優良取組事例

女性が多い職場だからこそ
女性が活躍できる環境に。
お客さま本位の仕事と営業職員へのサポート、
社内事務の効率化に取り組む


住友生命保険相互会社 岐阜支社/岐阜市

1907年の創業以来、生命保険商品を通して、お客さまの未来を支えてきた住友生命保険相互会社。岐阜支社には38の支部があり、約800人の社員が働いている。岐阜支社は2018年度に岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業に認定された。

女性比率が約9割だからこそ
女性が働きやすい環境を整備

 生命保険といえば、女性の多い業界である。住友生命保険相互会社も、全国で42,954人いる社員の9割近くを女性が占める。そのため、多様な人材が活躍できるダイバーシティ推進に力を入れており、2006年度には女性の活躍を推進する組織を立ち上げ、2012年度には「スミセイなでしこ計画」を策定。女性管理職の登用や育成のほか、育児・介護に関わる諸制度の利用促進、男性の家事・育児への参加促進など、全国の支社で女性が活躍できる環境づくりに注力してきた。
 岐阜支社の社員も、男性56人、女性775人(2018年8月)と女性比率が9割を超える。そのため、女性管理職の育成と登用を積極的に行うとともに、働きやすい職場環境の整備を進めてきた。

38支部中16支部で
女性支部長が活躍

 住友生命 岐阜支社は約680人の営業職の社員が在籍している。飛騨、西濃、東濃、岐阜市内の4ブロックに分かれるが、2019年現在は38支部のうち、16支部を女性支部長が管理している。
 女性管理職の育成のため、女性支部長を対象に年に1回研修会を実施し、人材育成や支部経営を話し合う。また、岐阜支社では将来の支部長を見据えて、副支部長制度を導入。副支部長になった社員は幹部会議などに出席し、支部経営を学ぶ機会を与えている。
 営業職をささえる事務職も多数在籍するが、上記の4ブロックには、支部の事務職をまとめる拠点のサブマネージャーなどにも多くの女性が登用。月に一度事務担当者研修を実施し、現在の課題や取り組みを共有、対策に向け意見を出し合っている。
 また、岐阜支社には女性の専任コンプライアンスオフィサー(法令順守責任者)を配置しており、職員からの相談にも女性ならではの丁寧な対応ができている。

社内事務の効率化により
「お客さま本位」の仕事へ

 住友生命では、2018年よりWPI(ワーク・パフォーマンス・イノベーション)プロジェクトとして「お客さま本位への仕事への転換・集中」「健康でいきいきと働く職場の実現」に取り組んでいる。
 岐阜支社でも、営業職には、活動用の新しい端末を配布し、お客さまへは端末を活用したわかりやすい提案を行っている。社内ではビデオ会議やSkypeなどの社内インフラを活用して、情報共有などにおいて活動の効率化に努める。また、会議のための移動時間を削減、ペーパーレス化を推進して資料準備業務を簡略化するなど、社内向け事務の効率化を進めた。併せて、時間外労働の削減と休暇取得推進により社員自身の健康や自己研鑽を促し、生産性向上を図っている。
 時間外労働の削減や休暇取得推進の取り組みは、事務職では比較的スムーズに取り入れられたが、営業現場ではこうした急激な変化を受け入れてもらうのが難しい。しかし、継続的な教育や丁寧なサポートで営業職と事務職が一体となって意識と行動の変革を進め、「お客さま本位」の実現に本気で取り組んでいる。

デジタルとアナログの両面で
帰りやすい雰囲気を生み出す

 2018年から、岐阜支社では勤務時間に関する新たな二つの取り組みがスタート。一つは退社時間の設定。2018年は19時まで、2019年は18時までに退社するよう促進した。もう一つは年次有給休暇の取得推進だ。年次有給休暇も、2018年は年に8日間、2019年は12~15日間の取得を促し、社員が家族との時間や自己投資する時間を確保できるように推進している。
 もちろん、お客さまの都合で時間外勤務をしなければならない時もある。しかし、そうでない場合は、どうすれば休暇がとれるのか、定時に帰宅できるのか。社員一人ひとりが考えながら業務の効率化をする必要がある。また、周囲の理解も必要だ。定時に帰りやすく、休みやすいという環境をつくりだすため、グループ内で業務を共有し、サポートし合う体制づくりを行った。
 そのための取り組みが、デスクの上に置かれたカードだ。「今日は定時退社です」と大きく表示されている。管理職も含め、退社予定時間を一目でわかるようにすることで、周囲の理解を得やすい雰囲気を生み出している。なにより退社しやすく、休みやすい職場環境は、社員にとって皆が望むところ。しっかりとした休息をとることで、業務により集中できる好循環が生まれている。