ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業の紹介
~女性が生き生きと働いている企業~

明宝特産物加工株式会社(郡上市・食品製造)

【2024年3月29日 更新】

  • 年休取得率55%以上
  • 多様な休暇制度
  • 所定外労働時間(月平均)10時間以下
  • 男性の育児休業等取得実績
  • 育児や介護による退職者ゼロ
  • 地域連携
  • 女性管理職登用

従業員数/男性50名 女性26名 計76名 ※2023年11月現在

エクセレントPOINT

①部署の垣根を取り払ったコミュニケーションの創出
②新工場竣工による生産性と品質の向上
③食育の普及と雇用の活性化で地域振興に貢献

アイデアを出しやすい環境で働きがいを高める

 明宝特産物加工では、風通しの良い職場づくりを目指して、部署ごとの縦割りの意識を解消し、年6回の部署長会議や意見交換会、経営方針を共有する研修など従業員同士の交流の場を増やした。その結果、従業員同士の理解が深まり、業務の状況や家庭環境などお互いの状況を尊重し合う風土が醸成され、部署を超えた業務サポートが充実し男性従業員の育児休業取得にもつながった。
 また部署の垣根を越え、広くメンバーを募って新商品開発チームを設立。キャリアや知識は問わず、やる気があれば加入できる。トップダウン式では埋もれがちだった現場の声を掘り起こし、良いアイデアを積極的に拾い上げる環境を整えた。
 18年に竣工した新工場の設計にも従業員の意見が取り入れられた。搬入から出荷までの動線を一本化して作業効率を上げ、一度に多品種の製造が行えるよう設備を拡充。旧工場に比べ生産性や品質が格段に向上した。
 会社の考え、そして従業員一人ひとりの考えを共有できる場の確立と技術面の進歩が、「自分たちの手で新たなふるさとの味を伝えていきたい」という思いがこもった新商品「郷の宝」の開発につながり、具体的な実績を生み出している。
 また元々第3セクターとして設立した経緯から、地元小学生に向けた出前授業の開催や、ジビエを使った商品開発への技術協力など地域貢献にも力を入れている。従業員の約28%がIUターンで就職しており、移住をきっかけに入社した従業員も多い。人口約1400人の明宝地域にとって約80人の従業員を抱える同社の発展は、地域経済に直結すると同時に、地場の魅力そのものが会社に人材をもたらしている。地域の活性化に貢献し、住民の暮らしを守る企業として、今後も地域密着の経営に尽力していくことを主眼に置いている。


地元の小学校で開かれたハムづくり教室の様子。従業員自ら講師となり、子どもたちを対象にした食育活動を行っている。


生産部門に携わる和田仁美さんは「新工場は設備が整い働きやすい。余裕をもって仕事に取り組むことができるようになった」と笑顔を見せる。