岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

「人との触れ合いが好き」
その思いに導かれて社会福祉の道へ
女性が輝ける職場作りに注力し
岐阜の女性活躍に貢献


社会福祉法人慶睦会 理事長
梶野友季子(かじの ゆきこ)さん(岐阜市)

【2019年5月14日更新】

岐阜県内で複数の介護サービス施設を展開する、社会福祉法人慶睦会。2014年に設立、その後、梶野友季子さんが理事長に就任しました。管理栄養士を経て、社会福祉の道へ。介護現場と管理業務を兼任し、仕事と子育ても両立してきました。自身の経験をもとに職場での子育て中のママさん支援に着目し、女性が生き生きと働ける環境作りに注力しています。

活発だった学生時代
卒業後は管理栄養士に

 もともと料理が好きで、幼い頃は料理人になりたいと思った時期もありました。実家が医療法人を営んでいて両親は共働きだったため、小学校の夏休みには自分で朝食を作っていましたね。中学・高校は名古屋に通い、楽しい学生生活を送りました。次第に管理栄養士を目指すようになり、神戸の大学に。管理栄養学科に進学しました。初めて地元を離れ、一人暮らしを経験。学部には約50人しかいなかったので、全員と関わりを持てる楽しい環境でした。
 大学4年生で管理栄養士の国家試験に合格。卒業後、改めて料理を学ぶためイタリアに留学しました。フィレンツェとヴェネツィアで半年程度のホームステイをし、異文化を肌で感じました。現地の人々は陽気でフレンドリー。自分には合っていると思いましたが、宗教観や文化の違いも感じました。また、日本の歴史や伝統を尋ねられる場面もあり、即答できない時に自国について知らないと気付かされました。そのような経緯もあり、海外留学を経て日本の魅力を再発見。世界で視野を広げた後は、管理栄養士として活躍するため、岐阜に戻りました。
 社会人1年目は愛知の総合病院に就職。実家が医療法人であることを周囲が知らない環境で勤務したいという思いが強く、管理栄養士として一からスタート。さまざまな病気を抱える患者の栄養指導、栄養相談を担当。1年目で管理職も任され、与えられた数値目標に対する成果を、毎週の会議で検証される等、世間の厳しさを痛感。泣いて帰る日も少なくありませんでした。

実家に戻り社会福祉の道へ
同時に妊娠・出産を経験

 約1年半経った頃、実家でデイサービスを立ち上げる話が出ました。2005年、実家からの要請で岐阜市此花町の「デイサービスセンターこのはな」に携わることに。当時は自身の将来像をしっかりとイメージできていなかったので、気付いたら実家に戻っていた感覚です。自身の意思で介護の分野に関わったわけではありませんが、私はお年寄りの方との触れ合いが好きだったので、介護福祉の業界に向いていると思えました。振り返れば、学生時代からアルバイトは居酒屋など接客業ばかり。管理栄養士時代もお年寄りの方との交流は得意で、人と接することが好きなんだと思います。
 「デイサービスセンターこのはな」の立ち上げは、手探りの日々。オープン後、未経験でしたが送迎や入浴など介護現場に入りました。最初は5人程度しかスタッフがいなくて、現場と管理業務を兼任。とても多忙でしたが、次第にスタッフ数は充実し、規模も大きくなっていきました。
 その頃、岐阜市敷島町で「ショートステイしきしま」の立ち上げがありました。私もオープンに向けて異動しましたが、異動後、間もなく結婚をして妊娠。それでも業務はたくさんあるので、夜中まで仕事をしていました。その生活は臨月まで続き、とにかく必死に働きました。出産後も復帰はすぐ。まだ首がすわっていない娘をクーハンに入れて、出勤しました。そんな私を周囲が一生懸命サポートしてくださり、スタッフの 皆さんが娘を見ていてくれました。
 2011年、岐阜市中鶉に「デイサービスうずら」がオープン。立ち上げ時に2人目を出産しました。出産当日の昼まで開設準備の打合せをし、その日の夜に2人目(息子)を出産。出産後も産まれたばかりの息子を連れて開設準備のため、あちこちを飛び回るなど、激務で心が挫けそうでしたが、私は前向きに物事をとらえるのが得意ですし、周囲の理解とサポートがあって働けました。そのような経験があったので、いかに職場の子育て支援が重要か気付きました。

自身の経験を活かした子育て支援
現場の女性活躍に力を注いで

 2014年には社会福祉法人慶睦会を設立し、その後、理事長に就任。2015年に「特別養護老人ホーム・ショートステイほたるの里千手」がオープンしました。慶睦会の設立はスタッフの皆さんのおかげ。なかでも、現場の経験豊富な野田夫妻との出会いにより、会社のビジョンが見えました。
 野田夫妻には、現場環境から管理業務まで密に相談。時には意見が食い違い、言い合う日もありますが、そのおかげで自分の考えがまとまることもあります。これまでは実家の医療法人から用意された環境で働いていましたが、社会福祉法人慶睦会の設立で「私の会社なんだから、しっかりしなくては」と改めて実感。自身の経験から、女性が輝ける職場環境を重視しています。
 手を差し伸べることで、もっと輝ける女性はたくさんいます。仕事をしたくてもできない環境にいる女性は少なくありません。結婚、妊娠、出産のみならず、子育てによる影響は大きいもの。私も働く中でもどかしい場面が多々ありました。あらゆる人が輝ける組織作りに注力し、お互いに支え合える職場にしたい。それが私の会社のビジョンです。

学童保育の開設でより働きやすく
まちの女性活躍にも貢献を

 今後の夢は、岐阜が「女性が輝けるまち」になること。まだまだ岐阜は女性活躍が十分とは思っていないので、社会福祉法人慶睦会がそのための一翼を担えたらと思っています。女性にはパワーがあり、その力をもっと発揮することができれば社会貢献できると思っています。スタッフの皆さんには、その可能性を開花してほしいと願っています。
 5年前頃から、「デイサービスうずら」の敷地内で学童保育の「うずらの虹」を開設しました。産前・産後休業や育児休業を取得するスタッフも多く、復帰後に安心して子どもを預けられます。子連れ出勤も出来るので学校から「ただいま」と帰ってくる子供たちもいます。母親が働く姿を目にでき、利用者さんとの触れ合い場にもなっています。
 弊社では子連れでの出勤・面接・会議も許可していて、現場にはスタッフの子どもがいて、とてもにぎやか。そもそも昔から私が子どもと出勤していたので、その社風が根付いているんです。これからも利用者さんやスタッフが必要としているものや場所を作っていきます。さまざまな人が生き生きと輝ける職場作りに力を入れていきたいです。