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社会福祉法人ケア21
熊崎 健さん(高山市)
発展性を見込んで
未経験の福祉業界に
利用者にも、働くスタッフにも
喜ばれる施設づくりに
取り組んでいきたい
社会福祉法人ケア21は山々に囲まれた高山の地で、老人デイサービス事業や老人短期入所事業などを8カ所の事業所を運営しています。福祉業界未経験で入職した熊崎健一さんは、今年で勤続12年目。事務職兼ケアマネージャーとして、利用者にとって安心・安全・快適に暮らせる場を提供するだけでなく、スタッフが働きやすい環境づくりにも注力しています。家に帰れば、2児の父親として家事もテキパキとこなします。
未経験で入職するも周囲がサポート 働きながら資格を取得
愛知県の大学に進学し、卒業後は愛知県内の企業に就職。数年間働いたのち、地元・高山に戻り、福祉業界の発展性を見込んで転職を決意しました。
専門学校などで福祉を学んだ先輩や同僚が多い中、私は業界未経験者。知識がないがゆえに失敗をしたり迷惑をかけたりしましたが、周囲が温かくサポートしてくれました。働きながらさまざまな資格を取得。社会福祉士や介護支援専門員の資格取得を目指していたころにはすでに結婚して子どももいたので、家事を終えて、家族が寝静まってから勉強に励みました。入社以降、介護職として利用者さんの食事・入浴介助などをしてきましたが、2年前からは事務とケアマネージャーを兼務しています。現在は、職員の資質向上や職場環境・処遇の改善を目的とした、厚生労働省の「介護職員等特定処遇改善加算」に基づく人事考課の仕組みづくりに向き合っています。人事考課制度はまだ始まったばかりなのでスタッフの間でしっかり浸透させていき、よりよい施設・職場づくりに役立てていきたいです。
入社後間もないころは、大学時代の友人の活躍を見聞きすると気持ちが揺らいだときもありましたが、福祉業界は、リーマンショックや新型コロナウイルス感染症拡大などの社会情勢に左右されず、比較的安定していることから、挫折することなく福祉業界で働き続けてきてよかったと思います。
ワーク・ライフ・バランスの充実がよりよい施設をつくる
スタッフの大半が女性で占める弊社は、出産・子育てなどライフステージに左右されることなく、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。子育てしながら仕事が続けられるよう「子連れ出勤制度」を導入し、ライフステージに左右されることなく働ける労働環境の整備に努めています。子育てをバックアップしてくれるような社風で、子どもの体調不良などで早退しなくてはならない時にも、快く早退を認めてくれます。私の妻は介護施設で働いており、子どもの体調不良で学校から緊急の電話がかかっても出られないことがほとんど。事務職の私は電話に比較的出やすいことから、私が対応することが多いですね。
利用者へのサービス向上には、職員のワーク・ライフ・バランスの充実が不可欠と、法定の基準を上回る人員を配置しています。ほとんどのスタッフが有給休暇を取得し、義務化されている日数に満たない場合は上司が積極的に声かけをしています。
事前の準備をしっかりと家事は分担制で効率よく
26歳で結婚し、小学3年生と、5歳の子どもがいます。共働きですので、家事は分担制。私の祖父は祖母の介護をしながら家事をしていましたし、父が料理や掃除をする姿を見ていましたので、家事をすることに抵抗はありませんでした。むしろ、できないことが恥ずかしいと両親からしつけられていたように思います。
事前に準備をしておくことが家事を効率よくすすめるコツ。バレーボールチームに所属している長男は週1回、夜の練習がありますので、帰宅後は食事の準備や、送迎に大忙しです。会社から帰宅後すぐに調理に取りかかれるよう、前々日には献立を決め買い出しも済ませています。妻は土日に出勤も多いことから、週末は私が家事全般を担っています。
長男がバレーボールを始めて、約2年。当初は練習に出かけても体育館の隅で遊んでいたような子が、スポーツを通じて挨拶や片付けなどをすすんでできるようになりました。「人ってこんなに短期間で変わることができるんだね」と周囲から驚かれるほどです。監督やコーチから厳しく指導を受けるときもあるようですが、叱ってくれる存在がいてくれてありがたいと感じます。学校での勉強やスポーツを通して、いろいろな経験をして、相手の気持ちがわかる思いやりのある子になってほしいです。