中部学院大学短期大学部幼児教育学科で幼稚園・保育園等の保育者や社会福祉施設の職員などを目指す学生を受け持つ、Dalrymple規子さん。自らも2児の母でありながら、教鞭をとると同時に赤ちゃんと大人のコミュニケーションや乳幼児の行為の意味、赤ちゃんの心を守る人の養成についてなど研究を重ねています。
子どもたちとの出会いが
人生を決めた
大学時代の恩師からは、本当に多くのことを学びました。特に、東京の愛育養護学校での教職員や子どもたちとの出会いが、私にとっての礎になっています。また、福岡の幼稚園で子どもたちと関わり、「子どもに関係する仕事を、私は一生やっていこう」と心に決めました。
第2回FOUR WINDS乳幼児精神保健研修研究会(現在は学会)が長崎県で開催された際、イギリスのタビストック・クリニック※からジュリエット・ホプキンス氏が講師として来日しました。彼女の講演をきいて「行くしかない!」と、タビストック・クリニックの「精神分析的赤ちゃん観察コース」に留学し修了、今に至っています。
現在は保育学会、乳幼児精神保健学会(FOUR WINDS)、精神分析学会に所属し、定期的に現場に足を運び、乳幼児と保育者間の心の響き合いの中で乳幼児に育まれていく大切なものや子どもの行為の意味を探求し続けています。
※タビストック・クリニック...乳幼児から高齢者までの心のクリニックであり、専門家の養成機関でもある
子育ての苦労やよろこびを
学生に伝える
大学では乳児保育や、乳幼児が人間関係を育んでいく際に私たち大人が持っておくべき知識や態度、技術を伝える授業を行っています。実際に授業に乳幼児親子に足を運んでいただく時間を設け、学生たちに肌で親の苦労やよろこび、赤ちゃんの育ち方を感じてもらえるようにしています。
「赤ちゃんが育つ」こと自体のすばらしさ、子育ての楽しさや大変さを学生たちに直接伝えられることが、この仕事の魅力です。また地域の子育て支援グループの活動の支援や保育現場の保育者たちとの語り合いも、非常に重要な私のライフワークで刺激になっています。何より、これまで自分が興味のある分野について学ぶ時間や機会をいただけたことに感謝しています。
家族と周囲の支えで
ここまでやってこられた
現在は、パートナーと小学生・園児の息子2人の4人で生活しています。夫婦ともに親が遠方に住んでいるため、パートナーの協力なくしては何もできません。関市のシルバー人材センターの方々にも、ベビーシッターとして本当にお世話になっています。職場も子育てに対して、優しい眼差しで見守ってくださり助かっています。
夫婦互いの協力と地域の人の支え、そして職場の環境に支えられて、今日までやってこられたと思っています。「家庭あっての仕事」ですから、ワーク・ライフ・バランスを取れるよう心がけていきたいですね。
昔は観劇やコンサートが好きでしたが、現在の趣味はもっぱら読書。それも、自分の研究分野に関係しているものが主ですが......。1年に1回程度ですが、家族旅行もリフレッシュにつながっていますね。休日に家族ですごす時間を大切にしています。
現在も資格取得を
目指して勉強中
座右の銘というほどのものでもありませんが、「きっとなんとかなるさ」は困難にぶつかった時、自分に言い聞かせています。「どん底まで行ったら、あとは這い上がるだけ」も、いつも心にある言葉です。
取得を目指している資格があり、今はその勉強に取り組んでいます。例え時間がかかってもこの資格を取り、もっと乳幼児親子やその家族に貢献できればと思っています。
それからここ数年の間には、イギリスに住んでいる息子たちのおばあちゃんを訪問したいと考えています。もっと先の将来は...「のんびりとしたおばあちゃん」になっていられればうれしいですね。