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日本水機工株式会社にほんみずきこうかぶしきがいしゃ
綾城光男さん(瑞穂市)

【2022年8月 2日時点】

事務所新設の際に
こだわったキッズルーム。
自身も二児の父であり
地域の子ども食堂にも
積極的に携わる。


日本水機工株式会社の代表取締役、綾城光男さんは幼い2児の父親。自身も家庭をサポートしながら、同時に子育て世代の社員の働きやすさにも気を配ります。家庭、会社だけでなく地域にも、子ども食堂や清掃などで携わることで、地域を住みやすく、子育てがしやすい町になるよう力を入れています。

社員も積極的な子育て参加を

 日本水機工株式会社は、岐阜市に本社を持ち、統轄事業部が瑞穂市にある2018年に設立されたばかりの、若い会社です。
 代表取締役、創業者でもある私は、統轄事業部の事業所を設立するとき、何よりもこだわったのがキッズスペースを設けることでした。まず最初に、どこにどんなキッズスペースを作るか、といった点から設計士さんと話し合いを始めたほどです。
 私自身、まだ幼い子どもが2人いる育児世代で、社員の働きやすさを意識してきました。
 子育ては、自分の家庭だけではなく全員で協力し合うもの。この考えは、岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業に認定されている三承工業株式会社の代表取締役西岡徹人さんの考えに共感したことで芽生えたものです。
 キッズルームにはおもちゃやアニメのDVDがあり、子どもたちにとって楽しい遊び場として利用でき、社員からの評判は上々です。社員が家族の顔を見ながら仕事が出来ることは、モチベーション向上につながると私たちは感じています。

子育て経験から感じた、社内制度の必要性

 私たちの業界は人手不足が続いているため、社員には定着して長く勤めてもらうこと、また、新規雇用の促進も課題となります。私自身休日には時間を作り、子どもとよく遊ぶようにしているため、子どもの成長を感じられるとともに、子育ての大変さも実感しています。そのため職場にキッズスペースの設置以外に、育児短時間勤務制度、子育て支援休暇、介護休暇を年間10日付与する制度を導入しました。また、通常の有給休暇とは別に、入社と同時に付与される有給休暇(10日)などもあります。
 ただ、外の現場で働く社員は多忙で取得しづらいといった問題があります。そこで休暇を取得できるよう管理するために、女性社員を女性活躍・働き方改革室長として配置しています。室長が「このあたりで有給取得してください」と社員へ促すことで取得率向上を高めています。なかなか現場仕事の社員は自分から「休みたい」と言いづらいもので、代わりに声掛けをして積極的に休暇を促せば自然と取得率は高まるはずです。

女性活躍・働き方改革室長を設置地域貢献活動と社員のエンゲージメント向上

 女性社員が担当している女性活躍・働き方改革室長の仕事は通常の事務仕事ではなく、休暇の管理や社内整備、2021年11月から産学官民連携で始めた朝日大学と共同開催の子ども食堂「みずいろ食堂」、ぎふ・ロード・プレイヤーといった地域貢献事業やSDGsへの取り組みを担当しています。
 みずいろ食堂では、朝日大学法学部の刑事法研究室の学生による学習支援なども実施しています。大学生が子ども食堂の開催に合わせて来てくれて、食べに来た子どもたちに勉強を教えています。大学生も楽しそうに子どもたちと交流してくれてちょっとした塾のようなイメージです。ここでは食事だけでなく、勉強を教えてもらえるという付加価値を付けることができました。
 これらの取り組みはもちろん、私や社員にとっても好良い影響があります。それは、清掃活動や子ども食堂などの活動を通して地域の方と挨拶や言葉を交わすことで、社員のエンゲージメント向上にもつながっていると実感していることです。会社設立の時期と私自身の子育の時期が重なっていることをプラス捉えて、今後も子育てに必要な制度充実の推進をして会社の成長につながることを期待しています。