岐阜で活躍する女性の紹介
〜岐阜で活躍する女性からあなたへのメッセージ〜

なりたい自分を見つけませんか
自分の力に気づき変わっていく
女性たちをもっと応援したい
この仕事ができて
わたしは本当に幸せです


岐阜県女性の活躍支援センター・男女共同参画プラザ キャリアカウンセラー
藤井しのぶ(ふじい しのぶ)さん(岐阜市)

【2017年7月 4日更新】

出産や育児を理由に一度離職する女性が多く、さらに女性管理職の割合が全国ワーストワンといわれる岐阜県。女性の活躍をサポートする拠点施設として、2016年11月に「岐阜県女性の活躍支援センター・男女共同参画プラザ」がオープンしました。センターの特徴は、一人ひとりの悩みにあわせた支援を行う「伴走型サポート」。親身になって相談者の声に耳を傾けるのが、キャリアカウンセラーの藤井しのぶさんです。

女性の活躍を応援
平成28年に拠点施設をオープン

 「岐阜県女性の活躍支援センター・男女共同参画プラザ」では、再就職や継続就労など、女性に関するさまざまな支援を行っています。開所して、数カ月が経過。これまでの相談件数は、約500に及びます。センターにはカウンセリングブースやキッズスペースを完備。サロンスペースには、女性と仕事、子育て、家庭などの本や資料、県内の求人情報などがいつでも自由に閲覧可能です。
 毎週水曜日には「キャリ☆ナビDAY」として、子どもさんと一緒に受けていただける「プチ講座&交流会」などを開催。これまで「春から働こう~納得できる働き先~」「言いにくいことを言うには?~コミュニケーション力アップ~」などの講座を通して、参加者同士の交流の場を提供するとともに再就職や育休復帰など就業継続、キャリアアップなどのお手伝いをしています。
 参加者の方からは「託児がなければこのような講座は参加できないので、ありがたい」「求人情報の見方や勤務先の探し方などを講座で教えていただけたことで、前向きに就活に挑めます」などのお声が集まっています。

「答えは相談者の心の中に」
思いを明確にするお手伝いを

 就職支援センターとの大きな違いは、「就職がゴール」ではないこと。センターは、忙しい日常を少し横に置いて、「どうなりたいのか、どう生きたいのか」を自分自身と向き合っていただくきっかけづくりをしています。
 女性の中には、子どもや家族をいつも優先するあまり、自分のことは後回しにされる方が多いのです。「こんなことをやってみたい」「子どもに胸を張れる仕事をする自分になりたい」など気持ちをありのまま話して、明確に言語化することがはじめの大きな一歩です。
 私は特別なことをお話したり、指導したりするわけではありません。みなさんの本来持っている力を引き出すお手伝いをしているまでで、答えは必ずみなさんの心の中にあるのです。思いが明確ではなかったり、もやもやしている状態であったりしてもセンターに来てくださってOK。ふらっと雑談する感覚で遊びにいらしてください。

ありのままを受け入れて
自分が決めた選択をあきらめない

 勤めていた証券会社を、結婚を機に退職。子育ての傍ら、視覚障がいの方へのボランティアや地域活動、市民活動支援に携わりました。家事が苦手で、子育てに壁を感じていた当時。そんなときに足を運んだのがジェンダー(社会的性差)の講座でした。
 学びを深める中で、「女性はこうあるべき」といった性別役割に囚われている自分に気づきました。「家事が嫌いでも子育てが苦手でも大丈夫。社会が求める女性像ではなく、ありのままでいいのだ」と自分を受け入れることができたのです。
 PTAや地域で出会う女性たちは皆、力があって働きたい思いを持っていました。家庭の中で子育て・介護を担っていたため、働く機会が少ないことがもったいないと痛感。カウンセラーの仕事に興味を持ちました。20年近いブランクを経て再就職したのは、40歳を過ぎてからのことでした。
 その後、就職支援や男女共同参画関連職を経て、2016年秋からに現職に就きました。多くの女性に自分を後回しにせず生きてほしい強い思いが気持ちを後押ししました。
 再就職後、多忙な毎日でしたが、仕事を辞める選択肢はありませんでした。「自分の決めた選択を諦めたくない、人生を後悔したくない」という強い思いがあったのです。今までのように「いい母・いい妻」の体裁はどこかに吹き飛び、気持ちに反して我慢することもやめました。
 夫とは度々衝突しましたが、本気で向き合い対等な関係をつくるための大切な時間でした。今では、夫に家事全般を支えられています。

ジェンダーの視点を持ち
相手に寄り添う「伴走型」サポートを

 相談には限界があることが、この仕事の難しさです。わたしの役目は、みなさんが備えている力を引き出すことにあり、基本的にアドバイスや指導はしません。カウンセラーがあれこれと率先してアドバイスをしてしまうと、相談者の主体性や意思を奪うことになりかねません。あくまでも主役は相談者。寄り添って目標に向かう「伴走型サポート」を心がけています。
 センターに足を運んだことをきっかけに、変化してく女性の姿がやりがい。ここに初めてきたときは、「わたしなんてどこにも再就職できない」と否定的だった方が、みるみる輝いていくのがうれしいです。
 キャリアカウンセリングは一般化しつつありますが、ジェンダーの視点なくして女性のへの支援はできません。やりたいことを仕事にできているわたしは本当に幸せです。