岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

子どもも大人も
楽しみながら学べる「木育」
地域の魅力を関連させながら
ライフワークとして
魅力を発信し続けたい


飛騨市の木育を広める会 会長
池田明美(いけだ あけみ)さん(飛騨市)

【2017年4月20日更新】

飛騨市がほこる豊かな森林やそこから派生する魅力を、多くの人に伝える「飛騨市の木育を広める会」。会長の池田明美さんは、6人のメンバーとともに木のおもちゃなどに触れ合う体験と、木工職人・大工などといった森や木に関わる人々とつながる体験を通して地元の魅力を再発見し、まちづくり・人づくりにつなげていきたいと活動しています。

温かい人が多い飛騨市で
出会った「木育」

 関市から飛騨市河合にお嫁に来ました。雪深く、生まれ育った環境とはあまりに違ったので驚きました。それでも、披露宴で祝辞をくれた主人の親戚の「寒いし雪ばかりだけれど、温かい人がいっぱいおるで」という言葉の通り、この地域の人に見守られ、助けてもらいながら暮らしています。
 「木育」と出会ったのは、約8年前です。保育士のネットワークや地元で自然ガイドをしている友人から教えてもらいました。県から資料を取り寄せ、調べていくうちに興味が膨らみ、ちょうど開催されていた長野県での木育の全国フォーラムに、長男と参加しました。その時、「森のお散歩会」で、子どもも母親もゆったりと時間を過ごしている様子をみて、こんな子育てをしたい!自分にもできたらいいなと考えたのが始まりです。その後は、子育てをしながら、個人として森のようちえんやファーストスプーンづくりなどに参加したり、森のガイド養成講座で地元の森について学んだりしてきました。

「やってみよう!」
思いを共有する仲間と出会えた幸せ

 子育て中心に日々をおくる中、転機が訪れました。飛騨市・岐阜県共催の「木のおもちゃ博・木育後援会 ぎふ木育キャラバンin飛騨市」にボランティアスタッフとして参加させていただいく中で「木育」への思いが募り、共感してくれる仲間と会を立ち上げることになりました。
 ボランティアスタッフとしての経験は、飛騨の森の魅力と可能性の再発見につながりました。今まであまり関わることがなかった、木を切る人・加工する人・使用する人がつながることで、新しい何かを生み出し、まちの魅力として発信できるのではないかと感じたのと同時に、実際に活動する面白さを教えてくれました。
 飛騨市の木育を広める会は、活動開始からまだ1年にも満たないですが、現在6人のスタッフと運営しています。子育て中のお母さんが中心ですが、森が好き、ものづくりが好き、人とつながるのが好き、地元の魅力を語れる地域に誇りを持った子どもに育ってほしい、豊かな森を守りたい、それぞれいろんな思いを抱いて活動しています。
 
森林に携わる多くの人と関わり
ライフワークとして確立した木育

 会の目的は、森の資源と人を繋ぐこと、森と人を育むこと、そしてその結果として地域の人に豊かな森林環境に誇りをもってもらうことです。「木のおもちゃ広場」は、参加する子どもから大人までが木にふれあい、遊びを通じて森の恵みを感じてもらうことを狙いとしています。また「ワークショップ」では、森林や木に対して興味がない人にもものづくりや、森歩きなど体験を通して、飛騨の匠の文化・衣食住に関わる木の魅力に関心をもってもらうことを狙いとしています。この2軸の先に、それらを生み出す森林や山を守りたいという意識に繋げていけたらと思っています。「今ある景色は、先祖からの贈り物であり、未来を生きる子ども達からの預かりものでもある」。飛騨市で生活し始めたころ、職場の上司から教えていただいた言葉です。活動を通して、この言葉の意味を実感するようになりました。人生を通して取り組んでいきたいと思える活動に出会えたのは、ほんとうに幸せです。頑張りすぎず、細く、長く続けていきたいです。

家族や仲間に支えられて
「わたし時間」を楽しみたい!!

 家族をはじめ、多くの方々の支えの中で活動させていただいています。
 4人の子どもを育てながらの活動は、家族に負担をかけていないか不安になることもあります。出てきた不安はため込まず、子育てを通じて知り合ったお母さん方に相談したり、ほかのことをして気持ちを切り替えたりするようにしています。大好きな図書館に足を運んで絵本を見て癒されたり、子どもと散歩して大好きな自然と触れ合ったり、ワクワクドキドキは最高のリフレッシュです。
 これからもずっと飛騨市で生活していきたい。だからこそ、生活する地域の魅力を探し、ひとつでも多くの「好き」「楽しい」を発信していけたらと思います。