女性職員が多く働く社会福祉法人 村の木 清福会。職員のワーク・ライフ・バランスを充実させることで、質の高い保育の提供を掲げます。タブレット導入といったICTの活用、働き続けられるための時短勤務制度、目標設定制度など働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
優良取組事例
多く働く女性社員を
支える短時間勤務などの
手厚い制度がある。
働きやすい職場で
長く勤務ができる。
社会福祉法人村の木清福会/可児市
6時間勤務となる短時間勤務制度
ひろみ保育園、はぐみの森保育園、けいなん保育園を運営する社会福祉法人村の木清福会。昭和25年に開園して以来、可児市の保育を支えてきました。女性職員が多い職場のため、女性職員の結婚、出産、育児が重なっても人材に困ることのない職場づくりは長年の課題でした。
ライフスタイルの変化があっても退職せずに仕事を継続できるようにと短時間勤務制度の「正短制度」を運用しています。1日の勤務時間通常7~5時間のところ、6時間に固定しつつも、賞与や退職金に変化はありません。さらに、正社員を目指すパート職員も利用可能です。家庭、育児とのバランスを取りながら働くことができ、2021年末には3人の職員が利用しながら働いています。
WLBを推進するチーム
社会福祉法人 村の木 清福会で、職員の働きやすさを追求するのが「ワーク・ライフ・バランス推進チーム」です。立ち上げ以来、年間休日130日、さらに95%以上という年間休暇取得率を達成しました。毎週水曜日には、全職員を対象とした「ノー残業デー」を設定することで、メリハリのある働き方を促進します。
ワーク・ライフ・バランス推進チームは業務の改善にも取り組んでいて、職員から好評なのが担任保育士へのタブレット支給です。欠席になった児童の把握、業務を手元で確認できるだけでなく、2020年度からスタートした保育料徴収のキャッシュレス化にも対応しています。実際にクラスを受け持っている保育士の堀さんは「これまで集金はずっと現金でした。職員が管理する必要がなく、業務負担が減りました」と話します。
タブレットの導入、さらには保育料徴収のキャッシュレス化により、職員の継続就労につながっています。
サンキューメッセージカード
職員同士のコミュニケーションを活発にしようと生まれたのが「サンキューメッセージカード」と呼ばれる取り組みです。これは職員が、他の職員への感謝、仕事ぶりをカードに書き込んで園内に掲示するもの。「普段、あまり業務で接点のない職員の方からメッセージカードをもらえると、私の仕事を見てくれていたんだとうれしくなります」と、堀さんは話します。お互いを褒め、そして励まし合うカードを提示することで保護者にも職員の人柄、がんばりをPRしています。お互いがお互いの仕事を評価し合うことが、働くことへの意欲向上にもつながっています。
また、正規職員、パート職員を含めたキャリアアップを推進するのが個々で設ける「目標設定制度」です。これは月ごとに目標を定め、さらに自分が目標を達成するために必要だと考える3つの行動を自ら書き込んで宣言するもの。サンキューメッセージカードと同様に掲示をしています。
フリー職員が業務をサポート
社会福祉法人村の木清福会では、ワーク・ライフ・バランス推進チームを中心に保育士、事務局担当といったさまざまな職場を受け持つ職員が集まり、業務改善について積極的に話し合う場を設けています。
そうして生まれた制度の一環が、フリー職員の配置です。担任保育士をサポートするフリー職員がいることで業務上の負担を軽減しています。また、保育士の悩み相談の窓口のひとつでもあるのが、2020年から発足した「村の木OB会」です。OBと意見交換をする場を設けることで、現役保育士が考えるキャリアプラン、悩みの解消につなげています。
育児中の多様な働き方を実現することで、これからも職員が長く働く場所であり続けます。