、またその家族の支援を中心に活動しています。ほかにも「親の会」の開催や相談、学習サポート(夜間の塾)などを行い、高山市花岡町で子育てや教育の支援をする「マイポートHIDA」の運営をするなど、活躍の場を広げています。

子どもの頃から興味のあった
「人」というテーマ

 小学生の頃から、「人は何のために生きているのか」や「どういう心理でこういう行動をとるのか」など、人の心理について興味がありました。大学では心理学を専攻しましたが、就職活動に入る前にバブル経済が崩壊し、希望の職には就けなかったんです。そこで、福祉関係の仕事や看護助手、営業職などを経験しました。今となってみればすべての経験が現在の仕事の糧になっていると感じます。
 高山へ戻ることをきっかけに、社会福祉法人飛騨慈光会に就職。重度の障がい者の生活支援などをする中で、人の生死や、何を求めて生きているのかなど改めて考えさせられました。その後、結婚して娘を出産。育児中に通信制の養成学校で社会福祉士の勉強をし、資格を取得しました。
 多くの人と関わることで至った考えは「すべての人は『快』を求めて行動しているのでは...?」ということ。だからこそ、人には多種多様な価値観があり、人間関係では意見の違いや誤解を招くこともあるのではないかと感じました。そして、「もっと人の役に立ちたい」「人と関わる仕事がしたい」という思いが膨らみ、NPO法人を立ち上げたのです。
 現在、社会生活で他人との共存を難しいと感じつつも、障がい福祉の対象に当てはまらない若者が増えていると感じます。中高校生の不登校や、社会になじめず引きこもっている若者、複雑な事情があって高校中退や休学をする学生など、そういった悩める子どもや若者、そしてわが子の将来を心配する親御さんのサポートができればと思っています。
 他にも、小学生を対象に「育脳寺子屋」という名前の塾を開いたり、就労に踏み出せない方や軽度の精神疾患をお持ちの方などにハローワークの相談員として就労支援をさせていただいたりしています。

喜びを感じる一方で
まだまだ課題も多い

 私たちは相談者の問題を解決することだけを目標にしているのではなく、まず寄り添い、見守り、信じて待つということを基本にしています。学校に行くことや働き続けることが解決ではありません。「遊び・学び・出会い」を通じて心の安穏を取り戻し、自立心の芽生えや夢に向かう力を蓄えてほしい。そして、やがて旅立ちの時を迎えられたなら、と相談者の成長こそが何よりの喜びなのです。
 一方、活動のための資金面で悩むことも多いです。活動の幅を広げるには苦しいときもありますが、もっと多くの人に利用してもらえるよう試行錯誤しています。

自分の経験を
人に役に立つことにつなげたい

 私は子育てにおいて、近隣に住む人や友人、親戚にずいぶん助けていただきました。娘もたくさんの方と触れあう中でコミュニケーション能力が身に付き、皆さんには感謝しきれないほどです。
 だからこそ、今後はひとりで留守番をしている子どもたちが安心して居られる「おばあちゃんの家」のような場所を作りたいという夢があります。小学校6年生くらいまでを対象とし、夕食なども出すことができれば、きっと親御さんも安心して働けます。
 近年、ひとりで子どもを育てるシングル家庭の貧困が大きな問題のひとつとなっています。親子が安心していられる環境を整えていけば、子どもの成長過程におけるさまざまな問題も、発生する前に回避できるのではないかと考えているんです。
 私の仕事の魅力は、人の温かさに触れることが多く、優しい人々に囲まれて幸せを感じられること。だからこそ、日常の些細なことでも感動でき、また自分自身も人に対して何かしてあげられることはないかと考えます。いつも感謝の思いを感じながら過ごしています。