優良取組事例

手厚いフォローアップ研修や
法定を上回る水準の育児支援で
安心して長く働くことのできる
環境の整備に取り組む


日本トムソン株式会社/美濃市

日本トムソン株式会社では長く安心して働くことができるように、一人ひとりがやりがいを持って主体的に働ける環境の整備を目指し、手厚いフォローアップ研修が行なわれている。また、法定を上回る水準の育児支援も施行。地域ともコミュニケーションを図り、社会から必要とされ、信頼される企業であれるよう尽力する。

世界に宇宙にIKO

 1950年「日本トムソン株式会社」の前身「大一工業株式会社」が設立。1963年には「IKO」を自社ブランドとして商標登録し、現在の会社名となった。IKOには「革新的で(Innovation)高度な技術に立脚し(Know-how)、創造性に富む(Originality)」という信念が込められている。IKOはニードルベアリング(回転運動をサポートする機械装置には欠かせない部品)を国内初、自社開発に成功した卓越した技術力と高い品質の象徴でもある。
 生み出される部品は、主にパソコンやスマートフォンなどをつくる際に用いられるエレクトロニクス関連装置や、さまざまな製品を生み出す工作機械、建設機械や産業用ロボット、医療機器、半導体製造装置、自動車やオートバイ、鉄道車両や航空機にも重用されている。さらには地上に留まることなく、2012年に打ち上げられたNASAの火星探査機「キュリオシティ」、その信頼性と耐久性が認められ2021年に打ち上げられた最新火星探査機「パーサヴィアランス」にもIKOブランドが用いられている。
 日本トムソン株式会社は既存ビジネスの更なる深化、未来を創る新技術、新領域の開拓、サステイナブルな経営の推進などを通じて、これまで以上の価値創出に邁進する。

研修で働く意義を確認

 社員がより長く安定して働ける環境づくりのため、ワークライフバランス推進エクセレント企業の認定を目指した。2019年、既存の制度も活用しつつ申請に向けて準備を開始した。また、準備を開始する以前から各部署でワークフローは用意されていた。入社間もない時期でも一目でわかりやすい作業手順書等があれば、不安なく業務に従事できる。
 また3年目、7年目には手厚いフォローアップ研修が行なわれている。なお、3年目、7年目のタイミングには意味がある。3年目は先輩からの期待が高まり、部下からも頼られるようになる。また働く意義についても考えるようになり離職率が高まる時期といわれている。7年目は外部社員と関わる機会も増え、指揮をする立場となる者も多くマネジメントの基本を再度、確認すべき時期だ。昨今はハラスメント問題も取り上げられ、コミュニケーションの有り様についても考える時間となっている。
 2022年度は3年目に19名、7年目11名がセミナーに出席。感染症対策を考慮し、広い会議室でパーテーションを立て三密回避で実施された。製造業で幹部まで務めた人材を岐阜県経営者協会より外部講師として招聘。丸一日かけて課題に答え、講師より講評をもらうグループワークが行われ、終了後には一週間ほどでレポートを提出する流れだ。その中では「強みや弱みを把握し自己啓発を続ける努力をして、夢を持って仕事に取り組んで一流のプロになれるように頑張りたい」「会社から求められているものはなにか、自分の役割で何が足りていないのかを再度、確認することができた」「中堅社員ならできること、中堅社員としてやるべきことを明確にし、コスト面を意識しながら普段の仕事、新人教育等を行っていくべきだと思った」といった声も聞かれた。
 自己申告制度や目標管理制度による面談も実施。これらは個々の成長意欲の醸成やキャリアプランの実現を通して会社と従業員とのつながりを深める役割もあり、新卒採用者の定着率も高く、全体の離職率も低水準を保っている。

育児と仕事の両立を

 全体の7割近くが男性従業員だが、女性がいきいきと働くための職場環境整備にも注力してきた。2018年度には「関市女性が働きやすい職場」認定を取得。企業説明会などでPRしたところ、女性の新入社員は例年1人、2人だったところ、2021年には半分を女性が占めた。以降もコンスタントに女性が入社、着実に中核人材の女性比率も向上している。
 特に育児と仕事を両立しやすいよう、従業員に寄り添った形で育児支援が行なわれている。育児休暇は法定を上回る1歳半まで。育児短時間勤務 制度も小学校3年生までと法定より長く設定されている。育児休業取得者の所属部署と人事部門で密に連携を保ち、個別の悩みにも可能な限り対応。元々、子どもの行事や急な病気での休暇取得でも職場内で互いに配慮しながら調整をしてきたのだが、さらに働きやすさはアップした。「育休を理由に退職した人はおらず、みなさん育児短時間勤務制度を生かしながら復帰されています。育児休暇が取りづらいといった雰囲気がないため、男性の取得者も増えつつあります。」と総務人事課の中里澄人さんは話す。

誰もが働きやすく

 近隣住民でも日本トムソン株式会社がどのような会社なのか知らないケースが殆どなため、商工会議所が開催する、近隣住民を対象とした工場見学ツアーの見学先として参加。先ずは草の根活動からスタートした。また近隣中学校への授業参加、企業紹介イベントや地域活性化イベントへの出展、一般に向けた「統合報告書」の作成を行なっている。関市・美濃市の企業を子ども向けに紹介する「小学生向けのお仕事ノート」にも掲載された。長年、道路や河川の清掃活動にも取り組んでおり、企業活動を通じた社会貢献により、地域や社会から必要とされ、信頼される企業の姿を目指している。
 「わからないことがあれば教えてもらえ、困った人には手を差し伸べようという社風。悩み事なども打ち明けやすく、働きやすい職場です。」と総務人事課の辻真幸さん。「資格試験に受かれば学歴関係なく評価してもらえるので、モチベーションのアップにも繫がります」とも口にする。これからはより多様な人材を活かす戦略、ダイバーシティへの積極的な取り組みを推進し、一人ひとりがやりがいを持って主体的に働ける環境の整備に努めていく。それは性別、年齢、国籍、職歴、障害の有無にかかわらず、能力開発、キャリアアップの機会を公平に提供し人材育成を進めるのが目標だ。