勤務先からの帰郷を機に地元の魅力に目覚めた竹内蘭さん。インターネット放送「ヨロスト」での情報発信など、地元の活性化に注力しています。活動の根底にあるのは「養老が好き!」という熱い思い。町内で盛り上がるだけではなく、まちに縁のある世界中の人に向けて情報を発信し続けています。
町おこし団体を設立
戻ってきてわかる故郷の良さ
養老町の若返りと活性化を目指す団体「町おこしNPO法人ヨロスト」を主宰しています。主な活動は、地域の情報を発信するインターネット番組「ヨロスト」の放送や養老町の名産品「瓢箪」の活性化事業など。かつては出会いの場を創出し、地域の魅力を発信する婚活事業「ヨロ婚」も手がけていました。
「ヨロスト」とは、「養老町」と「Ustream」(動画共有サービス)を組み合わせた造語。名前のとおり地域に密着した内容を毎週金曜日に放送しています。ヨロスト設立のきっかけは2012年。もともとは、岐阜市の広告代理店が運営する番組にMCとして出演したことがきっかけでした。出演を続けるうちに「養老町のための番組をつくろう」と決意。責任者から「Ustream」の配信方法や番組運営のノウハウを学び、有志を集めてヨロストを発足しました。
昨春には養老駅構内の空きスペースに常設スタジオを開設。毎月第2金曜日放送の「HighSchoolYeah!!」では、大垣養老高校の生徒を中心に番組企画から制作まですべて高校生が担当しています。
これまでの放送回数は173回、合計視聴数は2万7607人(2015年2月末現在)。メンバーが機材を持ち寄っているため手作り感があるのが特徴で、視聴者のみなさんに楽しんでいただきたいと、ニュースやクイズ、ゲストコーナーなど設けています。
地域や高校生を巻き込んだ
インターネット放送
大阪で10年間輸入業に関わった後、養老町に帰郷。子どもの頃はわかりませんでしたが、年齢を重ねたからこそ地元の良さに気づきました。このまま知らないのはもったいないと感じたことが、活動を始めたきっかけです。
インターネット番組を開始した翌年に法人化。組織として活動するようになって、自身の成長を感じます。また高校生が番組に参加することによって、次世代が育ってくれていると実感。番組を見てくれている人から声をかけていただくこともうれしいですね。
地域の名産「瓢箪」の
新たな魅力を発信!
ヨロストではインターネット放送のほか、地元の名産品「瓢箪」の魅力を広める活動もしています。2014年には「瓢箪」を素材としたランタンやアクセサリーなどを手がける「養老瓢箪工房エイト8」をオープン。工房の近くでは私自身で瓢箪を栽培しています。かつては水筒、酒器、調味料入れなどの容器に加工・利用されていた瓢箪の新たな活用方法を広めています。瓢箪を使った創作が私の趣味でもあり、瓢箪ランプづくり体験も行っています。
養老の古代史(1900年前)を学ぶことも好きで、まちづくりに携わる自分のためになると感じています。冬季はスキーを楽しみ、温泉に入ってお酒を飲むのがわたしにとっての癒しのひとときです。
大切なのは情報発信
養老が好き!と言い続けたい
大学中退や離婚などさまざまなことを経験して思ったのは、「何が起きても自分で選んだこと。自分の人生を楽しもう!」ということ。「人間なるようになる。何ともならないことはない」と思って日々過ごしています。
今後の目標は、地元の人が自信を持って「養老はいいところ!」と言えるようなまちづくりをしていくこと。だからこそ情報発信は大事だと思いますし、まずなにより私自身が「養老が好き」と言い続けることが必要です。子どもの頃や学生の頃は自分もそういった意識はありませんでしたが、いま改めてここ、養老町が好きだと言えます。
農家や地域を笑顔にする「アイデア」を募集するコンテスト「全国高校生みんなDE笑顔プロジェクト」の全国大会で、インターネット放送に出演している大垣養老高校の生徒が優勝に輝きました。「食用瓢箪の栽培」や「瓢箪イルミネーション」などの地域活性化プロジェクトが評価されたもので、とても嬉しく思っています。地域活性化活動は自分の自己満足で終わらず、後世へとつなげていくことが大切。完全に任せられるようになったら、あとは若手へと引き継いでいきたいですね。