岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

授かった命
一人ひとり輝くために
大切にしたい
「ニコ・ピカ・ピン」の合言葉


不破郡少年ボランティア委員
小竹典子(こたけ のりこ)さん(垂井町)

【2017年4月20日更新】

教員生活33年、民生児童委員(主任児童委員)3年を経て、現在は少年ボランティアとして活躍する小竹典子さん。垂井町子育て支援センターでの子どもを持つ母親に向けたサポートのほか、保育園や幼稚園、小学校の家庭教育学級での講演など、精力的に活動しています。

子どもの頃から抱いた夢
「いろんな人と関わる仕事がしたい」

 私は小さな頃から活発で、「勉強より遊びが大好き!」という子どもでした。「いかに勉強しないで、一日が楽しくなるか」ばかりを考えて過ごしていました。そんな姿を見て、特に親は心配をしていたと思います。ですが、なぜか毎日が楽しく、学校も大好きでした。それは友達がいっぱいいて、自然もいっぱいある。そして、何よりも地域には瓦職人さんや鍛冶師さんなど、さまざまな仕事に自信を持って取り組む人がいて、その姿を目の当たりにしたり、体験させていただいたりすることができたからです。友達がいて、やりたいことがあって、やり続けることが楽しさにつながったように思います。
 友達のなかには3人ほど障がいを持つ子がいたと思います。みんなと比べると、できないこともありましたが、「みんなと一緒に頑張りたい!」という強い思いや一生懸命チャレンジしている姿から熱いものがこみ上げ、私の心がポカポカとしてきたのをいまでも覚えています。逆に、いじめるつもりはなくても、つい非難したり、されたりしている姿を見ると心がチクチクし、何か自分にできることはないか悩みました。それらの経験から、将来はいろんな人と関わる仕事をして、自分にできることは何かを見つけていきたいと考えました。

子どもたちと一緒に作り上げた
「おひさまっこの歌」

 将来についていろいろ悩み、選んだのは小学校の教員でした。学校には学校教育目標があります。学校によって言葉は多少異なりますが、「徳」「知」「体」を基として、私がいた学校の一例として「なかよく かしこく たくましく」が掲げられていました。子どもたちの姿が、より目標に近づくためにいろいろな場を通して、教師・子ども・父兄が三位一体となり、連携しながら取り組んでいきます。
 私は低学年を担当することが多かったので、目標が抽象的だったり、多かったりすると理解しづらくなります。より具体的でわかりやすい伝え方はないかと考え、この年齢の子どもたちにぴったりの歌と踊りを取り入れました。それが「おひさまっこの歌」だったのです。子どもたちとともに目指す姿を、より具体的に歌詞のなかに取り入れ、歌をいろんな場でうたうことによって、目標を身近に感じられるようにしたのです。
 「友達と助け合い(ニコ)」、「いろんなことに挑戦し(ピカ)」、「こつこつとやり続ける(ピン)」としました。いろんな場で、その子なりのいきいきとキラキラ輝く姿を見せてくれました。
 
命の大切さを伝える
身体表現運動の指導

 教科体育で「身体表現運動」の指導することになりました。グループでテーマを決め、「重さ・軽さ」「かたさ・やわらかさ」「激しさ・鋭さ」など、そのものの持つ「感じ」=イメージで体を使って表します。
 球技や陸上競技、器械体操などは身近にあるスポーツで、子どもたちが興味を持ち、すぐにチャレンジすることができます。しかし、「感じ」=イメージを表現するとなると難しい。そして何より恥ずかしさがネックになります。もう一つはイメージしたものを体でどう表現すればいいか、動き作りに戸惑うのです。
 オリエンテーションが何より大切となり、具体物をしっかり観察し、その感じやイメージをそのものの持つリズムで感じ取ります。すべてのものに生命が宿っているということを話し合います。感じ取ったリズムで、その子なりの動きで掴み取っていきます。その時、何よりも大切なのは「なりきる」「真剣に!」です。グループで動きの見せ合い交換をしながら作り上げていきます。すると、テーマのなかに生命がやどります。その時、チームとしての喜びと楽しさを味わうことができるのです。いきいきと輝き、みんなの心はもちろん私のこころもポカポカとしていることに気づきます。これぞ「ニコ」「ピカ」「ピン」の姿です。

新たな挑戦から気づき
心に湧き上がった楽しさ

 33年間の教員生活を終え、民生児童委員(主任児童委員)を経験し、現在は少年ボランティア委員として活動しています。主任児童委員をしていた時、子育て中のお母さんへのサポートがいかに大切かということに気づきました。3年間の任務を終えた時、子育て支援センターの先生からお声がかかり、お手伝いすることになりました。私にできることを考えた時、教員生活での経験を活かすリズム遊びやストレッチ体操、そして忙しい女性が手早くつくれる料理の3つ。これらを取り入れた1時間の活動は、8年間続いています。今では漢字の成り立ちも紹介するようになりました。
 講演する対象者は、園児や小学生、中学生だったり、親子だったりと違います。ですが、「生きてるってすばらしい!――一人一人が楽しく輝くために――」と話すテーマは一貫しています。対象者によって、ペープサートを利用したり、リズム遊び、ストレッチなどをしたりして、「ニコ――生かされ」「ピカ――生きる」「ピン――生き抜く」を私の経験や体験から学んだこと、気づいたことを通して、より具体的に話すようにしています。
 少年ボランティア委員としては「あいさつ」を大切にしています。毎朝のウオーキング中に地元の小中学生とあいさつをしています。はじめは下を向いていたり、恥ずかしそうにしたり、びっくりされたりしますが、大きな声で返してくれる子もいます。毎朝続けていくと、遠くからでもあいさつをしてくれる子が増え、会話も生まれてきています。心がポカポカしてきます。思わず「ありがとう」といってしまいます。
 私がしていることは、あくまでもボランティア。活動を通じて多くの人から学んだり、気づいたりしたことから、より自分らしく表現する楽しさを味わっています。誰のためでもなく、私自身が成長しているのです。これらのポカポカする活動を通して、今後も「何かお役に立てること」を考えながら、活動していければと思っています。