ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業の紹介
~女性が生き生きと働いている企業~

医療法人社団登豊会(岐阜市・医療、介護、福祉)

【2024年4月 5日 更新】

  • 年休取得率55%以上
  • 多様な休暇制度
  • 女性の育児休業取得率75%以上
  • 男性の育児休業等取得実績
  • 介護休暇・休業取得実績
  • 育児・介護休業取得促進・復帰支援
  • 保育・子育て支援
  • インターンシップ
  • 地域連携
  • 女性管理職登用

従業員数/男性106名 女性350名 計456名 ※2023年12月現在

エクセレントPOINT

①定年後の継続就労推進で若手職員を支援
②家賃無料の独身女子寮や院内保育所の運営で女性の活躍を応援
③嚥下障害のある方や地域の高齢者らが集えるコミュニティスペースを開設

地域と医療、「食べる」でつなぐ

 近石病院などを運営する医療法人社団登豊会では、慢性的な労働力不足の解消のため、働きやすい職場づくりを進めている。その一つが高齢者雇用で、2022年には定年を60歳から65歳に延長。65歳を過ぎても本人の希望で働き続けることができ、その割合は病院職員の15%近くを占める。80歳以上も複数人活躍しており、経験豊富な高齢職員の存在は若手職員の育成面でも力になっている。
 女性の活躍にも以前から力を入れており、独身の女性向けの寮は家賃が無料。近石病院から1キロほどと近く、安心して働けることから継続雇用につながっている。職員向けの保育所もあり、育休からのスムーズな復帰を支える。
 地域住民に向けては、「食べる」を通じて地域と医療をつなぐ場を設けようと22年12月には、医療の相談窓口「認定栄養ケア・ステーションちかいし」と、カフェ・イベントスペースなどの機能を持つ地域密着型のコミュニティスペース「カムカムスワロー」を開設。カフェでは嚥下障害のある方向けのメニューを提供しており、23年4月から7月の3カ月間で、のべ21人が嚥下調整食を注文した。また、月1回の介護予防教室には毎回10人ほどの参加があるなど、嚥下障害のある方や地域の高齢者が外出する大きなきっかけとなっている。
 プロデューサーを務める言語聴覚士の蛭牟田誠さんは「嚥下障害のある方の家族から『外食を諦めていたが、ここなら安心』という声もいただいている。また普段から管理栄養士や私がいるので、ちょっとした悩みの相談窓口にもなっている」と話す。これらの取り組みが評価され、23年のグッドデザイン賞ベスト100にも選ばれている。


近石病院の敷地内にある職員向けの保育所「キッズルームひまわり」。保育料は月上限2万円と経済的な負担が少なく、多くの育休明けの職員が利用している。


2022年12月にオープンした「カムカムスワロー」で、飲み込みについての相談を受ける言語聴覚士の蛭牟田誠さん。