地域密着型子育てボランティア「キッズクラブひまわり」の代表である都竹郁子さん。地域での子育てを大切に考えています。住み慣れた地域の資源を活用し、子どもたちが仲間意識を持ちながら互いに支え合う力を養い、成長できる場を作っています。
地域ぐるみで成長を見守り
子どもに驚きや感動の体験を
平成26年6月から、宮地地区で「キッズクラブひまわり」という地域密着型子育てボランティアを行っています。子どもたちが活発に遊び、地域住民と交流しながら生きる力を高めて成長できる場作りを目指しています。また、仲間と思いきり体や頭を使って遊ぶことで、驚きや感動を体験できる取り組みもしています。
活動を始めたきっかけは、地域の子どもが少なくなり、外遊びする子が減ったと聞いたこと。また、近隣の方から「どこの子か分からない」など、子どもと交流する機会が少ないという声も聞かれました。
私は以前から地域の子どもたちを大切にしたい、子どもたちの成長に関わりたいと考えていました。地域の子育てに関わることができればと考えましたが、自分1人ではできません。そこで地域の女性部で一緒に役員をした友人に話すと「ぜひやってみたい」と言ってくれ、手探りの中、3人で始めました。
初めに小学生のお子さんがいる家庭を回り、「みんなで集まって遊ぼう」と声をかけると、地域に住む小学生のほぼ全員が来てくれました。今では毎月第2土曜日の「公民館遊び」と呼ばれ、定着しています。
遊びのルールは子どもが決める
その元気さと笑顔が原動力
企画内容はスタッフによるものですが、遊びのルールや方法は子どもたちも一緒に考えています。スポーツや工作をしたり、時には地域の人を招いてカフェを開いたり。子どもがパンケーキを焼き、コーヒーを淹れておもてなしすることもあります。みんなが毎回、目を輝かせて全力で遊んでいますよ。
活動のやりがいは、子どもたちの元気さと笑顔が見られること。また、仲間と一緒に作り上げていくことの連帯感や新しいことに挑戦する意義、学ぶことを知る喜びもあります。
難しいと感じることは、地域活動の進め方や連携の方法です。もっとボランティア活動を広く大きく、内容も濃くしたいと思っていますが、やり方を学べるところが少ないと感じています。今後は、ほかの子育てボランティアの方々とも連携していきたいです。横のつながりも強め、地域全体で子どもを育てていきたいと思っています。
活動内容の幅を広げ、
様々な体験で心に種をまく
最近は小学生だけでなく、地域の幼児や若い親御さんも参加してくださるようになり、ボランティアの人数も増えました。また社会福祉協議会で運営方法などを教えてもらい、昨年は支援を受けて活動することができました。年間予定を立てたことで内容にも幅ができ、充実した活動ができたと思います。
例えば、座禅体験で安国寺に行ったり、現役の理科の先生に星についてお話しいただいたり、大工さんと一緒に竹馬を作ったり。お菓子の先生にブタまん作りを教わったこともありました。色々なことに挑戦した子どもたちは、様々な分野のエキスパートと会うことで、その体験を心に刻んでくれると思います。たとえ今は気付かなくても、その種を植えることができればと思っています。
楽しかった思い出が支えとなり、
地元愛につながれば何より
家族は夫と長女夫婦、次女夫婦の計6人と、犬が2匹。とても協力的なので活動は自由にやらせてもらっています。公私両立のコツは、明るい気持ちですね。私は日々の中でなるべく色々な人と話をして、考えが偏らないように心がけています。
活動を始めてから多くの人と話すことで価値観が広がり、日々の生活の困難も乗り越えられると感じるようになりました。たくさんの人と関わるので、様々な情報や知識、考え方を手に入れることができます。月1回の活動は、時間が足りないと感じることもありますが、楽しくて大切なものになっています。
近い将来実現させたいことは、街なかの商業地区でのスタンプラリーや、都市で暮らす子どもと自然豊かな地で暮らす子どもとの交流会ですね。今の活動が子どもたちにとって、大人になってからも楽しかった思い出と感じてほしいです。またその思い出が、将来地域を離れても、地元に帰ってきてくれるきっかけの一つになればと思っています。