イクメン・イクボスページ
HAGIホーム・プロデュース株式会社
松永 力也(まつなが りきや)さん(岐阜市)
今までやろうとしなかったことを
今こそやってみよう
世の中のお母さんたちが
どれほど強いか良く分かるから
岐阜・西濃地域を中心に戸建て住宅を手掛けるHAGIホーム・プロデュース株式会社の松永力也さんは、この会社で初めて育児休業を取得した先駆者です。建築業界では男性が育児休業を取る事自体が珍しいうえ、1回目は2か月、2回目は6か月という長期休暇を取得しました。今では奥様が家事も育児も任せて安心して外出できる程になりました。
私も会社も初めての育休
会社に育児休業制度があることを知っていたので、妻の妊娠が分かるとすぐに報告して育休を取りたいと伝えました。会社も初めてのことなので、ついに来たという感じでした。期間については妻と相談して2か月と決めましたが、私たちも初めてなので十分かどうか自信はありませんでした。とても理解のある会社なので、こちらの希望はそのまま受けて頂けました。
育休を取るために、早速仕事の調整を進めました。このとき私は会社が今までに建てた戸建て住宅の定期的なメンテナンスと、お客様の紹介による一般住宅のリフォームを中心に担当していました。メンテナンスは予め実施時期が決まっているので、育休の2か月間と予定時期が重なっている案件を調べて、それらを前倒しするか後ろへずらすかについて、お客様と相談させて頂きながら調整しました。同時に育休期間に新規の仕事が入ってこないよう、スケジュール管理にも気を付けました。
各自の業務の進捗状況を社内全体で情報共有する体制を取っているので、育休期間中の2か月間に予定されていた仕事と、それらが時期をずらしたのかそのままなのか全て見える化されています。育休2か月間が空欄になっていれば、同僚は私の仕事の心配をしないで安心して自分の仕事に集中できるという訳です。お客様にも私が育休を取る2か月間は対応できないことを伝えて了承を頂いておきました。
いよいよ1回目が始まる
妻が出産後の里帰りから戻ってきて、いよいよ2か月間の育児休業が始まりました。妻も私も子育て初心者なので手探りで試行錯誤の毎日です。授乳は母乳だけで足りたので夜間の世話は妻に任せて、代わりに昼間はゆっくり休んでもらいました。もちろん家事・育児ともに昼間は私が頑張りました。オムツを替えたりお風呂に入れたり、買い物に洗濯、レシピのアプリを見ながら新メニューにも挑戦しました。それまでは食器洗いくらいしかやっていませんでしたが、育休中に色々とやってみて初めて妻は凄いなと思いました。育休が終わり仕事に戻ってからもこの習慣が身に付いたのか、以前より多くの家事をやるようになりました。出来る家事が増えた事もありますが、自分もやらなきゃという自覚が芽生えた気がします。
経験を活かした2回目
1年ほどして2人目を授かりました。1回目の経験から、今度は6か月という長めの育休を希望しました。半年となると仕事も調整だけでは済まなくなり、同僚に代行してもらう案件も出てきましたが、現場の進捗確認程度の業務で済むよう負担にならない段取りをし、協力会社とお客様に育休に入る事を伝えて半年間の育休がスタートしました。
夜間の授乳は母乳だけにして朝方以降はミルクに切り替えることにしました。夜中は妻に任せて私は寝ていて、朝方からは私が赤ちゃんを引き受けて妻は寝る。今度は赤ちゃんだけではなく上の子もいるので、交代制にすることで二人とも寝不足になるのを防ごうと考えたのです。上の子は保育園に通っていたので、朝夕の送迎が仕事に加わりました。夕方のお迎えついでに買い物へ行ったり、保育園が休みの日は近くの公園に連れて行ったり、お母さんが赤ちゃんに集中できる時間を稼ぐことにも気をつけました。
育休に入る時終わっていない仕事があり、心配していましたが、会社のグループラインで進捗状況を知る事が出来たので、無事に終わったのを確認してからは、仕事を忘れて妻と2人で子育てに集中して過ごしました。上の子も赤ちゃんが気になるようで、家に居る時は赤ちゃんの周りに全員集合していました。子どもが可愛くて仕方なかったので、家族とずっと一緒にいる事が苦痛ではなく、6カ月間の育休はあっという間に終わりました。
みんなもやってみよう!
子どもは3人欲しいと妻が言うので、もしかしたら3回目を取る事になるかも知れませんし、次は同僚の育児休業を支える側になるかも知れません。会社は理解があるので、子どもの事だと言えば早退もしやすく大変助かりますが、会社によって、あるいは業種によって育児休業が取りにくい方もいらっしゃるでしょう。家事や育児は休暇を取らないと出来ない事ではありません。苦手意識からやっていなかった、やろうとしなかった人でも、やってみれば何とか出来るものですし、やればいかに大変か身をもって理解できます。そうすればお互いの理解も深まります。言い訳しないで先ずはやってみませんか?