岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

地域住民と子どもたちが
笑顔でいられる場をつくりたい
人と人とが交わる場所が、
またひとつ素敵な縁を
紡いでいくと思う


駄菓子屋カフェCHABU店主
東山崎鮎美(とうやまざき あゆみ)さん(関市)

【2016年3月14日更新】

子どもたちの楽しそうな声が響く、駄菓子屋カフェCHABU。奥のカフェスペースでは地域住民が挨拶を交わしながら心穏やかな時間を過ごしています。そんな駄菓子屋カフェCHABUを営むのは、2児の母である東山崎鮎美さん。地域住民との交流の中でさまざまな学びを重ねながら、子どもたちがすくすくと成長していく様子を優しい眼差しで見つめています。

子どもたちにとって
初めての買い物体験ができる場所

 我が家は主人と私、小学2年生の女の子と年長の男の子のとてもにぎやかな4人家族です。私たちが子どもの頃と今では、子どもを取り巻く環境はだいぶ変わってきました。例えば、昔はその地域ではおなじみの駄菓子屋さんが必ずといっていいほどあって、子どもたちはそこに集い、駄菓子屋のおばちゃんや近所の人と話をしてコミュニケーションの勉強をしていたんだと思います。そういう駄菓子屋さんで、ごく自然に"初めての買い物体験"もできていたんじゃないでしょうか。
 子どもが産まれて、子どもたちが自分だけで安心して"買い物体験"ができる場所があったらいいなという思いが、駄菓子屋カフェCHABUをオープンするきっかけでした。娘が小学校にあがるときに近所のスーパーマーケットが閉店したこともあり、駄菓子屋の開店を決意しました。

駄菓子屋+カフェが
地域住民の交流のきっかけに

 ただの駄菓子屋ではなくてカフェを併設する形態にしたのは、ここを子どもも参加できる「地域交流の場」にしたいと思ったから。ママ同士、お客さん同士がのんびりとお茶をしながら情報交換ができる空間にしたいという思いがありました。ですので、おいしいコーヒーが飲めるカフェと、子どもたちが買い物を楽しめる駄菓子屋を一緒にすることにしたんです。
 ただ、駄菓子は単価が低いこともあり、とてもじゃないですが食べていけるような儲けにはなりません。それは、会社員の主人のおかげでなんとかなっています。主人には、とても感謝しています。

子どもの成長を間近で感じながら、
自分がいつも笑顔でいられる"居場所"

 この仕事をはじめてから、「自分がいつも笑顔でいられているなぁ」という実感があります。自分がしたかった空間づくりができて、そこに集まる地域の子どもたちの成長を間近で感じられること、そして、地域住民同士が交流しているところを見ると、とても穏やかな気持ちになります。私自身、人とコミュニケーションを取ることが好きですし、子どもたちにもそういう体験をしてほしいと思っています。実はわざと値札を付けずに置いてあるお菓子もあるんです。子どもたちが「これ、いくらですか?」と値段を聞いてくれることによって、またひとつコミュニケーションが生まれますよね。そういった心温まる買い物体験をしてほしいですし、私も子どもたちと会話ができることが楽しみでもあるんです。
 また、休日はおなじみのお店でコーヒーを飲んだり、友人とモーニングを食べにカフェ巡りをしたりしています。仕事が休みの日も人と会い、コミュニケーションを深めているんです。公私混同が仕事と家庭を両立するカギでもありますね。

多くの人が集う場所づくりが夢
人と人の幸せをつなぐ、交流の場を

 いつか、大家族のように大人数で食卓を囲めるような、アットホームな食堂をつくりたいと考えています。人が集う空間が好きですし、そこから学ぶこと、そこから生まれる縁もたくさんあると思っています。
 将来的には、多くの人にひらけたシェアハウスをつくることが夢です。今、子どもたちだけで食事をする家庭や、出稼ぎに来ている人、学校に通う一人暮らしの学生、独り住まいのおじいさん、おばあさんなど、孤独や寂しさを感じている人は多いと思います。そんな人が、人とふれあいながら笑顔で暮らしていける、そんな場づくりをしていきたいです。