「むすぶ工房」(株式会社星美製作所 郡上支店/郡上市大和町)で夫と共にデザイナーとして働く川尻訓子さん。長女出産後にデザイナーとして仕事を再開し、現在はアパレル製品へのインクジェット印刷・シルクスクリーン印刷などの企画・デザインを主に、営業やオペレーションなどを幅広く手がけています。
仕事をしていることに
「自分らしさ」を感じて
岐阜市内のアパレル企業でパタンナーとして働いた後、地元の郡上に戻ってきました。シルクスクリーン印刷を手がける会社で、企画・営業を担当。結婚を機に退職し、長女を出産しました。
業界から一時期離れていましたが、やはり仕事をしていたかったのと「自分が企画したものやデザインしたものを商品として世に出したい」という思いが強く、仕事を再開する決意をしました。現在の会社の社長に「一緒に仕事をさせてもらいたいんです!」と相談したことが、全ての始まりでした。子育てをしながらの勤務に理解をいただき、仕事を再開できました。
子どもがまだ小さかったころは、おんぶをしてあやしながら仕事をしたこともありました。育児と仕事の両立はとても大変ですが、仕事を通して自分らしさを感じられますし、大好きなものづくりを生業にできていることに喜びを感じています。
キャリアを活かして
企画・デザインを手がける
主な業務は、Tシャツや生地などアパレル製品へのプリントです。これまで蓄積してきた知識や経験を活かして、インクジェットやシルクスクリーンなどの印刷技術を利用したデザインや企画、さらに営業やオペレーションまで手がけています。
郡上のシルクスクリーン会社で企画・営業として勤めた時期は、多くの人とのかけがえのない出会いがあり、そこでしか得ることのできなかった貴重な経験もたくさんできました。国内外に出向き、視野を広げることができた大切な時間だったと思います。
現在は「むすぶ工房」のデザイナーとして、自分の企画や意見を取り入れてもらいながら、ものづくりに携われることに幸せを感じています。東京などで開催される展示会にもブースを出展。ウェブサイトでは、ハンドメード子供服や手作りキットを販売しています。手作りキットは、「手作りをもっと気軽に楽しんでもらいたい」「愛情の込もった手作りの物を子どもに届けたい」という思いから生まれました。型紙が不要なので、裁縫初心者の方にも楽しんでいただけます。
できることからひとつずつ
完璧を求めず自分のペースで
我が家は主人と私、5歳の長女と3歳の息子、義母の5人暮らしです。育児と仕事の両立のコツをよく聞かれますが、コツはないですね(笑)。私自身、毎日に追われるようにやりこなしている状態です。仕事中は2人の子どもを保育園に預け、主人も家事や育児を積極的にしてくれるので、とても助かっています。
あれもこれも完璧にするのは難しい。「できることからひとつずつ」のスタンスが大事だと感じています。欲張って、あれこれ手を出しては中途半端に終わってしまうことが多いので、できることをコツコツとしていき、自分の糧にできたらいいと思っています。趣味は音楽・映画鑑賞。仕事が絡むことも多いですが、各地に出かけて子どもと公園で遊んだり、観光したりするのも楽しみです。
ものづくりに携わり
さらなるステップアップを!
自分が企画・デザインに携わった商品を、「もっと多くの人に知ってもらいたい」「たくさんの人に愛用してもらいたい」というのが願いです。今後はいろいろなところに出向いて、ワークショップをしたり販売したりと活動を広げていきたいです。そのためにもっと知識を身につけ、技術を磨きながら「コツコツと、できることからひとつずつ」の気持ちでがんばっていきたいと思っています。
古民家に事務所を構えており、過去には子供会の行事で使用。約20人の親子で手描きTシャツづくりをしたこともあります。将来は託児コーナーを設置して、子育て中のママでも働ける職場を目指していきたいです。