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株式会社イマオコーポレーションかぶしきがいしゃイマオコーポレーション
技術部営業技術課チーフ
佐合 要(さごう かなめ)さん(美濃市)

【2024年8月22日時点】

産まれたばかりの赤ちゃんと過ごせるのは一生のうちにその時だけ。
もちろん仕事も大切だけど時間は取り返せないから。


産業機械用の部品、治具、アルミ構造材などの開発・製造を行っている株式会社イマオコーポレーションに勤務する佐合要さんは、2度の育児休業を経験してきたイクメンの父です。仕事は社内のカイゼンを進める技術部のチーフで、労働環境の見直しから作業の効率化・自動化まで、社員の悩みや困りごとの解決に日々奔走しています。

技術職への道のり

大学は工学部で機械工学を学んでいました。就職活動をしていた頃は就職難だったこともあり、堅実な経営で且つ学んだ事を活かせる企業が希望だったため、地元企業の中でも特に地元に根差して創業から堅実な経営を続けているこの会社を選びました。
入社後は各部署で研修を受けた後、神奈川県に営業職として赴任しました。営業と言っても販売ではなく、問い合わせのサポートや取引先の困りごとをヒアリングし開発にフィードバックするニーズ調査といった仕事を主に担当していました。もともと技術職が希望だったため1年ほど神奈川で働いたのち技術職に異動となりました。
岐阜に戻って希望通り技術職となってからは、素材や部品を工作機械で加工する際に必要な治具という装置の設計に携わりました。治具はお客様の製造するモノに合わせて作るため、一つひとつオーダーメイドになります。大学で学んだ知識を現場で引き出して使うというイメージで仕事に活かしてきました。

カイゼンに取り組む

治具の開発を5年ほど続け、社内の改善を担当することになりました。ちょうど会社が改善活動に取り組み始めた頃で、私にとっても初めてのことで戸惑いながらのスタートでした。工場の各部課長が月1回のペースで改善会議を行っており、そこで出た現場の問題や不満を要望という形でまとめてきます。作業者の負荷や作業時間等から優先順位をつけ課題にとりかかりました。
改善に関する本を読み勉強もしましたが、アイデアの引き出しを増やすことになっても、そのまま使える答えが載っている訳ではありません。しかし時間とともに現場と向き合い解決策を考えるのも段々と楽しくなってきました。例えば騒音に対しては、遮音カーテンの設置や騒音源を壁で囲むなどで音を遮るという方法はもちろん、騒音の原因となっている作業が本当に必要かどうかまで遡って考えるなど、1つの問題を多角的に検証してベストな対策を考えるよう心掛けました。
当初は難易度が高く手を付けられなかった課題も徐々に対応できるようになり、目に見える形の問題点は少なくなってきたため、課題は生産効率をどう上げるかといった内容に移行していきました。生産効率向上のために圧縮空気や電気を動力源とする簡易的な自動機や、3Dプリンター製の部品で構成される組立補助具、人の手に頼らない部品自動供給機等を製作することで、時間・手間・コストの抑制に努めました。
工作ロボットも本体だけを購入して自分たちで動作プログラムを作り、コストを抑えると同時に用途が変わったときに転用できるノウハウの蓄積も目指しました。大企業ではないので限られた予算で解決していく面白さも感じています。

部署で初めての育休取得

 3年前に結婚して2人の子どもを授かりました。当時はまだ自分の所属する部署で育児休業を取った人はいませんでしたが、1人目の子どもの時に6か月、2人目の時は2か月の育児休業を取得しました。上司は育児休業など無かった世代ですが、今は支え合っていく時代だからと快く対応して頂けました。育休取得が決まってからの新規案件はグループ全体で分担して頂けたので、取り掛かり中の案件を終わらせることに集中でき、ほとんどの案件を育休までに終わらせることができました。
 育休中は電話がかかってくることも無く、仕事は完全にOFFで家事と育児に集中する毎日でした。妻は出産後の里帰りをしなかったため、退院するとすぐに2人での子育てが始まりました。家事は料理と洗濯、お風呂の掃除を、育児は授乳以外すべて2人で一緒にやりました。夜間の授乳は妻と一緒に起きてミルクの用意をしました。授乳のため一晩に何度も起き女性は本当に大変だと実感しました。掃除はずっと苦手なままですが、料理は結婚してから作るようになり育休が終わってからもよく作っています。今は2人の子どもを保育園に預けて、妻も時短勤務で仕事に復帰しています。

大切な時間を家族と過ごす

育休中は勿論でしたが、普段の休暇中も会社から電話がかかってくることはまずありません。営業をしていた時も会社の携帯は置いて帰ることになっていました。会社の電話の問い合わせ窓口も終業時間より30分早い17:00が受け付け終了となっていて、窓口担当が残業にならないよう配慮されていました。就業時間については会社も徹底していて、その辺りは会社の風土かと思います。休暇も取りづらい雰囲気はなく、保育園に入るときの慣らし保育のために2週間の有給休暇を申請したときも、仕事の引継ぎさえできていれば何も言われませんでした。就業時間も事情によって最大1時間半までずらすことが可能で、私は子どもが保育園に入るまでの1年間は7:30~16:30で勤務していました。このように各個人の事情に応じて非常に柔軟な休みの取り方、時間の使い方ができるのが、この会社の大きな魅力だと感じています。
このような会社は少ないのかも知れませんが、産まれてから数カ月間の赤ちゃんと向き合えるのはその時期だけです。女性も出産直後は心身ともに大変な時期なので、男性もぜひ休暇を取って妻と赤ちゃんと一緒に過ごして欲しいと思います。