岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

農業を通して自然と触れあい
若い頃には分からなかった
本来の幸せを感じられる
仕事だと気づきました


平岩いちご農園
平岩佳奈(ひらいわ かな)さん(加茂郡川辺町)

【2016年3月14日更新】

「山と水のまち」と称される川辺町で、家族総出でイチゴのハウス栽培に取り組み、ジャムの加工販売にも力を注ぐ平岩佳奈さん。自分が食べたいと思う素材を活かしたおいしいジャムを追求しています。また、「農業や加工を通して食の交流ができれば」と、マルシェなどにも精力的に出店して、試食販売を行っています。

将来を見つめ直したとき
湧いてきた気持ち

 結婚して数年後、主人が就農しました。私は独身の頃と変わらず、住宅メーカーの設計部で建築士として働いていました。出産を機に在宅で住宅設計をするようになりましたが、農園の仕事は忙しい時期に出荷の手伝いをするくらいでした。そんな私が設計士の仕事を辞めて、本格的にジャム加工を始めるきっかけになったのは、主人の実家に隣接する選果場の改修と加工場の建築計画でした。在宅でしている設計の仕事のこれからといちご農園の将来について、改めて考えてみたんです。「私も家族の一員として、主人、お義父さん、お義母さんが一生懸命に取り組むイチゴ栽培に関わっていきたい」。農家に嫁いでから少し時間はかかりましたが、自然とそんな気持ちが湧いてきました。

農業を通して自然を感じる
今だから分かる本来の幸せ

 食は生きていくうえで欠かせないもの。それに関わっていけることが私のやりがいです。農業を通して自然に触れるうち、若い頃には分からなかった本来の幸せを感じる仕事だと思うようになりました。加工したジャムを道の駅やマルシェなどで試食販売する日々の中では、お客様の反応や言葉が励みになったり、同業や他業種の方との出会いに楽しさを感じたりしています。今後は、ジャムを継続的に直接注文で買ってくださるお客様を増やしていきたいです。そのためには、さらなる商品力と味の追求が必要だと感じています。「おいしい」と喜んでもらえるイチゴ、ジャムを作り続けていくためには、まだまだ勉強不足です。

家族の支えや人とのつながり
その上に今があることに感謝

 家族の支えがあって、今がある。そのことに感謝し、「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」と言えるような日々の暮らしを心掛けています。また、自分と同じく、地元の農家に嫁いだ同年の女性と積極的に交流を持って、気持ちを分かち合うことも大切だと感じていますね。お互いに理解でき、相談もしやすい仲間と話すと気持ちが切り替わり、救われることも多くありますから。自然環境が変わりつつある今、毎年、無事に収穫できることにホッとするのが現状です。先輩女性の農業従事者や加工販売をしている方たちのパワーはすごいと思います。そんな人たちとともに、農業に関わる女性の価値を高めていきたいです。