「笑うこと」と「ありがとう」と言うことが何よりの幸せへの近道なのだ――。出店者から贈られたこのフレーズが最近のお気に入りという玉谷八重子さん。子育て真っ最中のママたちで結成された「蛭川ママさん朝市会」の発起人です。年に3回のペースで「てづくりひるかわ朝市」を開催。地域を盛り上げたいという思いで幅広い層が集って楽しめる場をつくり、イベントの企画・運営に取り組んでいます。
地元で楽しいことをしたい!
そんな思いが出発点に
地元で何か楽しいことができたら......。そんな風に思うようになったのは、地域の女性たちと中津川市の職員との懇親会に参加したのがきっかけでした。改めて、自分が暮らす地域との関わりについて考えてみたんです。「こんなことをしてみたら楽しいんじゃないかな」というアイデアを形にしてみたくなり、まずは同級生の子どもがいるママ友に相談しました。蛭川でさまざまな活動をしている先輩を紹介してもらい、第1回のイベントを開催することができました。
早いものでそこから2年。地域の活性化と世代間交流を目的に、これまで6回のイベントを終えました。多くの方とのご縁もいただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。
子育て真っ最中のママたちと
近所で交流できるイベントを
第1回の開催の前には「まずはスタッフ集めから」という先輩からのアドバイスを受けて、サトイモ団子をつくるイベントを開催。その中で「実はこんなことをしたいと思っている」という話をしながら、一緒に活動を続けてくれる人を探しました。その時に名乗りをあげてくれたメンバーで結成されたのが「蛭川ママさん朝市会」です。
メンバーは計画からすべて参加している6~7人のほか、イベント当日に協力してくれる仲間が4人ほどいます。基本のメンバーは結成当初から同じですが、イベント当日の手伝いをしてくれるスタッフの中には、新たに声をかけた人も。みんな子育て世代のママです。
出店者からも来場者からも
喜んでもらえる手作りの朝市
私たちが主催するのは"手作り"をキーワードに、野菜、飲食、雑貨などを出店する「てづくりひるかわ朝市」です。はじめは、近所の生産者や地元のクラフト作家に声をかけ、対面販売をしてもらいました。「若い人が喜んで買ってくれて、とてもうれしかった」「野菜のプロから調理法を教えてもらえた」と出店者からも、イベントに足を運んでくれた人からも喜んでもらえました。「てづくりひるかわ朝市」は年に3回開催していますが、今では蛭川の外からもたくさんの人が来てくれるようになりました。世代を超えた形のイベント運営というのはなかなか難しいですが、子どもたちもスタッフやお客さんとして参加して楽しんでいます。
「蛭川ママさん朝市会」は運営を中心にしていますが、資金がないからと言って出店の参加費用を上げたくはないので、自分たちも出店して運営の資金を集めているんですよ。
まずは自分たちが
楽しまなければ意味がない
現在の目標はイベントを定着させること。仕事、家事、イベントと慌ただしい日々ですが、家族の協力があるからがんばれます。今はまだいっぱいいっぱいだけれど、もう少し余裕ができれば文化と産業の振興をテーマにした「ひるかわMAIKA祭」や花を目当てに多くの人が集う「ひとつばたご祭」のように、もっと幅広い世代でにぎわうイベントにして地元のおじいちゃんおばあちゃんたちが孫に何かを教えるなど、いろいろな世代が交流し、活気づいてくれたらいいですね。
イベントはまず自分たちが楽しまなければ意味がないので、「スタッフもお客さんになって絶対に会場を回ろう!」と、みんなで決めています。子どもから手が離れて、もっと自分の時間がたくさんできるようになったら、私自身もものづくりを楽しみたいと思っています。