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株式会社日本キャンパック岐阜工場かぶしきがいしゃにほんきゃんぱっく
三輪 忠義さん(岐阜市)

【2023年7月14日時点】

制度の内容を正しく把握して
長期の育児休暇を取得
計画と準備の大切さを
これからの人に伝えたい


大手飲料メーカーからの受託充填事業を行っている株式会社日本キャンパック岐阜工場。その工場内にある設備全般の保守管理を行う業務課で、電気設備の保全を中心に担当している三輪忠義さんは、岐阜工場の男性従業員として初めて4か月の長期育児休業を取得。今は2か月間のテレワークによる復帰への移行期間で、計6か月にわたって子育てを中心とした生活を続けています。

漠然とした知識で育休取得をためらう
 実は今の子どもは2人目なんです。会社に育児休業制度があることは知っていましたが、1人目の時は育児休業=収入が激減というイメージしか無かったので、取得するつもりはありませんでした。育児休業という制度は知っていても、どのくらい休業できるのか、給付金がどの程度入るのかは知りませんでした。
 最初の子が2歳半になるころに2人目ができました。1人目の子育てを経験して色々と大変だったことから、2人目ができたら育児休業を取ろうと決めていたので、さっそく制度について調べ始めました。経験者の話を聞いたり総務に確認したり、あちこち聞きまくったという感じです。
 原則1歳になるまで取得できること、その間は育児休業給付金として最初の6か月までは給与の7割弱、以降は5割の金額が支給されること、社会保険料が免除になることなど、育児休業=収入激減という私の持っていたイメージを大きく覆す制度の内容が次々と分かってきました。
 当初は7割支給の6か月間の取得を、と考えましたが、出産予定日に合わせて育休を開始すると、設備の総点検という重要業務に重なってしまうことが分かり上司と相談して育休期間を短くして、後半は必要に応じて総点検に対応できるようテレワークを基本とした勤務体制をとることとしました。

育休取得後に起きた想定外の事態
 出産予定日は幼稚園に通う上の子が夏休みに入る頃で、お母さんが下の子にかかりきりで寂しい思いをするだろうけど、私が育休で家にいれば、相手になってあげられる、ちょうど良いタイミングだな、と考えていました。ところが出産後しばらく妻の体調がすぐれず、上の子と楽しく過ごす夏休みではなく、家事と育児に奔走する毎日となりました。小さい頃から自分の身の周りの事は自分でやるよう親に言われてきたことと、一人暮らしの経験もあって家事には抵抗がありませんでしたが、それでも両立の大変さを身に染みて感じました。幸い妻の体調も、テレワークに切り替わる頃には徐々に回復してきましたが、もし育休を取っていなかったらどうなっていただろうと思います。

様々な働き方が出来る安心と計画的な備え
 今は出勤せずにテレワークと必要に応じた出社対応で仕事をこなしています。朝5時から仕事を始め、8時半頃に上の子を幼稚園まで送って行き、帰って来てまた仕事を再開。15時には終わらせて幼稚園まで迎えに行くという働き方をしています。
 妻の体調も回復し、家事・育児を2人で分担して出来るようになりました。おかげで幼稚園の送迎で家を空けたり、仕事に集中する時間を持つことも出来ています。通常勤務に復帰したら以前と同じフレックス勤務に戻りますが、子の看護休暇制度もあるので、機会があれば使いたいです。育児に関する制度も充実していて勤務形態も柔軟に寄り添ってくれる、働きやすい職場だと感じています。

育児休業を取得後に後悔しないために
 男性が育児休業の取得をためらう一番の理由は、経済面での心配だと思います。給付金が支給されると言っても満額ではありませんし、育休に入ってから支給が開始されるまでタイムラグがあるので、無収入になる期間が発生します。また、育休中はそれまでより収入が少なくなりますから、育休期間を乗り切るだけの貯えも必要になります。
育児に関する経済的な負担がもっと軽ければ、男性も安心して育児休業を取れるようになるのに、と思いますが仕方ありません。今、育児休業取得を考えている人は、ご夫婦で収支についてしっかりとシミュレーションしておくことをお勧めします。

育児休業の大切さを男性従業員にもっと知って欲しい
 制度の内容を正しく知っていれば、1人目の時から育休を取っていたかも知れません。収入に関する具体的な金額が簡単に分かれば、皆が安心して取れるようになるのになとも思います。
 それから、出産は女性にとって本当に命がけです。私は育休を取っておいて本当に良かったと痛感しています。産まれてくる子どもとの時間を多く持てるのは本当に良いことですし、命を懸けて子どもを産んでくれた妻への感謝と恩返しの意味でも、育児休業は取得した方が良いと思います。