岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

いまの生き方が
未来の私を形作る
興味と好奇心を絶やさず
日々の仕事に
全力投球することをモットーに


フリーアナウンサー 武山アナウンスオフィス主宰
武山幸子(たけやま さちこ)さん(瑞穂市)

【2017年3月10日更新】

コミュニティーラジオのパーソナリティーや、講演会のインタビュアーなどさまざまな場で活躍を見せる武山幸子さんは、この道40数年のベテランアナウンサー。「ご依頼いただいた仕事に全力で応えること」をモットーに、素敵な笑顔で私たちの日々に彩りを与えてくれます。武山さんの輝ける秘訣は、飽くなき興味と好奇心。「挑戦したいことは、まだまだたくさん!」と、話します。

強い願いで叶えた
アナウンサーへの夢

 アナウンサーの仕事に興味を持ち始めたのは、中学2年生のとき。国語の授業で朗読をして、先生に褒められたことがきっかけでした。高校卒業後、愛知県立女子大学(現愛知県立大学)へ入学。アナウンサーを目指して、放送研究会に所属しました。
 かねてからの夢を叶えるため、東海ラジオ放送株式会社の採用試験に応募。当時は、高度経済成長期の波に乗っていた時代で、運良くアナウンサーの採用人数が増加したのです。筆記・音声試験などを経て、最終面談へ。アナウンサーになることが決まったと心を踊らせていましたが、私を待っていたのは、「武山さんは制作部に配属です」の言葉でした。「アナウンサーを夢見てここまで頑張ってきたのに」と頭が真っ白になり、思わず涙がポロリ。最終面談の場で取り乱してしまい、「不採用に違いない」と肩を落として帰路につきました。
 がっかりしていた私の元に届いたのは、アナウンサーとしての採用通知。面談の場で不覚にも涙を流してしまった私ですが、どんなことでも強く願えば夢は叶うものと学びました。
 入社してまもなく、石原裕次郎さんにインタビューする機会に恵まれました。新米アナウンサーの私は、大スターを前に大緊張。上手に話せなかった私に、優しく笑顔で話しかけてくださったのを今でも鮮明に覚えています。
 これまで仕事を通して、さまざまな出会いがありました。いろいろな生き方や考え方などを学ぶ機会に恵まれている私は、本当に幸せです。

出産を機にフリーへ
家族の支えに感謝

 東海ラジオは、出産を機に退社。仕事を続けたかったのですが、ローテーションを組んでの当時の仕事は勤務時間が不規則。朝5時の始発で瑞穂市から名古屋市へ向かうことも多々あり、勤務を続けるのが困難な状況で退社せざるを得ませんでした。
 退社後はフリーアナウンサーとして、東海テレビやNHK、岐阜放送、名古屋テレビなどの仕事をさせていただきました。数あるお仕事の中で、心に残っているのが岐阜新聞・レディースプラザ「せぴあ倶楽部」の司会です。俳優や歌手、作家の方々を招いて対談や講演会、ミニコンサートを開くもので、インタビュアーを20年務めました。著名な方を前にしてお話をするので、最初の頃はドキドキしていましたが、いろいろな方にお目にかかれるのがとてもうれしく、また大きな刺激をいただき大変勉強になりました。インタビューをする前は、ゲストの方のリサーチを入念に。俳優の方であれば、昔の作品もチェックします。歌舞伎俳優の方をゲストにお招きするときは、大阪まで舞台を見に足を運びました。必ずしもトークショーでその話題が上るとは限りませんが、興味と好奇心を持って、常にリサーチするようにしています。
 子育てと仕事の両立ができたのは、家族のサポートがあったからに他なりません。義父母も朝から晩まで多忙でしたが、嫌な顔ひとつせず、私を仕事に送り出してくれました。手伝いのために休日に義父母の店を訪れると、「せっかくのお休みなんだからゆっくり休みなさい。体だけは大事にね」と細やかな気遣いをしてくださいました。

物事に遅すぎることはない!
常に興味と好奇心を持って

 アナウンサーや司会をはじめ、地元・瑞穂市コミュニティFM放送番組「もくようみずほ785」のパーソナリティーを務めるほか、名古屋文化短期大学で「コミュニケーションスキル」の講義を担当。岐阜新聞・カルチャーアカデミーでは、「話し方のコツ」で講師を務めています。コミュニケーションで大切なのは、「必要なときに、必要なことを必要なだけ話すこと」。いかに自分の思いを相手に正しく伝えられるかが重要です。講義では、発声や発音、イントネーション、話のまとめ方などをアドバイスしています。
 さらに、桜を植樹する「岐阜さくらの会」の活動にも参加。岐阜さくらの会は、「太平洋と日本海を桜で結ぶ」という夢を実現するため、名古屋市から金沢市までを結ぶ名金線のバス路線沿いに桜を植え続けた、バスの運転手・佐藤良二さんの活動が原点となっています。これまで、スペインやロシア、メキシコなど20数カ国を植樹で訪問。交流会では歌を歌ったりして、現地の方と交流を深めています。
 若い方に伝えたいのは、「20、30代の生き方が、40、50代に繋がっている」ということ。何事を始めるのに、遅すぎることはありません。興味や好奇心を旺盛に、いろんなことにチャレンジしてほしいですね。