優良取組事例

時代に先駆けて女性活躍を推進
「思いやりをカタチに…」
助け合いの精神が
サービスに、職場環境に息づく


株式会社羽島企画/羽島市

女性の特性と経験を活かそうと、主婦仲間が集まって立ち上げた株式会社羽島企画。ハウスクリーニングと家事の代行業から始まり、介護、医療、子育て支援、障がい者支援など、幅広く事業を展開してきた。設立から20年を迎え、365日24時間安心を提供する「トータルケア」を推進する総合福祉グループへと成長。「トータルケアMama’s」の愛称で親しまれている。

女性の声に応えて起業
育児による退職者はゼロ

 「女性が社会と関わる場を作りたい。」女性活躍に注目が集まる以前から、働く意欲はあっても、職場を見つけられない女性の声に応えてきた株式会社羽島企画。子育てをしながら勤めたい、短時間だけ働きたいなど、求職者一人ひとりの希望に合わせて受け入れてきた。多様な働き方を認める職場環境に、人材不足といわれる介護・保育業界でありながら、入社を希望する声は多い。
 200人を超える従業員のうち、9割近くを女性が占める(2018年8月末現在)。18歳から70代まで幅広い年代が働くなか、特に子育て世代の割合が多く、女性の育児休業取得率は80%以上だ。

勤務時間の調整が可能
緊急時には子連れ出勤も

 子どもを育てながら働く職員が多いため、子育てに関するサポートは手厚い。育休中の職員に育児休業給付金の書類を送付する際には、会社へ持参してもらうようにしている。現在の生活や復帰後の要望など、直接会話する機会を作り、スムーズな復帰を促す。
 復帰後は子どもの成長に合わせ、勤務時間の調整が可能。学校などの長期休暇中や緊急時には、子連れ出勤も認められている。また、グループ企業の保育園を保育料全額会社負担で利用でき、大きな魅力となっている。こうしたさまざまなサポートを活用し、子どもの生後6カ月ほどで復帰する職員もいる。
 子育て中の同僚の姿を目にする中で、育児への理解が自然と醸成。「私も助けてもらったから」と、互いに助け合う環境を育んでいる。
 「職員の思いやライフステージに寄り添い、互いを思いやることで、職員やその家族を笑顔にしたい。それが、おのずと利用者やその家族の笑顔につながる」。羽島企画の理念「寄り添う介護 思いやりをカタチに……」は利用者だけでなく、職員にも向けられている。

マニュアルで業務を見える化
フォローアップ体制も充実

 未経験・無資格者でも安心して就労できるよう、業務の手順やポイントを整理してマニュアル化。さらに、未経験者のスキルの均一化や介護職員の離職防止をはかるため「メンター制度」を導入している。入社後6カ月の間は経験豊富な職員が面談を頻繁に実施。どこまで達成できていて、何が自分には足りないかを、先輩職員と共に振り返るなど、フォローアップ体制を整えている。マンツーマン指導により個々にあわせた指導ができるため、新人スタッフはあせらずに仕事を覚えることができる。
 現場で即戦力として活躍できるようになるだけでなく、「直属の上司には話しづらい相談でも、話しやすい環境ができた」と、新人スタッフからは好評。指導する側も職務の把握に効果があったと、双方にメリットを生み出している。
 毎月開催している「ママーズ研究会」では救急訓練を学んだり、新型の福祉器具を試用したりと、スキルアップを図る勉強会を企画している。会社への要望や提案に関するアンケートもあり、管理職から社長までが、提出されたすべての意見を確認。幹部会で審議し改善に取り組んでいる。
 また、相談員が定期的に各事業所を巡回。職員一人ひとりの状況を把握し、意見を取り入れるという、きめ細かな対応を可能にしている。

事業所・部署・役職を超え
親睦を深める社内行事

 ボウリング大会や新年会など、職員全員で楽しむ社内行事が盛んな点も羽島企画の特徴。誕生月には、名前が手書きされた贈り物を社長からプレゼントされるなど、事業所・部署・役職を超えて親睦を深める機会は多い。
 定期的に実施しているイベントには、職員の家族がボランティアとして参加する時も。生き生きと働く親の姿がきっかけとなり、職員の子どもが新卒で入社したケースもある。
 設立から20年。さまざまなライフイベントを経ても、安心して長く働ける環境を整えてきた。「働きたいと思っているパパ、ママを応援したい」。羽島企画の根幹は変わることなく、子育て世代の応援団であり続ける。