岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

育児中の女性は
「リスク」ではなく「人財」
女性ならではの目線で
仕事を効率的に進められます


株式会社ママプロ代表取締役、社会保険労務士
木村麻理(きむら まり)さん(山県市)

【2016年3月28日更新】

社会保険労務士としてだけでなく、株式会社ママプロ代表取締役や仕事と家庭の両立支援アドバイザーも務める木村麻理さん。全てのきっかけは、育児中の女性の悩みを共有する親子サロンの運営でした。女性が子育てを通して培った「段取り力」や「時間の使い方」を、仕事に活かしたいと奮闘しています。

育児中の女性を支援したい
親子交流サロンからのスタート

 長女が2歳の時に親子交流サロン「かばさんファミリーの会」を設立。仕事への復帰を希望する子育て中の女性同士で悩みを共有できる場所をつくりたいという思いがきっかけでした。「出産後に仕事現場に戻りたい。でもどうすればいいのかがわからない」。そんな女性が私の周りにはたくさんいたのです。
 設立当初はボランティアでしたが、運営規模が大きくなるにつれて家庭との両立が困難に。支援される側から支援する側になり、さまざまな苦労がありました。運営継続について市に相談する中で子育て支援拠点事業として委託を受け、地域子育て支援拠点「おやこYYひろば」がスタートしました。その後覚悟をもってNPO法人化し、メンバー8人の力を合わせて困難を乗り越えてきました。

就労支援に特化した「ママプロ」
ママのスキルを業務に活かして

 「おやこYYひろば」の運営を通して、育児中の女性が短時間でも外で働くとイキイキしているのを感じました。「子育て中の女性がお荷物ではなく立派な戦力であることを知ってほしい」と、就労に特化した会社の設立を決意。それが平成25年に立ち上げた「株式会社ママプロ」で、経済産業省における「地域需要創造型等起業・創業促進事業に係る助成金」に採択され、スタートしました。
 ママプロでは、子育て中の女性が短時間でできる仕事を紹介。主な業務内容は、給与計算やデータ入力、伝票・名刺整理などのいわゆる「事務のなんでも屋さん」で、1日に数時間の勤務や家に仕事を持ち帰る在宅勤務も可能です。
 短時間しか働けないからと言って、子育て中の女性が仕事の手を抜くわけではありません。短時間だからこそ、要領よく仕事を進めていくのです。何よりも家計をやりくりする目線で物事を捉え、女性ならではの気配りが業務に役立っています。今後も子育て中の女性が企業にとっての「リスク」ではなく「人財」であることを紹介し、啓蒙していきたいですね。

多忙な日々の中で見出したコツ
時間の有効活用を常に意識

 株式会社ママプロでは「Kaba'sFam」というネットショップも運営。アパレル産業が伝統である岐阜で活動するハンドメイド作家さんの作品を取り扱っています。商品は、キッズ服や雑貨などさまざま。オーガニックコットンやウールなど、環境に優しい天然素材を使ったものも販売しています。
 ママプロ代表取締役の他、社会保険労務士や岐阜県の「仕事と家庭の両立支援アドバイザー」も務めています。寝ているとき以外は常に仕事のことを考えています。公私両立のコツは時間の有効活用を常に心がけること。小さな子どもを持つお母さんに勧めているのが、「おむつスタンプ」です。保育園に子どもを預けるとき、名前を書いたオムツを持参しなくてはいけません。オムツスタンプがあれば、一つひとつに名前を書く手間が省けますよ。
 また、料理をつくるときは、圧力鍋などを使って調理時間を短縮。仕事で疲れて洗い物が億劫なときは、魚グリルにみかんの皮を入れています。皮がにおいを吸い取ってくれるので、洗い物が楽になります。
 息抜きは、温泉や岩盤浴に行くこと。睡眠をしっかりとって、疲れをとるようにしています。趣味はカラオケですが、最近行くことができていないのが残念。娘を誘って行きたいですね。

信頼があってこそ人間関係
私を支える2つの言葉

 座右の銘は、「目配り、気配り、心配り」。これはメーカーに勤めていた頃の上司の言葉です。人間関係の質が仕事の質につながります。仕事を通して出会ったいろいろな人と信頼を築き、なにかあったら助けてもらえるような関係になれるよう心がけています。
 かつての直属上司であった営業所長の言葉「通常時は作業、何かが起こってからが仕事」も頭の片隅に常に置いています。ハプニングが起きたときに判断し対処するスキルこそ重要な仕事で、ピンチになるといつも思い出して、自分を奮い立たせています。