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株式会社杉山バルブ製作所
取締役管理部部長
杉山新太郎さん(山県市)
家庭でも会社でも
お互いの理解を深めるために
気軽に雑談できるような
関係性を築くよう心がける
給水栓メーカーとして培ったノウハウを活かし、企画設計から一貫してものづくりを行う株式会社杉山バルブ製作所。令和2年には岐阜県ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業に認定されました。取締役と管理部部長を兼任する杉山新太郎さんは、家庭では3人の子の父親であり、長男、次男の通う小学校のPTA副会長も務めています。
よろこびを分かち合う
入社時の現場研修を終えた後、経営企画室に配属され、経営基盤や管理方法の改善を進めてきました。経営企画室の業務はそのままに、2011年には管理部部長に就任し、経営企画室はもとより品質管理課と購買課の管理も担っています。現在36名の従業員を取りまとめる役割に加え、営業、人事、経理、製造にも携わっており、機能、品質、性能、精度を備えた、顧客が満足する製品の提供にこだわりつつも、「いかに楽しく仕事をするか」をモットーに会社経営を行っています。
当初は経営者として相応しい立ち振る舞いができなかったり、圧倒的な知識不足に自分でも危機感を憶えました。全ては仕事をこなしながら、現場での体験を糧にして学んできたという感じです。
私のところには基本、問題ごとしか上がってきません。その中でも人間関係の問題は少なくありません。それらをみんなが納得する形で気持ちよく解決した時は、やりがいを感じます。どんな仕事もそうだと思いますが、特に、人と人との関わりは切り離せないもの。社員とよろこびを分かち合う瞬間を大切にしたいです。
雑談で意識の共有を
現在、妻と小学5年生の長男、小学3年生の次男、幼稚園に通う長女の5人家族です。長男は、ようやく手がかからなくなってきました。子どもたちとはゲームを一緒にして遊んだり、休日には家族全員で、ショッピングモールなどに出かけるのがルーティンワークになっています。コロナ禍で、自ずと子どもと向き合う時間が長くなりました。PTAの行事や自治会の活動に参加するのが僕の役割。休日は食器洗い、ゴミ捨ても担当しています。
今年度、来年度はPTA副会長、再来年度はPTA会長を務めることも決まっています。コロナ禍で、会議はオンラインとなり、行事自体も減りました。PTAの委員の方が頑張ってくれるので然程、大変さは感じていません。
家庭でも会社でも、お互いの理解を深めるために気軽に、雑談できるような関係性を築けるよう心がけています。家庭では仕事のことを理解してもらうため、会社では家庭を大切にしたいという思いを理解してもらうため、雑談の中で意識の共有を図っています。家庭の事情を話せるような人間関係があるのは、普段からの挨拶や気遣いがあってこその賜物だと思います。
妻は度量があり、理解して聞き入れてくれるタイプなので、自由にさせてもらっています。その代わりに今日は何があった、こうだったよと、くだらないことでも逐一話すようにしています。
素直さ謙虚さを大切に
中学生からバレーボールをはじめ、県立岐阜商業高等学校では「春高バレー全日本バレーボール高等学校選手権大会」にも出場しました。朝日大学にもスポーツ推薦で入学しました。一時期はバレーボールから離れていましたが、この会社に入ってから国体を目指すクラブチームに誘われて、また本格的にプレーするようになりました。身体を動かすことが格好の生き抜きになっています。
また、読書、中でも歴史小説にもはまっています。司馬遼太郎が読みやすくて自分には合っているようです。今は『空の上の雲』。義父が歴史好きなので共通の話題ができるかなと思い読みはじめたのですが、どっぷりはまってしまいました。
子どもたちには究極、人に迷惑をかけない人間に育ってくれればよいと思っています。「人の話をちゃんと聞くことができる嘘をつかない人を敬い見下さないそれさえできていればどんな職にもつけるよ」と教えています。わからなければ知ろうとする、「わからない」で終わらせない探究心も大切だよ、とも。
子どもに「跡を継ぎたい」と思ってもらえるような会社に成長させていくのが僕の夢です。それには、自分も含め社員全員の思考のレベルアップが必要だと思っています。赤ちゃんの時には持っていたはずの、素直さと謙虚さを取り戻すことも肝心です。人の話を聞き入れる懐の深さを大切に、語彙力を鍛えてコミュニケーションスキルを高めることも意識しています。家庭でも会社でも言葉を交わしあい、気遣いを忘れないようにしていきたいです。