岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

子どもが本当の意味で
大人になったとき、
「お母さんの子どもで幸せだった」
と言われたい
今は忙しくて我慢させることも
あるけれど、
全部含めてそう思ってくれたら
うれしい
それには、自己研鑽するしかない!


ティアレ法律事務所弁護士
池田紀子(いけだ のりこ)さん(岐阜市)

【2016年3月28日更新】

平成18年に愛知県弁護士会に登録。その後岐阜県弁護士会所属となり、岐阜市で独立した池田紀子さん。ご主人と共に立ち上げたティアレ法律事務所で、数多くの事件やトラブルを解決しています。私生活では2児を育てる母であり、公私両立しながら活躍しています。

全力で司法試験に向かった期間が
今の自分を支えている

 大学の法学部を卒業後、大手住宅メーカー勤務のOLになりましたが、「専門的な仕事がしたい」と考えるようになりました。どんな形でもずっと働き続けたいと考えていたので、性格上、当時の仕事は続けられないだろうと感じました。学生時代、体育会の馬術部活動に専念してしまい、学業がおろそかになったことに後悔もあったので、一念発起しました。会社を辞めて親の助けを得ながら、司法試験に挑戦。旧司法試験時代で勉強はとても大変でしたが、何度か不合格を経験した末に合格。当時は先が見えない日々でしたが、今となっては勇気を持って全力で夢に向かっていた貴重な時期で、現在まで自分を支えてくれていると感じます。自分の子どもにもそんな時が訪れるといいなと思える、夢のような時間でした。

トラブルに介入する仕事だから、
依頼者からの「ありがとう」は格別

 名古屋市で5年ほど働いてから、夫が岐阜市で独立するタイミングで私も独立しました。現在の業務内容は離婚や相続、交通事故のほか、破産事件や破産手続開始の申立てなど幅広いものです。管財事件も多いですね。刑事事件は国選弁護、私選弁護共に依頼を受けています。事務所では最近、交通事故の依頼が増えています。私は幅広い業務を手がけるよりも、1つの専門的な知識と経験を活かして働く方が向いているので、専門職であるこの仕事に満足しています。仕事の醍醐味を感じるのは、依頼者の方から、最後に「ありがとう」といっていただける瞬間。ありふれているようですが、私たちの仕事はもともと解決できていないトラブルに介入するので、100%満足してもらうということはありません。数ある中から弁護士として選んでいただき、頑張った結果「ありがとう」と言われると、うれしいというよりホッとします。一方で、困難なこともたくさんあります。裁判でも話し合いでも、トラブルの渦中ですので感情的な方もいるし、厳しいことも言われます。心が傷ついてしまうので、強くないといけませんね。

公私両立のコツは欲張らないこと
仕事と育児ができる現状に感謝

 プライベートでは、同じく弁護士の夫と、4月から年中と3年生になる息子達がいます。日々育児の現実とも向き合っている今は、公私両立のため欲張らないことにしています。子育て中は、自分が責任を持ってできる仕事範囲が広くありません。一度仕事を引き受けたら、「今は行けません」とは言えませんから。現在のスタイルは、朝9時前から夕方5時頃まで働いて、小学校の学童と保育所に子どもを迎えに行くというもの。家に持ち帰って仕事をすることもあります。ご本人の仕事後に我々を訪れてくださる依頼主が多いので、本来は夕方からの業務も多いのですが、制限が多い中、幸い子育てとの両立ができています。独立していて、仕事の時間や内容をある程度自分で決められることにも助けられています。例えば子どもの授業参観の1時間だけ、サッと出かけて戻ることもできます。もしも仕事に無理があってお母さんがイライラしていたら、子どもにしわよせがいってしまいます。だから私は、今できる仕事の種類や範囲を見極めなければ。欲張らず、子育てと仕事を両立させられる現状に感謝しています。

今は子どもとの時間で気分転換
いずれは自分の幅も広げていきたい

 今、趣味や自分の時間はゼロで、友達と会うのも数年に1回。ただ子ども達と遊びにいくのが息抜きで、その時間は仕事のことを忘れています。けじめがつくのか、辛いことを引きずることもなく、知らないうちに気分転換できています。これがあるから、傷ついても仕事が続けられるのかもしれません。ただ、以前は馬術やテニスをしていた体育会系なので、いずれは子どもと一緒に習い事をするのが夢です。また、事務所は他にも子どもがいる方がいて、忘年会も昼間に開催していますが、いつかは夜の集まりもできればいいですね。そのほかに近い将来の目標は、仕事以外の場面でも自分の真の意志や意見を言えるようになること。今までは、「ここで事を荒立てなくても」「お説教になってしまうから」などと思い、言葉を飲み込んでいました。でも40歳を過ぎたので、「それは違うんじゃない?」とはっきり言えるようになりたいですね。