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株式会社五月商店 長良店かぶしきがいしゃさつきしょうてん ながらてん
店長
山田克己さん(岐阜市)

【2022年8月 2日時点】

生まれたばかりの時間は
巻き戻せません。
その時間を共有できるのは
自分の励みにもなり、
妻の大変さも知りました


福祉用具の販売・レンタル、住宅改修、介護相談など、介護事業を総合的に取り扱う株式会社五月商店。働き方改革を積極的に進めており、2019年には「岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」に認定されました。長良店の店長を務める山田克己さんは店では管理や運営を行い、家庭では2児の父親として子育てにも力を尽くしています。

「ありがとう」を励みに

 入社して12年目を迎えました。介護支援が必要な方、要支援認定されている方のご自宅に伺い、必要な福祉用具を提案し、レンタルやリフォームを行うのが主な仕事で、自立支援と介護負担の軽減が大きな2本柱となります。
 加えて、私は店長という立場ですから、管理者として長良店全体をまとめ、仕事を円滑に進めるための業務にも重きを置いています。また、店だけを見るのではなく、もっと視野を広げ、地域貢献にも目を向けてやっていければと思っています。
 この仕事は、利用者様から「ありがとう」という感謝の言葉をいただきやすい仕事です。その方が住み慣れたご自宅で、安全に安心して過ごすための環境をつくるお手伝いをするので、提供したサービスが適切であれば「ありがとう」と直接声をかけていただけます。やはり「ありがとう」の言葉はうれしいですし、やりがいも感じています。
 その積み重ねが、利用者様を紹介していただいているケアマネージャーさんとの信頼関係を構築することにも、結びついていると思います。

チーム制とIT化

 育児休暇の制度があるのは知っていましたが、営業という職種柄、取りづらいと思っていました。会社として実績を作ることで、後輩の社員が取りやすい環境づくりにつながるのではと、5年前に休暇を妻の出産後1週間取得しました。
 復帰した際にすぐに引き継ぎができるよう、サポートに入ってくれる社員に仕事の経過などを記録に残してもらい、復帰に向けた事前の準備を怠りませんでした。何かあれば連絡を入れてもらって、すぐに対応できる形を取っていました。
 弊社の営業部門がチーム制を取っているのも大きいと思います。だれかが休むことでお客様に迷惑をかけないためにも、チーム内で互いにサポートしあって、仕事が滞らないように努めています。ですから、有給休暇も積極的に取得できています。
 弊社では今年2人目の育児休暇を取得しましたが、5年前よりも社内のデジタル化が進み、自宅にいながら、仕事の進捗確認や経過記録などが確認できて、より安心して休むことができました。IT機器導入による成果のひとつですね。
 働き方改革を会社全体で推進しており、同業他社との差別化にもなっていて、今までなかなか集まらなかった求人も改善してきました。

仕事と家庭にメリハリ

 上の子がうまれた時は里帰りをして、私も妻の実家に泊まったりしていましたが、2人目のときはコロナ禍だったこともあり、家で過ごしていました。妻は看護師で、1歳半くらいまで育児休暇をとって、復帰する予定です。
 洗濯や食事の後片付け、休みの日は料理もやっています。子どもをお風呂に入れたり、寝付きが悪いときにあやしたりしますが、家事・育児というのは時間じゃなく、ストレスもたまりやすいと気づきました。そのあたりを気遣いながら家事・育児をするのも、夫婦円満の秘訣なのかもしれません。
 あとは、仕事と家庭にメリハリをつけて、家に仕事を持ち込まない、家のことを仕事に持ち込まないように心がけています。たとえ仕事でイライラしていても、家に帰るときには意識して気持ちを切り替え、家族と接するようにしています。

育休は男女関係ない

 まだまだ男性の育児休暇の取得率は低い状況ですが、これからの時代は男女関係ないと思います。生まれて間もない子どもの世話の大変さを、育児休暇で実感しました。自分にとってはよい勉強になりましたし、妻を労らなくてはと思うようにもなりました。
 育児休暇で休みますと言っても、ケアマネージャーさんやご利用者様で嫌な顔をされる人はいません。周囲の理解も得やすいのではないかと、経験上、そう感じます。
 仕事をしていると、どうしても帰宅したときには子どもは寝ていることが多く、寝顔を見るくらいしかできません。子どもは、めまぐるしく成長します。子どもの間近で同じ時間を過ごせたことも、育児休暇をとって良かったと思う理由のひとつです。
 昨年からのコロナ禍で、家族の思い出づくりが正直あまりできていません。落ち着いてきたら、ぜひ家族でいろいろと出かけたいですね。