優良取組事例

産休・育休取得だけでなく
メンタルケアの制度も整備
皆で高め合いながら
働きやすく、キャリアを築ける職場へ


東京海上日動火災保険株式会社 岐阜支店/岐阜市

日本初の損害保険会社である「東京海上保険会社」をルーツに持つ東京海上日動火災保険株式会社。活力にあふれる主体的な人材と組織を原動力に、お客様の「いざ」を支えるために、「安心と安全」を提供し続けている。

休暇制度だけでなく教育やメンタルにも配慮

 東京海上日動火災保険株式会社は、すべての社員がいきいきと働き、意欲と能力を最大限発揮できる環境を目指し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでいる。
 令和元年度の岐阜県ワークライフバランス推進エクセレント企業に選ばれた岐阜支店は、男性28人、女性69人の計97人が勤務(2020年10月1日現在)。営業職など第一線で活躍する女性が多く、出産・育児休暇などの制度だけでなく、キャリア教育やメンタルサポートなど、職場環境の充実にも尽力してきた。

活躍する先輩ママに気軽に相談働く女性を後押しする

 メンタルサポートの一環として行っているのが、ママメンター制度だ。育児休暇から復帰したばかりの社員は、仕事と子育ての両立に悩む人が少なくない。そこで、仕事と子育てを両立させて活躍している女性従業員をメンターに設定。復帰したばかりの女性社員(メンティ)が、気軽になんでも相談できる環境をつくっている。
 メンターへの相談内容は、仕事に関することから子育てのこと、自身の体調のことなど様々だ。復帰社員が「育休中より子どもに時間を使えていない」と悩んでいたところ、メンターに「完璧を求めなくてもいい」と答えてもらえたことで気持ちが楽になったなど、気軽に相談できる相手をつくることで、女性の継続就業とキャリア形成を支援している。
 メンターとメンティは、できる限り同じ職場内にならないように配慮している一方、相談をするためだけに岐阜から名古屋に行かなければならないというような課題もあった。しかし、コロナ禍でビデオチャットが浸透したため、現在はこれまで以上に気軽に相談できる環境になってきているという。また、メンティが将来メンターとなり、自身が相談を受ける側になっていくことで、人材育成の連鎖がうまれることを期待している。

風通しの良い職場にするため支店長参加の「マジきら」を実施

 風通しの良い職場づくりへの取り組みも進んでいる。岐阜支店で昨年から実施されているのが、「まじめな話を気楽にするオフサイトミーティング(通称、マジきら)」。支店長を交えて、仕事上の課題や悩みを話し合う交流会で、年に3~4度ほど実施している。皆が気軽に発言できるよう少人数に分けて行い、支店長へ自身の意見を伝えられるのはもちろん、それぞれの考え方、視点を学ぶ機会にもなっている。
 特に岐阜支店は、営業エリアの広さから、同じ支店に所属していても顔を合わる機会が少ない。「マジきら」ではそうした人とも交流することができ、「縦と横の距離が近い職場」を実現している。話し合いの中では、支店内の情報共有をもっとして欲しいといった仕事上の要望も出る。これに対し、ビジネスチャットツールを用いた共有の場を設け、リーダーのみで行われていた情報交換をメンバーへも共有するといった改善がなされるなど、社員の意見のフィードバックもしている。
 また、他の取り組みとして、「なくす・へらす・うつす」の頭文字を取った「なへう」という業務改善提案活動も実施。無駄だと思われる業務を見つけたら、部署内で共有し、改善する。細かな内容を含め、気づいた点を皆で改善できるのは、まさに風通しの良い職場といえるだろう。

キラキラした女性の生き方から自分のキャリアの可能性に気付く

 女性のキャリア教育のため、今年からスタートしたのが「ぎふジョ★」だ。企画立案のきっかけになったのは、岐阜県の運営する「ぎふジョ!女性の活躍を応援するポータルサイト」。さまざまな業界で、いきいきと働く女性の姿を見て、「さまざまな分野で活躍する女性から話を聞くことで、自分のキャリアを考えるきっかけになるのでは」と考えた。
 今年9月に第一回を開催。同社女性執行役員に講師を依頼し、これまでのキャリアやターニングポイント、仕事の考え方などを語ってもらった。第一回「ぎふジョ★」には岐阜支店の社員50人のほか、交流のある明治安田生命保険相互会社の社員も参加。講演後のグループディスカッションも盛り上がり、参加した女性社員からは、とても前向きな気持ちになった、自分らしい働き方を見つめ直すことができた、といった感想が相次いだ。
 今後も他社との交流も含めて企画していくほか、今年は気づきのための場、来年は気づいたことを高めていく場と、段階を設けてステップアップを図っていく予定だ。この「ぎふジョ★」により、女性社員は多くの生き方・考え方をインプットし、自分のキャリアやなりたい姿を描いて、可能性を広げていく。岐阜支店の女性社員一人ひとりがいきいきと楽しく働けるよう、皆で主体的に考え動いていく機会を設けることで、東京海上日動が掲げる「活力にあふれる主体的な人材と組織」を実現している。