岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

お風呂に入っているときに
思うんです
「今日も笑えたな」って
周りの人も笑顔にできる
仕事をしたい


微笑亭店主
田辺ユミ(たなべ ゆみ)さん(大垣市)

【2016年4月25日更新】

薬膳料理を食べながら学べるカフェ「微笑亭」の店主・田辺ユミさん。毎日を笑顔で過ごす田辺さんの元気の源は、人生を変えるきっかけを生んだ「薬膳料理」にありました。

家族の病気をきっかけに
薬膳の道を志した

 父親が病気を患い、10年ほど闘病生活を送っていたんです。「元気でいなければ何もできないし、自分の身体ももっと大切にしなければ」と感じ、薬膳の勉強会へ参加。そこで出会った人たちの影響で、どんどん薬膳の魅力にはまっていきました。
 その後父は他界しましたが、「もっと病気や身体についての知識があれば、何かしてあげられたのではないか」という思いのもと、薬膳の道に進むことを決意。事務として働きながら、通信制の学校で学ぶ日々を送りました。そして5年前に無事薬膳の資格を取得し、昨年の10月に薬膳料理を提供する自分の店をオープンしたのです。
 店は知り合いの老夫婦の自宅を店舗として借り受け、カフェに改修しました。夫婦の思い出が詰まっているため、その家を守っている感覚。介護施設に入居された奥さんがいつでも帰ってこられるようにしたいと考えています。
 お客さんには心や身体の不調を話しながら、寛いでもらっています。3~4時間くらいかけて、ゆったりと滞在してくださる方が多いです。友人の家に遊びに来た感覚で足を運んでもらっています。

薬膳との出合いから
新たな自分に気づかされた

 「もっと多くの人に薬膳を知ってもらいたい」という思いのもと、情報発信を積極的に実施。薬膳料理を教える講師としては、前半は体質改善や病気の予防をテーマにして講演をし、後半は実際に料理に挑戦。知識を身につけるだけでなく、実際に味わってもらうことで薬膳のおいしさを知ってもらう機会にしています。
 もともと人前に出るのは苦手だった私。しかし、薬膳のこととなるとたくさん人に話してしまいます。薬膳との出合いがきっかけで、違う自分がいることに気づくことができました。

一人ひとりに合った
薬膳をつくる難しさ

 店の経営を通して、日々たくさんの方と出会います。人の心や身体の状態は千差万別。その人の身体の状態も毎日同じではなく、天気や温度などちょっとしたことで変わっていく繊細なものです。親しい人は好みや性格を知っているので、どうしても考えが固定されてしまい、判断を誤ることがあります。そのため「その人に本当に合っているものはどれか」と、集中して考えることをとても大切にしています。
 こうした難しさもありますが、とても好きな仕事をしているので、「悩んだり立ち止まっているよりもまず、自分のペースでどんどんやってみよう」という気持ちで毎日を過ごしています。たとえば「味付け失敗したかな」と後悔したときも、すぐに「次に活かそう」と前向きに考える。そうするとストレスなんか抱えている暇がなくなるんです。
 それでも「ちょっと疲れたな」と思ったときは、店のスタッフが淹れてくれた愛情たっぷりのコーヒーを飲んでホッと一息つく時間を設けています。コーヒーには少しこだわっていて、友だちのカフェで自家焙煎している豆を購入。生産者など、流通経路がしっかりしている豆だけを使うようにしています。

みんなが幸せになれるよう
止まっている暇なんてない

 夜、お風呂に入る時思うんです。「今日も一日笑って過ごせたな」って。店の名前にもした「微笑亭」の通り、一緒に働くスタッフやお客さまなど、店に関わる全ての人が薬膳を通して微笑んで過ごせる場を整えていきたい。そのためには身体が大切!何事をするのにも身体が資本ですから、もうちょっと体も動かして丈夫な体づくりをしたいですね。